番外編7-小説家になろうの全小説を分析してみた。(前編)
※今回はラジオ風です。
―――― てーてーてれっててー ――――――
ゆ「こんにちは! 始まりました、WebラジオA-You チャンネル!
メインパーソナリティーは私、天才分析家のゆうと、アシスタントの友人Aがおおくりします。それでは始めていきましょう! 今日は今話題の小説家になろうの投稿作品について分析していきますよ~」
A「いやー、とうとうこれで番外編も最終回か。長いようで短かったな」
ゆ「まったくです、やり始めた当初はどうなるかと思いましたが、何とかなりましたね。打ち切りエンドじゃなくて何よりです」
A「俺たちの検索はこれからだ! じゃなくてよかったな。そういえば、今回はゆうのネタじゃなくて募集したネタの分析だっけか」
ゆ「そうですよ。今回は作者の活動報告で番外編7の分析ネタを募集したのです。小説家になろうの片隅にある割烹まで足を運んでくださった方への読者サービスなのです。とりあえず、1人2個までのネタを募集しました。フォーマットとしてはこんな感じで募集しました。
-------------- 応募フォーマット ----
【ラジオネーム】
【ネタ1】
【ネタ2】
【コメント】
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データ対象は2018年2月19日時点で小説家になろうに投稿された検索可能なすべての小説の情報です。ただし小説家になろうAPIでとれるデータで検索除外作品、R18作品は除きます。これで取得できたのは188,617人が投稿した547,235作品です。作者別と作品別に集計しました」
A「ふーん、いつかやると思ったよ」
ゆ「なんでそんな犯罪者ぽい感じなんですか!?」
A「おまわりさん。こいつです」
ゆ「ちょっとー、シャレにならないから。データ集めて逮捕された人いるから」
A「それで結局どれくらい反応があったんだ?」
ゆ「えっと、期間内にメッセージが6件も届きましたよ。普段メッセージなんて感想返信通知しかこないんでびっくりですよ。割烹のコメント欄でも募集してたんですけど、メッセージばっかりでしたね」
A「コメントでも指摘あったけど、ラジオだしメッセージの方が合ってるんじゃないかって」
ゆ「そうなんですよね。ちょっと間違えた感じはありましたね。集まったからいいですけどね! 一応、来ない場合に備えて、自演コメントいっぱい作ったのが無駄になっちゃいましたよ。どうしよっかなこれ」
A「……」
ゆ「ちょっと! かわいそうな生き物を見るような目でこっちを見つめないでください」
A「はぁ。そういや今回は前後半の2回に分けるんだな」
ゆ「そうです。さすがに全部を1回で説明すると長いので、2回に分けます。いつもの番外編ではネタが6個位になるように調整してるんです。実際の分析は他にもやってますが、厳選してます」
A「正直この長い前振りを飛ばせば……」
ゆ「さぁ! 小説家になろうの55万作品&19万人作者の分析はーじーめーるーよー!」
◆ ◆ ◆
ゆ「ということで、早速一通目にいきましょう。さぁ、Aさん読んでください(^^♪」
A「はいよ。えーっと、1件目はラジオネーム『とある0p小説スコッパー』様からのお便りです。ありがとうございます」
ゆ「ありがとうございます! それにしても、とある0p小説スコッパー……いったい、何林なんだ……?」
A「いや、それ答え言ってるから。だめだろバラしちゃ。せっかく匿名なのに」
ゆ「いや、わかりませんよ。もしかしたらフェイクかもしれません。本人を語った偽物かもしれません。とりあえず、分析ネタを教えてもらいましょう」
A「えーっと、分析ネタの1つ目は『エタる人』の分析をしてほしいとのこと、2つ目は『0p小説』の分析をしてほしいとのこと。『わたし、気になります』だってさ」
ゆ「あっ、だめだ。これ本人だ」
A「えーっと、応援コメントもあるのか。
『スコッパー全部読ませて貰ってます!大大大ファンなんです!
作者様の美しいデータ、とことん優しい解説、どこまでも深くなろうを知って相手を思いやろうという姿勢。もう、惚れない人の気持ちが分かりません!
それに、作者様が魅せる最新話はいつも新鮮で、見かける度に楽しませてくれるんです!
友人に何度も作者様の素晴らしさを伝えてるのですが、中々分かって貰えないので、つらたんですー!
