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その11 美人

消えかけの種火が新たな燃料の追加により元気に燃え盛る。乾いた段ボールは危険なほどに炎をまくし立て、火柱めいてますます盛る。柑子色の光が築山を照らし、浮きあがるさらっとした灰色ストレートのロングヘアー。艶やかに光を照り返し、質のいいカーディガンのように肩まで覆い隠していた。小さく笑みを浮かべた口、長く目立つまつげ、少し彫りの深い鼻。整った顔に似合わない、沈む夕陽のようにドロッとした黒い眼。ふと、息も忘れて見つめていた。私を正気に戻したのは鳴島だった。鳴島の、

 「······どうした?惚れたか?若いねぇ······」

という茶化しで、私はハッとした。

 「ああ、いやね、綺麗だなって思ったんだ。ごめん」

それを聞くと、築山はありがとうとにこりと笑った。

 「いやー、分かるよ?その気持ち。築山はかわいい!明るみで見た私が言うんだから間違いない!その上優しい!かわいい!いい香りがする!髪サラサラ!かわいい!」

 「うるっさいぞ鳴島。セクハラしないの」

 「へへへへへ、事実だろ?なぁつっきー」

鳴島は築山の肩にあごを乗っけ、肩に手をするりと回してそう言った。築山は少し迷惑そうな顔をして、視線で暁に助けを求める。

 「あー······とりあえずあれだ。火の番をする奴が必要だ。交代でやろう。というか鳴島、これじゃ足りなくないか?」

 「あー、詳しいことは明日言うからさ、今日の火の番は私がやるよ。どうかな暁。絶やさなきゃ居眠りくらいなら良いだろ?」

 「まあそうだな······。うっかり寝そうならキャンプファイアーみたいに燃料を組んでからうとうとしてくれ。あと、体は休めとけよ?」

 「おうよ。んじゃおやすみ~」

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