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音楽の良さをまだ僕は知らない  作者: まなてぃ
1/1

学校が始まる前に

僕自身疑問を抱えていた。

「ピアノを弾く時僕は何故考えながら弾く事が出来ないのだろう」と。

楽器を弾く時に生まれる物が2つある。

一つ目は考えながら理論的に考え、とても細かく正確に弾く事が出来る物。

そして二つ目は感情や感覚、雰囲気なので自分が感じる音楽を奏でる物。

これらによって奏でられる音楽は全く違う。

それがその人の個性であり自分自身の音である。

僕が勝手に思っているだけでそう思う思わないは人それぞれだけどそう考えている。

そして僕はさっき言っていたとおり、ぼくは考えながらピアノを弾く事が出来ない。

だから僕は二つ目に当たる。

小さい頃から思っていた事が今中学卒業を終えてもまだ解決されない。

そして僕はある音楽高校に入学しそこで色々と学ぶ事が出来る。

そこで得られるものでもしこの疑問を解決できれば…。

1

僕は考える事が出来ない。

僕が物心つく頃にはもうピアノを弾いていて音楽大学に行こうと決めていた。

だが何故行きたいのか、なぜその大学に行きたいのかがはっきりいていなかった。

なぜ僕がピアノを弾きたいのかも分からなかった。

別に親にやりなさいと命令などはされていないし自分の意志でやりたかったんだと思う。

だけどなんでピアノだったのか。

僕は他にも色んなことを体験した。

野球、体操、テニス、バスケ、水泳、陸上、吹奏楽。

でもそれ以上に「音楽」がやりたかったのかもしれない。

そう思っていると信じたい。

音楽はまだ感情や感覚で出来ていたが、勉強が特に出来なかった。

勉強は考えて答えを出すものだと思っている。

そのため僕は特に苦手なのだ。

考えようとはしても頭の中が真っ白になってしまう。

だから僕はいつもテストの点数は低く、よく先生に怒られていた。

何故こんな問題も出来ないんだと怒鳴られたこともある。

僕だって頑張って勉強し復習もしてる。

だけど出来ないんだよ。

僕自身だってなんで出来ないのかがわからないんだ。

人にも相談できず高校受験が始まってしまった。

あの試験会場の緊張感と受験者のやる気がとても伝わってきた。

そして一番大事な試験、「実技試験」。

僕はミスなく弾き終わり無事実技試験は終わった。

その後、面接のがあり試験官と色々と話した。

その話の中で試験官はあるの事を言っていた。

「実技試験の時、君笑っていたよね?実技試験は楽しかったのかな?」と。

自分自身の笑っていたのかは分からなかった。

その質問には「楽しかったです!」と言ってしまったがよく分かっていない。

本当に楽しかったのかもしれない。

受験者が緊張して体が震えながら弾く人もいるぐらいの緊張があったはず。

なのに僕は笑っていた。

僕はなんなんだろう。

その疑問を抱えながら無事受験も合格し、音楽高校に行くことが出来た。

だがある欠点があった。

受験の合格発表が終わったあと、また面接をやるということになってしまった。

何故また面接をやるのかというと、筆記試験での点数が低かったからだ。

筆記試験の点数が低いと学校が始まる前に補修組へと行かなければいけない。

それを言われ行くことになった。


後日補修に行くために高校に行った。

見慣れない道を通るのは意外と怖いもんだ。

スマートフォンに入っているマップで案内してもらい、集合の20分前に高校に着いた。

集合場所に着き、入ることにした。

そこには一人の女子がいた。

長い髪で髪の毛は黒く、可愛らしい女子だった。

「こんにちはっ!君も補修の人?」

ある女子が元気よく立ち上がり聞いてきた。

「そうです、あなたも?」

「そうなのー!私勉強全然出来ないんだよねぇ…困った困った」

この人も勉強できない人みたいで安心する自分が情けない。

「僕も勉強出来ないんだよね…」

「そっかそっか…あ!私の名前は花純!平野花純だよ!あなたは?」

「僕の名前は奏音。龍上奏音です。よろしくです」

「敬語なんてやめて!気楽に話そうよ!ね?」

僕は初対面の人には敬語を使ってしまう癖がある。

年下でも敬語を使ってしまう時がある。

とてもかっこ悪いと思う。

「ごめん。じゃあよろしくね!平野さん。」

「花純でいいよ〜」

「じゃあ花純よろしくね」

「補修組どうし頑張ろうね!」

初対面の人なのによくこんなに話せるのってすごいな。

尊敬する。

そんな話をしていると補修を担当をする先生が来た。

「やぁ二人とも!今日から補修が終わるまで担当する後上です!よろしくお願いします。」

その先生も元気で生徒に人気そうな先生だった。

「えー君たちが補修の二人かな?」

それを聞いた瞬間冷や汗が出た。

補修組が二人しかいないという事実。

僕はそんなにみんなより勉強面で遅れているみたいだ。

「えぇ!二人しかいないんですか!?」

花純が大声で体が飛んでしまいそうなぐらいびっくりしていた。

