番外編7-小説家になろうの全小説を分析してみた。(後編)
※今回もラジオ調です。
―――― てーてーてれっててー ―――――
ゆ「さて後半戦も始めていきますよーもう前書きはいらないですね。では早速いっきまーすよー」
◆ ◆ ◆
A「えーっと、後半最初のお便りは『匿名希望』様からです。ありがとうございます」
ゆ「ありがとうございます~」
A「で、ネタは『1日の新作、完結投稿数』がどのくらいあるのかと、『新作、完結投稿時間』が知りたいそうだ」
ゆ「まぁ、ちょっと他のエッセイと被るけど、あれは連載だったからセーフだよね。うん大丈夫。喧嘩売ってるわけじゃないからね。パクリじゃないよ」
A「コメントは『参考になります。探し方っていっぱいあるんですね。』だそうだ」
ゆ「自分で探し方を探してみて、こんなにあったんだって思いましたよ」
A「探し方を探すって変な話だな」
ゆ「いや、奥が深いですね。さ、早速やってみましょう。まずは1日当たりの新作、完結投稿数を調べてみました。年度別に集計しましたよ」
ゆ「青いほうが1日当たりの投稿年別の新作投稿数、赤いのが1日当たりの完結年別の完結連載作品を示してます。1日当たりに投稿される新作品と完結作品はどんどん多くなってますね。いまの小説家になろうだと1日当たり400作品が新たに投稿されるようですね。もはや読み切れないですよ。完結でも50作品あるんですよ?」
A「こうなると、Topの新作とか、完結とかの枠が全然足りないな。更新はさらに多そうだ」
ゆ「そうなんですよ。完結しても見てもらえない作品とかいっぱい出てきますね。ランキングに上がれない作品でも完結時には結構見てもらえたのですが、このままではそれも厳しそうです」
A「というか、思ったんだけど、新作数のわりに完結数は少ないよな。全体の1割くらいか? これってさ、エタになるってこと?」
ゆ「新作の内、半分くらいは短編ですから連載作品の内、2割程度がきちんと完結するようですね。エタ作品は投稿された時点で大体決まってるのかもしれません」
A「ひどい話だぜ」
ゆ「ほんとですよ。では、投稿する人はどの時間帯に多いのか見てみましょう。何か傾向は見つかるのでしょうか?」
ゆ「2017年に投稿された作品の初回投稿時間と、2017年に完結した作品の最終投稿時間を調べました。少し図が小さくて申し訳ないですが、青が新作投稿、オレンジが完結投稿時間です」
A「なんか、レビューの時の投稿時間と似たような傾向だな」
ゆ「そうですね。やっぱりこれが小説家になろう民の活動時間なのでしょう。ただ新作はそれでいいと思います。ですが、完結は傾向が変わります。0時、12時と12時前と20時前がレビューや新作投稿時間よりも多いです」
A「それってどうゆうこと?」
ゆ「0時、12時は予約投稿でしょうね。12時前と20時前が多いのは、意識しているんでしょうね。ちょうど人が増え始める時間を狙っているんじゃないでしょうか。要するにですね。新作を投稿する人はそこまで時間を意識しないけど、完結させるときは時間を意識しているということになります」
A「やっぱ、完結作品に愛着を持っている人が多いってことか。なるべく見てもらえるように努力してるんだな」
ゆ「この努力が報われるといいですね。というわけで『匿名希望』様、ありがとうございました~」
A「ありがとな」
◆ ◆ ◆
ゆ「では続いてのお便りは『とあるレビュアー』様からです。ありがとうございます」
A「とある、多いな」
ゆ「作品名がそうですからね。真似されたんでしょ。解析ネタは『レビュー作品』の分析をしてほしいとのこと。『ジャンルとか適当に調べてください』とのこと」
A「適当でいいのかよ。これに任せていいのか?」
ゆ「コメントもありますよ。『作者様はなんでも知ってるんですね。尊敬します。』ですって。うひょー」
A「大丈夫か、こいつ褒めるとすぐに調子乗るぞ?」
ゆ「なんでもは知らないよ。探せることだけ」
A「おい」
ゆ「随分と威勢がいいねえ。何かハッピーなことでもあったのかい?」
A「……」ニコッ
ゆ「ひぃ、ぶ、分析いきましょう」
A「そうだな。いい心がけだ」
ゆ「ということで、希望にあった通りまずはレビューがあった作品をジャンル別に集計してみました」
A「どうせこれもファンタジーが……あれ? 意外だ。ファンタジーがそこまで主張していないぞ?」
ゆ「どうやらレビューは傾向が違うようですね。これまでの傾向を見ると、どうもレビューしている層とポイントを付けている層は別なんじゃないかと思われますね。なろうで良作を見つけたい人はレビューから探すのが一番よさそうな気がしてきます」