フリ○ザ様より強いとは、作者様の検索力は、なろうのユーザーで一番どころではなく、宇宙一ですね!
この芸術的な作品は正に累計一位を取るべきだと思うので取れるまで更新頑張ってください!』」
ゆ「宇宙一? ククク……夕月はなろうデータ分析四天王の中でも最弱……面汚しよ!」
A「いや、それお前、やられてるんだけど。てか、他の3人誰だよ」
ゆ「え? データ分析の人とキーワードの人と投稿時間の人と文字数の人かな。あれ? 私四天王にも入れてない?」
A「というか、なんでこの人こんなにべた褒めなんだ? なに買収したの? いくらあげた?」
ゆ「何もしてませんよ。ほらこの作品やっぱりすごいんですよ。つまり書いた私もすごいってことですね! それなのにわかってくれない友人はだめな人ですね。まるでAさんみたいです」
A「作品はともかく、人間性はどうかなぁ。その友人に同情するわ。累計1位ってあと何倍必要なんだよ」
ゆ「今400ポイントだからあと約1000倍くらい必要ですね。4ヶ月で400なので、あと4000ヶ月(約333年)か・・・・・・つらたん」
A「というかそろそろデータ分析しないと読者が切れるぞ。2000文字使ってるのにまだ1個もデータ分析してないとか」
ゆ「だ、ダイジョブ。これからやるよ。あと今回は1万字使う覚悟だから。というわけでいきますよ『エタる人』と『0p小説』についてです。ちなみにエタとはエターナルの事で、完結せずに放置された連載作品の事を指します。更新がない期間については色々ありますが、今回は1年間更新がない連載小説の事をエタ作品として定義しました。またそのエタ作品を1つでもなろうに送り出した人をエタ作者と定義しました。またエタらない作者は連載作品を書いたことのある人でエタ作品を出していない人と定義しました。短編のみの投稿者は含まれません」
A「更新なし期間は1年か、確かなろうの長期連載停止は2か月だったな。さすがにそれは短いか」
ゆ「そうですね。2か月ちょっと判定厳しいですよね。では早速。初めはエタ作者からです。一度でもエタ作品を書いた人は約10.4万人。一度もエタを出していない人は約5.7万人いました。短編のみの人は約2.7万人いました」
ゆ「グラフではエタ作者とエタらない作者をポイントごとに集計しました。青色の縦棒がエタ作者、オレンジがエタらない作者を示しています」
A「エタレートってなんだ?」
ゆ「それぞれのポイント階層におけるエタ作者割合と非エタ作者割合の比です。人数比が違うので、それぞれの人数で規格化した割合との比になります。簡単にいうとそれが1以上であればエタる人の方の割合が多く、1より小さいと非エタ作者の割合が多いことを示しています」
A「なるほどな、つまりこの図では、ポイントが200くらいまでが、エタらない人が多くて、0かある程度以上ポイントが多くなる人ほどエタりやすいってことか。でも2万ポイント以上はちょっと下がってるな」
ゆ「なかなか面白いですよね。ポイントをもらいすぎると逆にエタるみたいですね。あと2万ポイントは書籍化ラインらしいので、職業的に書かないといけないのかもしれませんね。更新を続ける人が多いんじゃないですか? 少ないポイント層は自分のペースで書いてるからエタりにくいのかもしれませんね」
A「なかなかむつかしいな」
ゆ「そうですね。では次。同じようにレビューとの関係を調べてみました」
ゆ「レビューはもらえてない人が96%いるので人数を対数軸にしています」
A「すげーな、これ。レビューもらえる人ってエタ率が少ないんだな。51個以上もらってる人はほぼエタないじゃん」
ゆ「そうなんです、びっくりですね。101個以上レビューをもらってる人は3人いますけど全員エタなしです」
A「エタへの特効薬はレビューってわけか」
ゆ「んー、たぶんですが逆なんじゃないですかね。エタらない作品だからレビューを入れる。もしくは完結作品へのレビューが多いってことかなって思います。ただ、どのみち、エタ作品にはレビューが入りにくいのも確かですね。レビューが欲しい人はまず完結を目指すべきです」
A「確かに、人に勧めるわけだから変な作品を推すわけにはいけないよな。そういう意味ではレビューって健全だな」
ゆ「はいそんな感じで、エタ作者でした。次は『0p』作品ですよ。文字数との関係です」