それはそうだよね。

とても危機感が出てくる。

「そうですね。二人しかいなかったね〜。でも今回の補修で出来るようにしちゃおう!」

確かにそうだ。

この補修でみんなぐらいのレベルになればいい。

最悪赤点を取らなければ大丈夫だと思う。

「二人は何専攻なのかな?」

「私は声楽です〜!」

花純は声楽だったんだ。ピアノ科に見えた」

「僕はピアノ科です」

「おぉー、二人とも違うんだね。」

この高校には色んな専攻がある。

ピアノ科であったり弦楽器や木管楽器、金管楽器、打楽器、声楽、作曲などなどたくさんの専攻がある。

その中でもピアノ科ではランクがつけられる。ランクが高ければ優秀者であり技術点が上がればランクも上がる。

「平野さんはなんでこの高校へ行こうとしたの?」

「私は歌を歌うのが好きでオペラにも興味があったので入りました!変な理由で入ってしまいましたが気持ちは本気です!」

オペラか…

オペラは、舞台上で衣装を着けた出演者が演技を行う点で演劇と共通しているが、台詞だけではなく、大半の部分(特に役柄の感情表現)が歌手による歌唱で進められることを特徴とする。歌手は器楽合奏により伴奏されつつ歌い演じる。伴奏は、多くの場合交響楽団規模の編成に及ぶ。

初期ロマン派までのオペラでは、歌唱には二つの様式がある。一つはレチタティーヴォ(朗唱)で、会話を表現するものであり、普通の朗読に近い抑揚で歌われる。もう一つはソロ(独唱)で歌われるアリア(詠唱)や複数の歌手が歌う重唱アンサンブルあるいは大勢で歌う合唱で、通常の歌唱である。これらの様式はみな伴奏を伴う。

歌手、および歌手の演ずる役柄はそれぞれの音高(声域)で分類される。男性歌手(男声)は声域が低い順にバス、バスバリトン、バリトン、テノール、カウンターテノールに、女性歌手(女声)は声域が低い順にアルトまたはコントラルト、メゾソプラノ、ソプラノに分類される。

僕もオペラ興味がある。

小さい頃よく聞いていた。

「おぉー!オペラかー!オペラは先生も好きだよ、先生は第九が好きかな!」

第九ねぇ。

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの交響曲第9番ニ短調作品125は、ベートーヴェンが1824年に作曲した独唱と合唱を伴う交響曲。ベートーヴェンの9番目にして最後の交響曲である。 ベートーヴェン自身は表題をつけなかったが、副題として「合唱」や「合唱付き」が付されることも多い。

それも小さい頃によく聞いていた。

あの独特な歌や演奏はベートーヴェンならでわの曲だ。

ベートーヴェンの感情がとても伝わってくる。

「龍上くんは?」

「僕は……」

僕はなんでこの高校に入りたかったのか。

なんで音楽を選んだのか。

その答えを見つけるために来たなんて言えない。

するとふっとある人の後ろ姿が頭の中から出てきた。

オーケストラで指揮を振っている姿。

あの美しさ。

師匠の後ろ姿が好きだった。

堂々とオーケストラの前に立ち、音楽を、演奏を撫でるかのように華麗だった。

あの人のようになりたいというのが僕の夢だった。

師匠のように…。

「僕はある方を追いつくためにこの高校に入りました…。」

「あの方って??」

「杉山和夫先生です」

「杉山和夫…!?あの有名な指揮者の杉山和夫!?」

そう、僕の命の恩人であり、音楽を続けられるようになった音楽の恩人でもある。

僕はあの方とは小学6年生にあって、あるピアノ教室の先生から推薦され、杉山先生に付くことになった。

最初はあまりあの方を知っておらずどんな方なのか分からなかった。

でもあの方のコンサートに行った時僕は泣いた。

その曲はベートーヴェンのピアノソナタ31番。

僕は生まれて初めて音楽で泣いた曲。

あんなに心を動かされたのは初めてだった。

あの方には高校受験まで僕の先生になってくれた。

あの方には音楽の知恵や技術をたたきこまれた。

あの方に追いつきたい思いが強かった。

だからあの方の母校であるこの高校に入ったのかもしれない。

「はい、そうです。」

とてもびっくりしていた。

後上先生だけびっくりしていた。

花純…何だそのぽかーんと「誰?」と顔に書いているかのような表情は…。

「僕の師匠であり恩人です。」

「龍上くんの先生、杉山先生なの!?すごいな…」

「そうでもないですよ。僕ピアノの技術は欠けてるので…」

「でもあの方は気に入った人しか弟子は取らない人だよ?だから良かったんじゃない?」

「だといいのですが…。」

あの方気に入られたって思うと嬉しくなるが、それが本当なのか分からない。

それよりまだ花純がぽかーんとしている。

もうやめてくれ…

笑いそうになる…笑

そして無事補修は終わり、合格点までいき赤点を解除された。

花純はそれでも点数が足らず、その赤点を持ったまま高校生活をすごすことになった。


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