A「まんべんなくジャンルを見ることができそうだしな。全体の割合はどうなってんだ?」
ゆ「やっぱり気になりますよね。なろう全体のジャンル割合と比較してみました。ただし、ノンジャンルは除外してます。あれが入るとグラフが分かりにくいので」
A「おー、ファンタジー比率は多少多いが、ほとんど同じ感じだな。その他は少し少ないが」
ゆ「どうやらレビュワーはなろうのジャンルをまんべんなく良作を発掘しているみたいですね。そこまで偏っているわけでもなさそうです」
A「うーむそう考えると、小説検索でレビュー数で並び替える検索が良作を読むための近道な気がするな」
ゆ「ちなみに、どういう種別が多いかも見てみましたよ」
A「やっぱ完結作品多いな。なろう初心者はランキングではなくてレビューから見るほうがいい気がするな」
ゆ「短編とか、短い作品はあまりないですね。短い作品はエッセイか詩が多そうですね。ということで『とあるレビュアー』様、お便りありがとうございました~」
A「ありがとな」
◆ ◆ ◆
A「じゃぁ、次いくぞ。ラジオネームは『検索王 サーチ・S・ロジャー』様からだな。ありがとうございます」
ゆ「ありがとうございます。すごい人から来ましたね。私必要なのかな?」
A「なんか処刑されそう。ネタは『投稿時代別のジャンル、ポイント』が知りたいそうだ。年度によって何か傾向が違うのかが知りたいみたいだな」
ゆ「年代によって、流行は変わりますからね」
A「コメントもあるな『このサイトにはまだまだ多くの良作が眠っている。それを掘り起こすのが我らスコッパーの役割なのだ。おれの作品か? 読みたきゃ…… 探してみろ! この世のすべてをそこに置いてきた。世はまさに大検索時代!』」
ゆ「いい台詞だけど、この言い方だとこの人の作品、完全に埋もれてますよね。グランドライン(ランキングライン)を越えて探しに行かないとたどり着けないんだ。あとそのセリフ言ったあと処刑されそう」
A「確かに大検索時代は間違いないな」
ゆ「検索がなければ世の中大変なことになりますからね」
A「そういう意味ではみんなスコッパーなのかもしれないな」
ゆ「そのための検索エッセイです。スコッパー必読。必修科目ですね。みなさん周りに勧めましょう。検索のすゝめ」
A「さ、馬鹿言ってないで解析するぞ」
ゆ「うい。ではまずは、短編、完結、連載、エタ作品を投稿年に集計してみました」
A「うわ、これはひどい。エタ作品は常時4割近くあるのか。なんか比率ってそんなに変わらないんだな。完結比率とかほぼ一定じゃん」
ゆ「そうみたいですね。どうやら投稿される新作のうち完結できる作品の割合は決まってるようですね。おそらく、これがWeb小説サイトの現実のようですね。エタ作品が嫌いな私にとっては好ましくないですね」
A「昔からそうだったっていうのが、全てだな。最近になって顕著になったわけでもないからな。サイトが変わろうが、検索システムが優秀になろうが、作品が増えようが関係ないってことか」
ゆ「嘆かわしいことです。では次にジャンル別にも見てみました。例によってノンジャンルは除いてます。意味がないので」
A「ジャンルの方もそこまで大きく比率が変わることはないんだな。文芸がちょっと減って、ファンタジーがちょっと増えた感じか。と言っても微々たる変化だな」
ゆ「ファンタジー作品は昔から人気ですからね。そうそう変わるわけでもないですね。では、投稿年によって作品のポイントはどう変わっているのか見てみましょう」
A「中央値低いよ……それも平均値も……なんかポイントピーク過ぎてない?」
ゆ「2013年に投稿された作品がかなり優秀だったんでしょうね。そこにピークができてそこからは下り坂ですね。もしかすると小説家になろうがアンケート始めたのもこの影響なんじゃないんでしょうかね……」
A「次のブームのための意識調査なのかもな」
ゆ「どうなるのか今後が楽しみですね。『検索王 サーチ・S・ロジャー』様ありがとうございました~」
A「ありがとな」
◆ ◆ ◆
A「さて、おわりか?」
ゆ「何を言ってるんですか、まだ最後のお便りがありますよ。最後はラジオネーム『とあるスコッパー』様からです。ありがとうございます」
A「え?」
ゆ「とあるスコッパー……いったい何者なんだ……? きっと天才に違いないですね。解析ネタは『おまかせ』でお願いします。好きな解析やっていいですよ、だってさ。ありがとうございます! すごいいい人ですねこの人」
A「おい」
ゆ「あっ、コメントもあります。なになに。
『ゆう様の解析にはいつも驚かされます。私たちが思いもよらない解析を見るたびに、ああこの人は天才なんだなって思います。めっちゃファンになります!
