会談 3
ベルガはカペルに言った。
「ラベルとモントルー、二つの土地を私にまとめろと言うならやってみせる。だがそれはこの土地の法をもっておさめるだけで、あなたがたの口出しは受けない。都がそっちのやり方をあくまで振りかざすなら、戦いしかない」
「そこは和平交渉のすり合わせになるだろう」
彼をトップとして認めた発言にサウォークは不満げで、向こうには安堵が広がるのをベルガは優雅な手つきで制した。
「わたしをラベル一族は簡単に受け入れないだろう」
「我々の後押しがあればどうだ。ただし軍はここで引いてもらう」
カペルは釘を刺した。
「行くのはあんただけだ。他はここで戻ってもらう」
「口車だぞ!ベルガ」
白髪頭の老人がいらいらと怒鳴った。
押し被せるようにカペルは言う。
「いいか、モントルーの軍はここまでだ。ラベル地区には絶対に入れられない。あんただけは俺たちが城まで送る。都の部隊の駐屯地も作る。どうなんだ?モントルー公」
「信じられるか!」
ベルガは制した。
「ベルガでいい。太子の意向か?」
「一任されている」
美青年の頬に皮肉な笑いが浮かぶ。
「じゃあ、君が新ラベル公になるシナリオだってあるはずだ」
「まさか。それほど甘かないよ。おれは商家出の一般人。いくら太子の後押しがあってもそのくらいはわかってる」
「だが野心は?」
こいつ、何が言いたい?
カペルはベルガの澄んだ茶色の目、トゥアナにそっくりな目を見る。
ちくしょう。またドキドキしてきやがる。
もともと交渉なんて向いてねえんだ。手の内なんてないからな。
「もう一度聞く。君の野心は?」
「あるよ、人並程度には」
「報酬が約束されているだろう、君にも」
ズキンと胸を刺された。
どんな一撃よりも深く。




