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レベルってなんですか?  作者: Nombre
第二章「セントエクリーガ城下町」
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第四十六話「哲学?」

「なんだ?急に哲学か?」


 ノアはホワイトボードを消し終わると、再び椅子に座る。


 12時まで時間を潰す質問としては最適だ。


「そうだな……」


 ノアは足と腕を組み、天井を見上げる。


 ノアが多少、頭を悩ますことはだいたい予想していたが、先程までの流暢な喋りとは裏腹にかなり考えているようだ。


 この世界ではレベルの性質に関してはかなり研究されているようだが、本質に迫る哲学的思考はあまり無いのかもしれない。

 というより今まで出会った人は皆レベルという物に疑問を持っていない印象だ。



「……お前、この町にきてから車を見たか?」


 ノアは突然口を開いたかと思うと、関係なさそう事を俺に聞いた。


 ……たしかにこの町にきてから自転車を含め乗り物を見たことが無い。


 道自体も、中心に街路樹があるため、車が通るようなデザインになっていなかったな。


「……見てない」


 俺は首を横に振り、椅子に深く座り直す。


「まぁ、だろうな」

「この世界の乗り物と言えば船か兵器ぐらいだ」

「甦人の奴らはこれを不思議に感じる」

「なぜ車が無いか分かるか?」


 ノアは再び俺に質問をした。


 なぜかと言われてパッと思いつくのは鉄などの素材不足による高値ぐらいかな……

 モンスターがいれば素材を集めるのも一苦労だろう。


 しかし、レベルと関係あるのか?


「……高くて作れないとか?」


 考えても迷宮に入りそうなので俺はとりあえず答えた。


「ふんっ、多分、車100万台作るよりあのヘンテコな壁を作る方がよっぽど高いわ!」

「俺には計算できねぇから分からないけどな!!!」


「正解は必要ないからだ!」

「詳しく言えば、そこら辺の人でも走れば車より早く移動できる!」

「それに日常の移動範囲程度なら走っても疲れることはない!!」


 ノアは少し興奮気味にそう言った。


「……は?」


 俺は口を開けて呆然とする。


 ……ノアの言っている意味がよく分からない。


「お前、今、あり得ないと思っただろ?」

「だが、この世界で生まれた俺からすればこれが普通だ!」

「これがステータスだ!これがレベルだ!」


「……つまり、レベルとはこの世界にもたらされた絶対的な理であり、力だ」

「まぁ、これは俺の個人的な意見だがな」


 ノアは喋り終えると、いつの間にか上げていた腰を椅子に降ろした。


 確かに地球ではどんなに鍛えたスポーツ選手でも車が必要ないと言う人は誰一人いないだろう。

 それがこの世界での普通ならばノアが言うことに納得するしかない。



 だが、そんな力に誰も恐怖を感じないのだろうか……



 時計を見ると針は11時45分手前を指している。


「なるほど……」

「なんとなく分かったよ」


 俺はそう言うと椅子から立ち上がり帰る雰囲気を醸し出す。


「おう!」

「それじゃあ渡すもん持ってくるから少し待っとけ!!」


 ノアはそう言い残し勢いよく部屋を出て行った。

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