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第三章「レゼンタック」
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第八話「餅」

「……おい、アレン」

「そろそろ説明していいか?」


「……あぁ、うん」

「お願いします」


 先程まで興奮していたのに、いざ手にしてみると現実味が無くて冷静になる。

 不思議なものだ。


「えーっと、まずお前の要望通り柄に鍔を付けておいたぞ」

「だが、刀身の出し入れがしずらくなったから、鍔の背を割って置いた」

「一応、親指一本分で調整しておいたが、感覚でやってるから試してくれ」


「わかった」


 俺は短剣を腰の位置に構え、親指を使いながら短剣をゆっくりと抜いてみる。


 さっきよりも力を入れずに短剣を抜くことが出来た。

 切れ込みの幅もちょうどいい。


 次に鍔の切れ込みに短剣の背を沿わせながら、短刀を鞘に納める。


 うん、断然と納めやすい。


「このままで大丈夫だよ」

「ありがとうユバルさん、流石だね」


 餅は餅屋って言うしな。

 短剣の出し入れなんてまったく考えていなかった。


「それで……これが短剣をベルトに固定するやつなんだが」

「鞘を戦闘で使うようだったから、ホルスターを貫通させてワンタッチで鞘を外せるようにいじくっといたぞ」


 そう言うとユバルさんは俺から短剣を受け取り、鞘をホルスターに納める。


「鞘のケツをこう、持ち上げるようにすれば外れるから試してみろ」


「あぁ、うん」


 なんか次から次へと便利な物が出てきて少し引いてしまう。


 俺はユバルさんに言われた通り、鞘の先を持って短剣を取り外そうとする。


 カチャンッ、カチャンッ


「……ん?」


 言われた通りやっているのだがホルスターから短剣が外れない。


「鞘を平行にしてから真上に持ち上げるんだ」



 カチンッ


「おぉ……」

「これ、しまう時はどうするの?」


「鞘をホルスターの入り口から真っすぐ入れると勝手にロックがかかるぞ」


 俺は言われた通りゆっくりとホルスターに短剣を納めるとカチッという音がした。

 少し腰を回してみたが外れる様子はなさそうだ。


「しばらく使ってみて簡単に外れるようだったらまた持ってきてくれ」

「……よし、それじゃあスーツを持ってくるから少し待ってろ」


「度肝抜かすなよ」


 ユバルさんはそう言い残し、店の奥に姿を消した。


 俺は刀身を鞘から抜き、刀身をじっと眺める。



『度肝抜かすな』……か。

 これは期待できそうだ。


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