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第三章「レゼンタック」
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第七話「鉄砲」

「よし、じゃあアレンは今からユバルの所に行って武器を受け取ったら、またここに戻ってこい」

「何時ごろが良さそうだ?」


「うーん……、12時とか?」


 今は10時40分なので一時間半もあれば余裕だろう。


「そうか……」

「じゃあ昼飯も済ませて12時半に訓練場に戻ってこい」


「わかった」


 俺は返事をして部屋を後にした。



 アメリアさんにお礼を言おうと思ったのだが探しても見当たらなかった。


 お礼を言うのは後にして、レゼンタックを出てユバルさんのお店の方向に足を進める。




「ふんっふっふふーん……」


 本物の武器に、新しいスーツ。

 心が躍らないわけがない。




 カランカランッ


 地図を見ながらユバルさんの店の前までたどり着くと、重いドアをゆっくりと開けた。

 目の前には相変わらずデカい大剣が目立っている。


 店内に入って辺りを見渡したが、ユバルさんの姿が見当たらない。


「ユバルさーん!」


 俺は店の奥に向かってユバルさんを呼ぶ。


「……アレンか?」

「ちょっとまってろ!」


 ユバルさんの声が奥から返ってくる。


 ……仕方ない、店内でも回ってるか。



 やっぱり見てるだけでも面白い。



 俺は一通り店を回ると、受付の中にある銃が並べられた小さなスペースに近づいた。


 銃剣……銃剣……、無いな。

 拳銃しかない。


 思っていたよりも高くないな。



「なんだアレン、鉄砲に興味あるのか?」

「だが、弾とメンテナンスに金かかるからお前は止めといた方がいいぞ」


「ユバルさん、早かった……ね?」


 店の奥から出てきたユバルさんの目に大きなクマが出来ている。

 それに一週間前よりも痩せたようだ。


「ユバルさん、どうしたの?」


「あぁ、少し根を詰め過ぎただけだ」

「まずはこれが武器の登録証な」

「一応、間違っていないか目を通してくれ」


「……あぁ、うん」


 俺はユバルさんからもらった書類に手に取り、ザッと目を通す。


 ……焦らすなよ。



「うん、間違ってないよ」


 俺は書類を机の上に置くと、ユバルさんが持っている黒いケースに目を向けた。

 先程から視界にチラチラと入ってきて気になって仕方がない。


「まぁ、そう焦るな」

「これは今日からお前の物だ」


 そう言いながら、ユバルさんは机の上にケースを置く。


 カチャン……カチャン……カパンッ


 ユバルさんはケースのロックを外して自分に見えるように開けると、180度回転させて俺に見せた。



「……」


 俺はしばらく箱の中身を眺めると、短剣を手に取る。


「抜いてみろよ」


 ユバルさんにそう言われ、俺は身体の正面で短剣をゆっくりと抜いた。


 キューーギュリーン


 金属が奏でる音色と共に、鞘から真っ黒な刀身が現れる。



 軽い、そして綺麗だ。

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