ゆ「まずは短編小説における0p小説数と文字数の関係をグラフ化しています。1万文字以下は1000文字刻み、10万字以下は1万字刻みで集計しました。また折れ線で短編小説全体における0p短編の割合もプロットしています」
A「やっぱ、文字数が少ないと数も0割合も多いんだな。1000字以下の半分が0ptか」
ゆ「やっぱりある程度の長さがないとポイントはつかないんでしょうね。この長さでポイントがついているのは詩だと思いますよ。他のジャンルだと厳しそうです」
A「ただ、文字数が増えるにつれて0割合も減ってるけど1万字あたりから増えてるな」
ゆ「そうですね。これは作品の良し悪しではなく、1万字を超える短編は読まれないんじゃないかなって思います。短編を探す人ってそんなに多くの文字数を期待しているわけではないってことじゃないですかね」
A「1万文字を超える場合は連載にした方がいいのかもな」
ゆ「では次、連載小説です。同じように分析してます」
A「おおー、こっちはやっぱり文字数が増えるほど、0pt割合が減ってるな。長い作品ほど人の目にも触れやすいしな」
ゆ「20万字書けば95%の作品はポイントもらえるみたいですね。1万字くらい書けば半分程度はポイントもらえるようですね」
A「まぁ、確かに。序盤だけでは何も判断つかないから、妥当だろうな。むしろ何も反応がなく30万字書ける人もすごいけどな」
ゆ「0ポイントを嘆く人はまず1万字を目標にしてみるといいですね。10万字も書けばほぼポイントもらえますよ」
A「というか、1000字以下の連載で評価している人は何を見るのだろう。あらすじとタイトルか?」
ゆ「期待性ですかね。むしろ1000字以下でブクマしたくなる作品とか逆にすごい気がする」
A「確かに」
ゆ「0p分析の最後は、完結済みの作品分析です」
A「連載よりは0割合低いな。まぁ、でも同じような傾向だな。30万文字も書けばほぼポイントもらえてるな」
ゆ「もし0pt小説を探す場合は30万文字以下で探すのがよさそうですね。それ以上はほとんどないですからね。ということで『とある0p小説スコッパー』様ありがとうございました~」
A「ありがとな」
◆ ◆ ◆
ゆ「さて、続きまして2通目のお便りいってみましょー。2通目はラジオネーム『とある底辺作者』様からです。ありがとうございます~」
A「ありがとうございます。さすがにこれは特定できないなー」
ゆ「そうですね。底辺と言われる基準のブクマ100個もらえてない人は、なろう上に約17万人いますからね」
A「そんなにいるの!?」
ゆ「だいたいブクマ100が上位10%の壁なんですよね。そう考えると全然底辺じゃないよね」
A「誰だよこんな基準を作った奴は……」
ゆ「続けますね。分析ネタは、『作者全体の順位』が知りたいそうです。また『10万字以上書いた人』に限定した場合も調べてほしいとのことです」
A「大丈夫? この人の精神折れない?」
ゆ「大丈夫でしょう……多分。あっ、コメントもありますね。
『いつも楽しく読ませていただいてます。とても参考になります。
ただ、この作品を読んでからエゴサが止まらないのでなんとかしてください。僕をこんな風にした責任取ってください!』」
A「……おい、責任取れよ」
ゆ「ちょっと! 冤罪冤罪! 私は作品を探すやり方しか教えてませんから!」
A「ダウト」
ゆ「えーっと、とりあえずインターネットを断ちましょう。そうすれば何とかなりますよ」
A「いや、小説家になろうはどうするんだよ」
ゆ「えーっと、うんあれだよ、あれ。そう分析いきましょー」
A「逃げたな」
ゆ「ということで作者の順位です。今回はグラフではなくて表でまとめてみました」
ゆ「その作者が投稿した作品の合計です。ポイント、ブクマ、レビュー、文字数、投稿数をそれぞれ並べ替えました。それぞれの項目における順位です。これを見るとあなたが小説家になろうで何番目くらいかわかりますよ。私は総ブクマ100くらいあるからブクマの項目で上位10%に入ってますね。やったぜ!」
A「ブクマ1個もらうと作者の中でも真ん中に入れるんだ。そっちの方がびっくりだよ。何?後半の0率」
ゆ「これがなろうの現実なんですよ半分の作者は1作品しか投稿してませんしね」
