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『極秘・あひるランドと村の征服計画』

 はったんは会議室に通じるマンホールの蓋を少し開けた。出席者の足下が見える。枝子えだこ大統領も足を広げて立ち「団結ガンバロー」と叫んでいるようだ。

 はったんが開けたふたは、ちょうど会議室の長いテーブルの真下にあった。そのためはったんの姿は、出席者には見えていない。はったんはマンホールから出て机の下を四つん這いになって進んだ。テーブルにかかる豪華なテーブルクロスの下から短い手を伸ばし、見つからないように机の上を探った。何かに触れたのでゆっくりとそれを握りしめ、手を引っ込めて見た。

『平和島ボート出走表・1レース枠番2・田中・・・』

「違う!」

 はったんは、また手を伸ばす。

『高島屋・秋の物産展。東北の味覚・・・』

「違う!」

 次だ。

『日雇いでも借りれます!来店不要、お電話一本・・・』

「全然、違う!」

 はったんは余計な資料を、それでもいつか役立つかも知れないとリックサックに入れ、また机の下からそっと手を伸ばした。

「なんだ、分厚いぞ」

 はったんの手は分厚く重い資料に触れた。モグラの手ではなかなか掴めない。テーブルの上を滑らせて移動させることも困難なほどだ。あまりモタモタと時間を掛ける分けにはいかない。ガンバロー三唱も終わり、皆が帰りかけている。はったんが焦ってテーブルの上をまさぐって、なんとか書類を掴もうとしていると、その手を何者かが掴んだ。

「ん? 何だこれは」

 テーブルの上から、声がすると同時にはったんの手は何者かに引っ張られた。

「何をしている!」

 はったんをテーブルの下から引きずり出して蚤が叫ぶように言った。会議室には数人の幹部が残っているだけだった。

「モグラのはったんと申します。ガマの油とか、心の薬とか、穴掘りとか、薬物密売とか、モグラ詐欺とか、下水掃除とか、室内清掃とかしてます・・・」

 パニクったはったんは思い出す限り自分が経験したことのある職種を述べた。

「何だ、清掃か。ご苦労さん」

 蚤ははったんの手をはなすと会議室を出て行った。


 皆急いでいるのか会議室は雑然と散らかっていた。誰もいなくなった会議室をはったんは歩き回り、這い回りして何か重要な資料はないか探した。すると数頁程度の冊子をゴミ箱で見つけた。そこには『極秘・あひるランドと村の征服計画書』と書いてあった。



(つづく)


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