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第三章「レゼンタック」
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第八十五話「プラン」

「またせたな!」


 レジカウンターの内側になる椅子に腰をかけてウトウトしていると、ユバルさんとトレバーさんが戻ってきた。


「ユバルさん、この店暑くないですか?」


「いや、そんなことないと思うぞ?」

「レゼンタックの冷房が効きすぎてるんじゃないか?」


 ユバルそう言いながら武器ケースをカウンターの上に置く。


 スーツを脱ぐほどではないが、7月にしては暑い気がする。

 いや、俺が汗をかかないせいか?


「武器に特に異常はなかった」

「だが、何度も言うが武器の形状が特殊だからいつどんな壊れ方をするか分からない」

「そこは気を付けろよ」


「はーい」


 俺はカウンターの上に置いてある武器ケースと紙袋を手に取って立ち上がり、反対側に回った。


 トレバーさんは武器が置いてあるコーナーを物色している。

 意外と興味があるようだ。


「それにしてもお前、意外と友達多いんだな」


「いや、そんな事ないよ」

「なにせ同年代の友達はいないからね」


「まぁ、お前ならそのうちベッピンな恋人ができるさ!」

「昇級試験がんばれよ!!」


「はーい」


 友達と恋人はまた違うと思うが、いないよりはいたほうが良いかもしれない。



 俺はユバルさんにお礼を言い、トレバーさんと一緒に店を後にした。



 今日の予定はあと家に帰るだけだ。


「あれ、そういえばお金を稼ぐ方法の続きは教えてくれないんですか?」


「すみません、アレンさん抜きでユバルさんと話を進めてしまいました」

「プランとしてはアレンさんが着ているそのスーツをアレンさんの名前で売りたいと思います」


「……そんなの売れるんですか?」


 たしかにこのスーツは良い物だが、この町に良いスーツなんていくらでもある。

 それにいくら知名度をつけた所でスーツ屋ではなく武器屋が作ったスーツなんて買う人がいるのだろうか……


「一般人に売るつもりはありません」

「客は金に汚い行商人です」

「モンスターに襲われてもボロボロにならない正装は需要があります」

「先程も言ったように、その点で言えばアレンさんの実績は十分です」



 なるほど、たしかにウォロ村にきていた行商人はボロボロの服装をしていた。

 モンスターの攻撃を受けた時、身体は平気でも服は破れてしまう。

 しかし、俺は死にかける程の怪我を負ってもスーツは無事だった。

 てっきり実績とは俺の戦闘能力のことかと思っていたが、服の性能の話だったようだ。



「販売に関しては私に任せてください」

「アレンさんは昇級試験に集中していただければ大丈夫です」


「じゃあお言葉に甘えて……」


「それと聞くのを忘れていましたが、アレンさんは泳げますか?」


「……まぁ人並みには?」

「泳げないと何かあるんですか?」


「いえ、死んでしまってはプランが崩れるので」


「あぁ、確かに、死んだら……」

「昇級試験っていつもの見回りの場所ですよね?」


「いえ、海の上です」

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