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第三章「レゼンタック」
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第二話「サッカー少年」

 レゼンタックの中に入るとケイと別れ、まずトレバーさんの所に向かう。

 2番窓口の中に入ると、トレバーさんが働いているのを見つけた。


 まずはお礼を言わなければ……



「トレバーさん、おはようございます!」

「昨日はありがとうございました!」


 俺はトレバーさんの後ろに近づくと、割と大きめの声で挨拶とお礼をした。


「私はアメリアさんに仕事を頼まれただけですから、お礼はアメリアさんに」

「それと、あの遺体の事ですが詳しい検査を行うためにアプレディメントに移送されることになりました」

「なので火葬は一年から数年先になりそうです」


「わかりました、ありがとうございます」

「……もう行きますね」


 話が続かなかったので、俺はその場を足早に後にした。


 なんかトレバーさんの雰囲気ちょっと変わったかな?

 元気がない……というより落ち着いてる?



 俺はアメリアさんにお礼を言うために総合受付を覗いたが、忙しそうにしていたのでお礼を言うのは後に回して階段を上った。



 4階まで上ると受付の脇を抜けてノアの姿を探したが、身体がデカいのですぐに見つけることができた。


「おはよう」

「今日はどこでテストやるの?」


 俺は大きな椅子に座ってくつろいでいるノアに話しかける。


「おぉ、アレンきたか」

「よし!じゃあこっちこい!」


 ノアは椅子から立ち上がり、俺がノアから説明を受けた部屋の前に案内された。


「適当な席に座って待ってろ!」


 ノアはそう言い残して何処かへいってしまう。



 ……ガチャ


「あぁ……」


 ドアを開けると一番前の席に少年が座っているのがν(ニュー)見えて思わず声を出してしまった。

 ケイと同じぐらいの年齢に見える。


 てっきり一人でテストを受けるのかと思っていたが、違うようだ。


 ……この少年、どこかで見た事あるな。



「……おはよう」


 俺は少しビビりながらも話しかけてみる。


 年上の俺が気を利かせなければならないのは仕方がない。


「おい、お前」

「レベルは?」


 少年は眉間にしわを寄せながら、敬語も使わずに話しかけてきた。


ν(ニュー)


 敬語は人のこと言えないけど、挨拶ぐらい返せよ……


「ニュ、ニュウ?」

「……それは強いのか?」


 少年は困った顔をしている。


「分からないな」

「強くはないんじゃないのかな?」


 俺は少年と少し離れた横の席に腰を下ろした。


「……そうか」

「俺はレベル60だ」

「だからお前は俺に敬語を使え」


 ……は?


 横に目を向けると、少年は机に肩肘をつきながら俺の事を見ていた。


 なんだこの生意気なガキは。

 ケイの方がまだましだぞ。


 ……レベル60か。


 俺はなにも言わずに肩肘をついて少年と違う方に目を向ける。


「おい、聞こえてるのか」


「……」


「おい!無視するな!」


「……」


「なにか答えろよ!」


「……」


 少年は後ろから話しかけてくるが、俺は無視を貫く。


 言い返したい気持ちは山々だが、物理的に反撃されるのが怖いのでやめておこう。



 ……あぁ。

 何処かで見た事あると思ったら、この町に来た時に公園でサッカーをしていた少年らの一人だ。


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