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第三章「レゼンタック」
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第六話「104点」

「……時間だ!」


 ノアは俺とハリソン君の回答用紙を手早く回収する。


「10分ぐらいで結果が出るから二人ともそこで待ってろ」

「喧嘩はするんじゃないぞ」


 ノアはそう言い残して部屋を後にした。



「……おい、お前」

「できたのか?」


 椅子に浅く座り直して時計を眺めていると、ハリソン君が話しかけてきた。


「……まあまあかな」


「そうか……そうだよな」


 ハリソン君は机に肩肘をついてそっぽを向く。


 この様子だとハリソン君の結果はなんとなく予想できる。


 俺に関しては、かなり感触はよかったと思う。

 もしかしたら本当に一発合格があるかもしれない。




 ガチャ


「よーし、どっちから結果を聞きたい?」


 しばらく待っていると、ノアがニヤニヤしながら部屋に入ってきた。


「俺からだ」


 ハリソン君は左肘をつきながら、右手で小さく手を挙げた。


「えーっと、ハリソンは……」

「三択問題は満点だったんだが、Q102を間違えたな!」

「次は頑張れよ!!」


 ノアはそう言うと回答用紙をハリソン君の前に置き、肩を強く叩いた。


「それでアレンは……」

「三択問題を一つ間違えているが、記述問題は文句なしの満点だ!」

「流石だな……と言ってやりたいが、少し丁寧にやりすぎだな」

「アレンはもっとテキトーにやる事を覚えた方がいいぞ」


 ノアはそう言うと、ハリソン君と同じように俺の前に回答用紙を置くと肩を強く叩いた。


「……え?」

「結局、俺は合格ってこと?」


「そうだが?」


「や、やったー」


 ……紛らわしくて喜ぶタイミングを逃してしまった。



「ノアさん!」

「アイツの回答用紙みせてくれよ!」


「……いいか?」


「もちろん」


 ハリソン君は俺から回答用紙を受け取ると、自分の回答用紙と比べ始める。


 チラッとハリソン君の回答用紙が見えたが、俺のものより空白の割合が大きかった。


「……ハリソン!」

「午後にもうもう一回、試験を受けられるがどうする?」


「……やる」


 ハリソン君はそう言うと立ち上がり、壁にもたれ掛かっていた重厚な黒いゴルフバッグのような物を手に取った。


 オブジェかと思っていたのだが、ハリソン君の私物だったようだ。

 中身は……おそらく武器だろう。


「おい、アレン!」

「俺はまだお前に負けてないからな!」


 ハリソン君はそう言い残し、部屋を後にした。



 ……あ、俺の回答用紙もってかれた。

 記念に残しておこうと思ったのに。



「……ノア、ハリソン君が持ってたあのバッグの中身って武器だよね」


「あぁ、そうだぞ」


「……中身は?」


「銃剣だ」

「それもかなりの高級品だぞ」


 ……なるほどな。

 そのうち喧嘩は売られるだろうから対策は考えておく必要がありそうだ。



 それよりも今はもう少しだけ、試験に合格した喜びを味わう事にしよう。

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