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第三章「レゼンタック」
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第百二話「魅力度ランキング」

「それで、本当に病院行かなくても平気なの?」


 ヒナコは部屋のベッドの上に置いてある小さなカバンの中をポンポンと物を詰め込みながら息を切らしている。



 レストランから出た後、ヒナコとケイの荷物を取りに二人が泊っている部屋に一度戻ってきた。

 数日会っていない内に行きよりもだいぶ荷物が増えている。

 あれだけ怒っていた割にはずいぶんと楽しんでいたようだ。



「病院は大丈夫」

「でも、トレバーさんに診てもらうために明日レゼンタックに戻るつもり」


「わかった、じゃあ私たちも明日一緒に帰るよ」


「心配しなくても、二人はチェックアウトの日までここにいていいよ?」


「鍵ないと私の家に入れないけど?」

「それに十分に私たち楽しんだから」

「ね、ケイちゃん?」


「え、あぁ、うん」

「ここ海しかないから飽きちゃった」


 ケイは窓際に置いてあるローチェアに背もたれながら、赤く焼けた肌にぬるいペットボトルを当てている。

 外にいた時は光の関係でよく分からなかったが、かなり痛々しい感じになっている。


「じゃあみんなで明日帰ろうか」




 ヒナコの準備が終わり三人で町に繰り出したがケイの言う通りこの町には遊ぶ場所があまりない。

 小さな市場もあるようだが、海の中にいるモンスターとちょっとした工芸品があるぐらいだ。

 なので一度も足を止めることなく30分もしない内に1周してしまった。

 セントエクリーガの魅力度ランキングがあったとしたら、下から五本の指に入っていても不思議に思わない。


「まだ12時過ぎだけどどうする?」

「ここにいても1時間も遊べないよ?」


 ヒナコは市場を逆戻りしようとした俺の足を止め、違う所に行きたいと目で訴えかけてくる。


「うん……」

「やっぱり二人は泳いで来たら?」


「アレン、それじゃあ泳げないでしょ?」


「俺は遠くで見てるだけでいいよ」


「うーん……、でも……」


「ねぇヒナコちゃん、ここは?」


 俺とヒナコが頭を悩ませていると、ケイが大きな荷物を背負って歩いている人の胸元の広告を指差した。

 そこには[ポートアーレ牧場]とケイが好きそうなキャラクターと一緒に書いてある。

 どうやらこの町にはモンスターの牧場があるようだ。


 しかしウォロ村の事でてっきりケイはモンスターにトラウマを抱えていると思っていたのだが、予想外の提案だ。

 以外と気にしていないのか?

 でもあの時モンスターは嫌いって言ってたよな……


「え、私はいいけどケイちゃんモンスター平気なの?」


 ヒナコは俺と一瞬アイコンタクトをしてから少し屈んでケイと目線を合わせる。


「牧場ってモンスターは閉じ込められてるから安全なんでしょ?」


「そうだけど……、怖くないの?」


「わかんないけど行ってみたい」

「アレンも良いでしょ?」


「ケイがいいなら俺は良いよ」


「じゃああの人に道きいてくるね!」


 ケイはそう言うと貨物者の人に駆け寄っていった。


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