そのすごさが分からない友人Aさんはだめだめですね。ゆう様の魅力をアピールするため他の人にも宣伝しておきますね。今回の解析は自由にやってください。楽しみにしておきます』
ですって、いやー、この人もべた褒めじゃないですか。もう、舞い上がっちゃいますよ。もうめっちゃ解析するわー。がんばるわー。このあと滅茶苦茶分析した」
A「えっ、なんで私ディスられてんの?」
ゆ「さささ、分析行きますよ。いやー、張り切りますよ」
ゆ「まずは、エタる人とエタらない人の投稿数分布です。投稿作品数が多ければ人はエタるのか! さぁ、どうです?」
A「どんどんエタ率上がってんな。でも501作品以上書く人は少ない。逆にすごくない?」
ゆ「ほとんどが短編じゃないでしょうか。さすがに連載で500作品書くのは恐ろしいですね」
A「まぁ、そうか、やっぱりなろう民はエタる生き物なのか」
ゆ「どうしたらエタらずに済むのか真面目に考えてもいいかもしれませんね。はい、というわけで次!」
ゆ「はい、さて問題です。これはなんのランキングでしょうか?」
A「累計ポイントが0だからあれか、0pt作者のランキングか」
ゆ「正解です! こう見るとやっぱり0 ptには0 ptの理由があるんですね。0 pt作者の半分は1話しか書いてない上に2000文字も書いてませんからね。嘆くのは後回しで文字を書くのが底辺作者脱出の近道ですね」
A「でも上位10位はレビューがあるんだ。なんでポイントがないのかは不思議だが……」
ゆ「多分、つけた人が退会したんじゃないかな。ポイント、ブクマは退会時に剥がれるけど、感想とレビューは剥がれないんですよね」
A「その名残か、悲しいな」
ゆ「感傷に浸ってる場合ではありません! 次ですよ!」
A「ジャンル別の挿絵作品か。あんま偏ってないな?」
ゆ「入れる人は限られますからね。人気とは別のようです」
A「挿絵入ってるランキングとかも面白そうだな」
ゆ「確かに。でも、私の作品が1位でしょ。そうに決まってるよ」
A「そうだった、こいつの作品も対象か……」
ゆ「では次」
A「新作と完結数か。うん、どんどん増えてるな」
ゆ「そうですね。増えてますね」
A「えっ? それだけ、何か言いたいことがあったから作ったんじゃないのか?」
ゆ「多分そうだったんですよ。でも忘れちゃいました。そういうこともあるよね。 (・ω<) てへぺろ」
A「殺意しかわかない」
ゆ「私が死んでも替わりはいるもの。私を倒しても第二、第三の夕月がなろうを分析するぞ」
A「よし、殺るか」
ゆ「ストップ、ストップ、落ち着きましょう。話せばわかる。ということで次へ」
A「レビュー作品の文字数分布か。あー、10万文字が一番多いのな」
ゆ「そうなんですよ。なろうだとその範囲って少ないんですけど、レビューだと多い。それはレビュワーが長編を好んでるってことなんでしょうね」
A「やっぱ、レビュー狙いなら長編完結作品を書くべきだな。長編完結作品の良作が知りたい人はレビューから探すといいな」
ゆ「やっぱりなろうのレビューってかなり優秀ですね。あとはそこから検索ができれば一番なんですが。まぁ、私はできますけど。ドヤ」
A「いらっ」
ゆ「ということで最後!」
A「年別投稿作品のポイント分布か。これ見るとむしろ昔の方が0pt多いじゃん。今の方がきちんと評価されてるんだな」
ゆ「システムが途中で変わったのも大きいですね。ポイント制度とか何度か変わってますから」
A「それでも、今の方が多くの人に読まれることには変わりないな」
ゆ「今のなろうはダメだっていう人も多いけど、意識が変わりつつありそうですね。みんな仲良く。楽しく創作が一番です。やっぱり創作は楽しくやらないとね。というわけで『とあるスコッパー』様ありがとうございました~」
A「……」
◆ ◆ ◆
ゆ「ということでこれですべて紹介終わりました。お疲れ様でした。どうだったですAさん?」
A「……」
ゆ「ん? Aさん?」
A「なぁ、ゆう」
ゆ「はい?」
A「最初にメッセージ何件来たって言ってた?」
