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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

太陽の子の伝説。

掲載日:2019/04/21

 

 むかしむかしのことでした、この世界を創った創造神は自らを太陽の化身とし、世界を運営していました。


 しかし、色々な生物が生まれていく中でどうしても失敗作や他の生物の命を脅かす悪い者達が生まれてきてしまうのでした。しかし、最初に決めたルールで神様は自分の作った生物を殺すことはできませんでした。


 悪者達の対処に困った創造神は太陽神としての力の一部を神と交信できる人間に託すことにしたのです。

 直接は手出ししてないし、力を授かった奴が勝手にしてるから大丈夫だよね?というルールぎりぎりの隙をついたのです。


 それに反発した悪者達は自分達だけの国を作ろうとし、太陽の力を授かった人間は太陽の子として悪者達と戦う使命(さだめ)を背負ったのでした。


「おのれ!許さんぞ悪者め!!」


「くっ、またキサマか!しつこいぞ太陽の子!」


 そんな中でも今回の太陽の子は凄まじい力を有していました。


「俺は戦う!戦えない全ての人のために!!」


 太陽の光を纏った高速パンチで次々と悪者達を粉砕していくのです。

 今まで人類の苦戦がなんだったのかというレベルの快進撃。太陽の子は伝説を塗り替えたのです。


「太陽の子が現れたぞ!逃げろ!!」


 悪者達の中には太陽の子を見るだけで逃げ出す者も続出しました。鬼です。悪者達を倒すためだけに体を鍛えた修羅の戦士。

 人類にとって彼は最後の希望でした。


「さぁ、お前の罪を数えろ」


 強く、硬く。いつしか太陽の子の鎧は返り血に染まり、それが色濃くなり、次第に真っ黒へと近づいていきました。


「かかったな太陽の子!そのまま壁に潰されて死んでしまえ!!」


 ある時、太陽の子は悪者の卑劣な罠にハマり迫り来る壁に押し潰されそうになりました。

 このままでは太陽の子が死んでしまう!!

 しかし、太陽の子の無事を創造神が祈ると、


 そのとき不思議なことが起こった。


 太陽の子は自らの肉体をゼリー状に変えて脱出したのです。まるでスライムのようでした。

 軟体になった太陽の子に物理攻撃は効きません。唯一効いたのは超火力の炎だけでしたが、その炎を使うと悪者の体の方が先に溶けてしまいました。


「俺はキサマをブッコロス!!」


 益々太陽の子は力を増して悪者達を殲滅していきます。人間の仲間達は最初こそ共に戦おうとしていましたが、途中から「もうあいつだけでいいんじゃね?」と応援に回りました。


 太陽の子には炎が効くと知った悪者達は次々と炎を操るモンスターを生み出して対抗しました。

 しかし、それが仇となったのです。


 またしても不思議なことが起こった。


 度重なる攻撃により太陽の子は炎に対する耐性を取得。同時に体内に溢れ出るエネルギーを射出する銃撃技を生み出してのです。

 こうなっては手に負えません。襲いかかるとスライムになり、炎を浴びせると銃撃態になり生半可な攻撃も熱も通用しません。


「戦え!戦わなければ生き残れない!!」


 最初こそ優勢だった悪者達ですが、次々に太陽の子に拠点を破壊されて追い詰められてしまうのです。

 だが、ここで諦めては悪者の名が廃る。

 悪者達は直接戦うのではなく、太陽の子の周辺にいる人間を使って作戦を立てたのです。


 その中で、モンスターへと姿を変えられた太陽の子の弟が死んでしまいます。


 これには太陽の子も折れそうになりました。自らの手で弟を殺めてしまったのです。


「嘘だこんなことーーー!!」


 絶望感に包まれる太陽の子。それを見守っていた創造神は彼に再び立ち上がって貰うために試練を与えます。

 その中で太陽の子は自分の使命を、なんのために戦うのかを思い出し、進化して行きました。


 曲がらない自らの意思を。闇を払う光を。悪を貫く勇気を!


 その思いに応えるように一振りの杖が現れました。


「その命、神に返しなさい」


 太陽の子の凝縮されたエネルギーを纏う光る杖は悪者を次々と薙伏せて行きます。もう、杖を使う=死。逃げることはできませんでした。


 根気強く悪者も戦うのですが、


「何回やっても何回やっても太陽の子だ倒せないよ!!」


 と嘆く始末。

 一度だけ太陽の子を拠点ごと爆破した上で、その空間を消滅させたのですが、


「人の心に光がある限り、俺は何度でも蘇る!」


 何事も無かったかのように復活しました。その時既に太陽の子は創造神から授かった以上の力を身につけていたのです。


「ならば先に人間の方を殺してやる!」


「だが無意味だ!!」


 人間を先に襲うことで復活を無くそうとしたモンスターは腹にパンチを受けて死にました。

 死神、糞ゲー、チート、バグ。様々な呼び名を与えられながら遂に太陽の子は悪者達のボスである魔王の元に辿り着きました。


「ここまで来たことを褒めてやろう」


「人々を苦しめてきたキサマを俺は絶対許さねぇ!」


 最早最強と言っても過言でもない太陽の子相手に魔王は引けを取りません。

 究極の闇をもたらす者として君臨するだけのことはあります。光の杖すら通用しません。


 ここまでくると創造神ですら手助けをすることができないのです。


「敗者に相応しいエンディングを見せてやる!」


「諦めない。俺は何度でも立ち上がる!!」


 そして戦いが長引く中、魔王は気付きました。

 今の太陽の子は自分と互角になるほど強い。ならば太陽の子がまだ悪者達と戦い始めた頃に倒せばどうだろうか?と。


 完璧な作戦だと気づいた魔王は禁術を発動させて時を遡った。


 そしてそこには創造神から太陽の力を授かったばかりの太陽の子がいた。


「死ねぇええええええ!!」


 戦い始めたレベル1を相手にレベルカンストが勝負を挑む。これでは世界は滅んでしまう。


 しかし、不思議なことは何度でも起こる。


 魔王の時間魔法により時の流れが乱れてしまったのだ。その隙を見逃す創造神と太陽の子ではない。

 違う時間、無数の枝のように伸びる世界から太陽の子を呼び集めたのだった。


 スライム状態で物理攻撃無効の太陽の子。

 熱に強くて力強い射撃が得意な太陽の子。

 光の杖使って必殺の一撃を放つ太陽の子。

 未熟だが無限の可能性を秘めた太陽の子。


 一人だけでも魔王と互角だった相手が四人も揃ってしまった。

 当然、為すすべもなく魔王は倒されてしまった。


 未来の魔王が過去で死ぬことで魔王という存在そのものが消滅し、死ぬはずだった弟は生き残った。犠牲者の数も本来よりも少なく済んだ。



 ありがとう太陽の子。

 ありがとう創造神。


 こうして世界の危機は去った。







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