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第二章「セントエクリーガ城下町」
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第九十四話「無機質な廊下」

 昼飯も食べ終わり、4階でただ暇をしているのも申し訳ないので書類仕事を手伝う。

 といっても既に大まかな時間が記入してある表に、今の正確な分数と、渡されたメモに書いてあるアルファベット、数字、モンスター名を書き込み、消せと言われたらモンスター名を線で消すという単純作業だ。


 しかし、字が汚いと直せと言われるので少し気を遣う。



 一方ノアは、仕事をしている人に話しかけながらフラフラしている。

 たぶん、生産的な事はなにもしてない。


 そして1時間ほど経つと、どこかに姿を消してしまった。




「おい、アレン」

「一階でお嬢様がお呼びだぞ」


 5時28分と記入していると、後ろからノアの声が聞こえた。


 お嬢様……アメリアさんか?



 俺はとりあえずノアに仕事を渡し、言われた通り階段を降りる。


 部屋を出る寸前、ノアが近くにいた人に俺の仕事を横流ししていたのは見なかったふりをしておこう。



 一階に降りると、ちょうどトレバーさんがこちらに向かってきた。


 話しかけたいけど……まずは挨拶からかな?


「お疲れさまで……」「絶対に嘘はつかないでください、後で向かいます」


 俺が苦笑いで挨拶をしようとすると、トレバーさんは俺の耳元でそう言った。


 トレバーさんを目で追いながら振り返ったが、トレバーさんの姿はもうそこには無かった。


 ……いや、本当に俺に言ったのか?

 無線的な感じで他の人と話してた?


 というか……どこに消えた?



「アレンくん!」


 前を見るとアメリアさんが手招きしている。


 その腰辺りにケイは隠れていた。




 俺とケイはアメリアさんに、レゼンタックから40分~50分ほど離れた壁際にある郊外の大きな施設に案内された。


 アメリアさんの説明によると、簡単に言えば警察署と研究機関が合わさったような施設らしいがもっと複雑そうだ。

 そして、ここには火葬場も隣接されている。



 俺とケイは建物の中に入っていき、奥へ奥へと進んでいく。

 深夜の病院的な雰囲気かと思っていたのだが、逆にまぶしいほどに廊下の電気は煌々と光っている。


 しかし、それも無機質な感じがして落ち着かない。



「ケイちゃん、ちょっとここで待っててね」

「アレンくんはこっちへ」


 アメリアさんは廊下の分かれ道のソファーにケイを座らせ、俺をさらに奥へ案内する。



 そして、階段を上り、角を曲がると、急にスーツを着た男の人が現れた。


「この方がアレンさんですか?」


 男の人はアメリアさんに少し威圧的な態度で質問する。


「はい」

「丁重にお願いします」


 アメリアさんはそれだけ言うと、俺に向かって綺麗な笑顔を向けて元来た道を戻っていった。


「……こちらです」


 男の人はアメリアさんの姿が見えなくなったのを確認すると、すぐ横にあった扉を開けて中に案内してくれる。


 部屋の中は事務所のようになっていて、スーツを着た人が数人、働いていた。



 男の人はその脇を抜けて部屋の中にあるガラス張りでシャードがついている区切られた空間に俺を案内し椅子に座らせる。

 そして男の人は部屋の中に入るやいなや、シャードを閉め、俺の対面に座った。



 ……ん?

 なんか……これ……この感じ……


 ここって取り調べ室か?

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