ゆ「ええと……6件ですね」
A「コメントでは何件ネタはあったんだ?」
ゆ「……1件ですが。メッセージの補足でしたね。実質0件ですね」
A「もう1つ質問いいか? 7人分のネタを紹介したけどあとの人はどこから来たんだ?」
ゆ「……君のような勘のいいガキは嫌いだよ」
◆ ◆ ◆
ゆ「ということで、これにて番外編シリーズ~小説家になろうを知ろう~も終わりです」
A「そんな名前あったんだ」
ゆ「今付けました」
A「……もうやだこいつ。そういや、他の番外編もだけど、なんで番外編をいれたんだ? 入れずに検索説明だけも出来ただろ?」
ゆ「えっ……えーっとそれは……あれだよ! ずっとまじめな話を読んでても疲れるでしょ? 教科書でも章と章の間にコラムとかあるでしょ? いわゆる箸休めです。それといっしょですよ。そうなんです。そうなんですよ!」
A「ふーん、で、本音は?」
ゆ「常連読者を増やしたくてやった。反省も後悔もしていないが、解析と分析はした。めちゃくちゃした」
A「たしかにな」
ゆ「淡々とまじめに書いてても絶対飽きられるので、合間にこういうのを入れておけば、ちょこちょこ見てもらえるかなって思いました。あとなろうデベロッパーを使ったらどんな事ができるかの例ですね。それを示したかったのです。例があるとやる気がわくでしょ?」
A「確かにそうだな。まじめなエッセイを探している人ってあんまりいないもんな」
ゆ「いやー、この番外編シリーズ書いてたら、なんだかプログラムスキルとExcelスキルと分析スキルがかなりあがりました。55万件の分析やってて、ほんとに私は小説家になろうで一体何をしているんだろうかと、何度思ったことか」
A「いや小説書けよ」
ゆ「ほんとですね。もうこれでようやく書けますよ。それにしても番外編シリーズが進むにつれて解析するデータ量がふえていったのはちょっと誤算ですね。始めは2000件くらいだったのが、最後は55万デスよ。初めてですよ。こんなデータ量の解析は」
A「そうだろうな」
ゆ「数万くらいなら経験あったんですけど、このクラスのデータ量になると私のExcelちゃんが持つか心配だったんですけど。何とかなりました。最悪、アクセスか他のデータベースを勉強するか考えてましたけど必要なかったですね」
A「なぜそこまでExcelにこだわるのか」
ゆ「意地かな」
A「なんのだよ」
ゆ「ちなみにずっと解析してたら、ポイントとか些細な問題だなぁ、とか思うようになりました。なんで今までこんなに評価にこだわってたのだろう」
A「なんだ悟りでも開いたのか」
ゆ「それに近いかもしれません。本当に大事なのはもっと他にあるんですよね。それに気づきました。さて、これにて番外編シリーズも終わりです。長々とありがとうございました」
A「正直番外編ネタの部分を飛ばしたって人はどれくらいいるのか気になるが……」
ゆ「ダメです、それは聞いてはいけない質問ですよ。私たちの存在意義に関わります((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル 」
A「だ、大丈夫か? めちゃくちゃふるえているが」
ゆ「大丈夫じゃない。大問題だ。ちなみに、もっと細かい解析したいって人はやってみてください。7章で説明したことで出来ますよ。正直、プログラミングなんかしなくても簡単な解析程度なら出来ますので、自分であまりハードルあげないでくださいね。Excelとブラウザがあればある程度の解析なら出来ますので。そしてもっと小説家になろうを知ってくださると嬉しいです。そしてエッセイで発表するのです! あえて今回のエッセイでは細かい分析はやってません。全体の傾向しか分析できてませんので細かいところはやってみてください!」
A「さて、これで番組は以上だ。ここまで読んでくれてありがとな」
ゆ&A「「それではみなさま」」
ゆ&A「「ばいばーい」」
~ 番外編 お わ り ~
A「打ち上げ、ミスドな」
ゆ「異議なし!」




