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第三章「レゼンタック」
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第二十九話「血布団」

「ケイ、電気消すよ?」


「ウン」


 俺は寝室の電気を消すと、今に敷いた自分の布団に潜る。

 ケイは相変わらずあんな調子だ。


「……アクティベイト」


 布団の中にスキルボードが表示される。


「おぉ……」


 今日はリンシェンクス一体しか倒していないが、SPが8ポイントも溜まっている。


 スライムとかあのナメクジとかよりも美味しいな。

 明日からもっと頑張ろう。


「ステイ」




 ガチャ……ドンドン……ドサッ……ガチャンッ……


 目覚ましがまだ鳴っていないのに部屋が騒がしい。

 ケイが何かをやっているのだろうか……


 泥棒じゃないよな……


 俺はわざと寝返りをうって騒がしい方に顔を向けるとゆっくりと薄目を開けた。


 ……なんでヒナコがいるんだ?


 寝室でヒナコがケイの布団を畳んでいる。


 ……血のついた布団。


 ……ケイは体調不良。



「……アレン、もしかして起きてる?」


 ヒナコは布団を抱えながら寝ている俺の身体を軽く蹴飛ばした。

 俺が起きていることにはヒナコはまだ気づいていないようだ。


 どうするべきだ。

 ここで知らないふりをすることもできるが、この後も12回、同じ事が起こる……


「……起きていないことにして」


「……馬鹿」


 俺はヒナコに罵られながら、もう一度、眠りにつく努力をした。

 12回ならなんとかなる。



 ピピピピピピピピ……


 俺が目を閉じてから10分もしない内に目覚ましが鳴った。

 ケイは部屋にいない。


 朝食の時間になってダイニングに降りると、ケイがしょんぼりした顔で椅子に座っていた。

 ケイは俺と目を合わさない。



 俺とケイは食事を終えて部屋に戻った。

 ケイは部屋の端でもじもじしている。

 今日もケイはお休みだ。


 なにか言った方がいいのだろうか。


「ヒナコとお話してきたら?」


「……うん」


 ケイは慌ただしく部屋を出ていく。


 そしてケイはお昼ご飯まで部屋に戻ってくることはなかった。




 俺は少し早い昼ご飯を食べ終えると支度を済ませてレゼンタックに向かう。

 今日はなんとなくワイシャツにしてみた。


「アレン君、今日はシャツなんだね」

「カッコいいよ!」


 足元を見ながら階段を上っていると上から降りてくるアメリアさんとすれ違った。


「ありがとうございます……」


「安心してアレン君」

「アレに関して男の子にできることなんて何もないから」

「あんまり考えすぎて怪我しないでね!」


 アメリアさんはそう言い残して下に降りていった。


 そういえばヒナコとアメリアさんは繋がってるんだよな……

 既に報告済みか……


 だめだ、このままだと集中できない。

 今日からは一人だ。


 頑張って切り替えよう。


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