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第三章「レゼンタック」
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第八十二話「診断結果」

「アレンさん、一つ質問してもいいですか?」


 デザートのマンゴー味のプリンをチビチビ食べていると、トレバーさんが一時間ぶりに口を開いた。


「な、なんですか?」


 一時間前に器を持って食べようとしたのを注意されてから世間話もせずにビクビク箸を進めている。

 味に関しても嘘みたいにデカい魚が運ばれてきてからサッパリわからない。



「アレンさんがこの町にいる目的って何ですか?」


 トレバーさんはスプーンを机の上に置き、手を机の下に隠して改まった表情をする。


「……なんですかねぇ」


 目的と言われても成り行きでこの町にいるわけで……、あれ?

 そういえば俺って何かしたかったんだっけ?


 まぁいい、また怒られるかと思ってたから良かった。


「先日は旅に出るためにレゼンタックで働いていると言っていましたが、それは違いますか?」


「あぁ、旅にも行きたいですけど最近はこの町で生活するのも悪くないと思ってます」


 つい最近まではそんな事を思っていたような気もするが、おそらくケイと別れてからも俺はこの町に居座り続けるだろう。

 ヒナコの作るご飯も美味しいしね。


「そうですか……、私はアレンさんは自分の事を知るための旅に出るのをお勧めしますよ」


「トレバーさんは僕を厄介払いにしたいだけでしょ?」


「はい、そうです」


 冗談で言ったつもりが真顔で返されてしまった……


「というのは冗談です」

「私がアレンさんに旅……、いや、ギルセリアに行くことを勧める理由はただ一つ」

「アレンさんが人間ではない可能性があるからです」


「……それも冗談ですか?」


「いいえ」

「以前の黒騎士事件の際、私はアレンさんを<触診>で診ました」

「基本的な構造は人間と同等な物でしたが、脳と神経が空白になっていました」

「おそらくレベルが測れないのもその影響でしょう」


「えーっと、それも冗談ですか?」


「安心してください」

「何もないわけではなく、おそらく複雑化している事によって知覚できないというのが正確です」


「……あんまり実感はないですけど、なんとなく理解しました」

「それで……、僕はどうしたらいいんですか?」


「セントエクリーガは大国ですが国力は並程度、歴史も浅いです」

「資料や文献も乏しいためにアレンさんの状態が分かりません」


「はい……」


「なので、もしアレンさんがその気ならばギルセリアに行くための支援をしたいと思っています」


「少し考えてもいいですか?」


 ……パニックパニック。

 とりあえず深呼吸しよう。



 人間じゃないってなんだ?


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