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第三章「レゼンタック」
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第八十四話「lim(mg→0)」

 カランカランッ


「ユバルさーん!」

「アレンですー、いますかー?」


 俺の声が店の中に消えていく。

 相変わらずこの店は静かだ。


 だからこの店が好きなんだけど……



「おう、アレン!」

「今日は……、いつもの点検だな!」


 店の奥から出てきたユバルさんは、カウンターの上に置かれた俺の武器ケースを見て、要件を察してくれたようだ。


「何分ぐらいで終わりますか?」


「この武器の特性も分かってきたからな……、20分くらいだな」

「それよりアレン、入荷したての最新のさび止めがあるんだが買うよな?」


「はぁ……、また売れない商品を並べてるんですか?」


「1ロット100個からなんだから仕方ないだろ?」

「で、買うよな?」


「容量は?」


「30ml」


「じゃあ二つで」


「まいどあり!!」


 ユバルさんはそう言うと満面の笑みでレジ横にある缶を二つ紙袋の中に入れる。


 あれ、そういえばトレバーさんどこいった?



 ドガジャンッ……


 背後からした大きな音が気になり振り返ると、トレバーさんが【あの大剣】を片手で振っていた。


「おい、アレン」

「あれはお前の友達か?」


 俺が目を丸くしていると、ユバルさんが俺の耳元で囁く。


「友達というか……、先輩?上司?」

「トレバーさんっていうんだけどノアから名前聞いたことない?」


「あぁ、名前は聞いてるぞ」

「たぶん同い年だ」

「おいあんた!良い腕してるな!!」


 ユバルさんはトレバーさんに向かって声をかける。


「いえ、剣の重さを0に近づけただけです」

「私にはこの剣でせいぜい野菜を切る事しかできません」


 重さを0に……

 あの瞬間移動と関係しているのだろうか……


「それじゃあ俺は裏で点検してくるから適当にくつろいでてくれ」


 ユバルさんはそう言うと俺の武器ケースを持って裏に入ろうとする。


「点検作業を見学してもいいしょうか」

「一度、拝見したいと思ってたんです」


 ジャガンッ……


 トレバーさんは大剣を元の位置に戻してユバルの後に続いて店の裏に入っていく。



 ……あれ、取り残された?

 トレバーさんと一緒に見学をすればよかったが、タイミングを逃してしまった。


「……よしッ」


 俺は店の入り口付近に近づき、大剣の柄を両手で強く握り上に引き抜こうとする。


「んぐッ……」


 5センチぐらい浮いたか?

 あの時よりはちょっと成長できたか。



 俺は店内を一周しながらレジの前に戻ると、新商品のパッケージを見ながら時間を潰した。

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