A「ん? 文字数の項目で、最下位が0だけど間違いじゃないのか?」
ゆ「あってますよ。今は200文字書かないと投稿できませんでしたが、昔は0文字でも投稿できたのです。詳細検索で最大文字数を1にして検索すると出てきます。ちなみに連載作品でエタ作品でした」
A「永遠に始まらない小説。いや、小説なのか?」
ゆ「哲学ですね。小説はどこからが小説なのか? 0文字でもタイトルがあれば小説となり得るのか……難しいですね」
A「やめよ、考えても仕方がない。それにしても、項目1位の人はすげーな。1千万文字とかどうやったらかけるのだろう。投稿1700件とかやばすぎ」
ゆ「私の場合は月間5万文字なので1年だと60万文字なので16年くらいかかりますね。多分精神が持たない。では全体も分かったので、次は累計10万文字以上書いた作者の順位です。対象者は約3万人です」
ゆ「私は総ブクマ100くらいあるから上位40%くらいに入ってますね。さっきと全然違いますね」
A「多分これがきちんと書ける人の順位なのだろうな。それでもレビューは少ないんだな」
ゆ「ちなみに累計10万文字書いた作者の98%はポイントがあります」
A「これを見ると、ブクマ100ってのも案外妥当なのかもしれないな」
ゆ「そうですね。ただ、あの基準は作品単体なのでもう少し緩めてもいい気はしますが、きりがいいのであれでも問題なさそうですね。ということで『とある底辺作者』様ありがとうございます。」
A「ありがとな」
◆ ◆ ◆
A「さて、前半最後だな。次はラジオネーム『ドーナツ好きな吸血鬼』様からです。ありがとうございます」
ゆ「ありがとです。ドーナツ好きな吸血鬼……一体何忍さんなんだろうか……?」
A「いや、絶対違うから。あの人こんなところに来ないから。えーとネタは『挿絵入れてる作者か作品』が知りたいらしい、あとは『ジャンルごとのユニークユーザー数』が知りたいとのこと『さすがにこれはかぶらまい!』だそうだ」
ゆ「ほう、なかなか面白い視点ですな」
A「何様だよ。えーっとコメントは『ぱないの!』」
ゆ「ぱないの! なんだかドーナツ食べたくなりましたね。後で食べに行きません?」
A「終わったらな。それにしてもジャンル分析かぁ、やっぱりファンタジーだろ。人気は。番外編5でもすごかったしな」
ゆ「わかりませんよ。ランキングとはまた別ですから。意外なジャンルが見られてるかもデス。やってみないと分からないこともありますから。では、いきましょう先に挿絵が入ってる作品について調べました。全作品の内、挿絵有は約1万作品でした」
ゆ「入れている挿絵数の分布はこんな感じです。ほとんどが50個以下ですね。ちなみにこの作品は挿絵300個くらい使ってますからね。上位50くらいですよ」
A「へぇ、ちなみに1位はどんなもん?」
ゆ「15,158個」
A「は? 1万個の挿絵とかどんな作品だよ」
ゆ「私だってびっくりですよ。まぁ、1000個くらいだろうと思ってたら桁が違ったですよ。本当は10位くらいに入ってるだろうと思ってたら上位陣ぱないの! 上位10作品は1000個以上挿絵入ってます」
A「小説家になろうですごい使い方してる人はまだまだいそうだな」
ゆ「全くです。さて、ではお次はユニークですね。どうぞ」
A「うん、知ってた」
ゆ「大体はランキングと同じですね。小ジャンルも集計しています。グラフが煩雑になるので表でまとめました」
A「うん、知ってた」
ゆ「ユニーク数ですからね。ユーザー登録していない人もカウントされるので、ランキングとはちょっとは違うかなって思ったんですがそうではなかったですね」
A「やっぱ、これがなろうに求められているジャンルってことか。リプレイと詩の人数少ないな」
ゆ「もし、大量のPVが欲しい場合はそういうジャンルに行かないと難しそうですね。ということで『ドーナツ好きな吸血鬼』様ありがとうございました~」
A「ありがとな」
◆ ◆ ◆
ゆ「さて、これで前半の解析が終わったわけですが、どうですかAさん」
A「んー、もう少し高ポイントやランキング上位関係の解析依頼とかがんがん来ているのかと思ったけどそうでもないんだな」
ゆ「そうですね~、ポイントに関する分析は既にやられてますからね。今回の募集では、過去にやられたことしませんっていったので、少なかったんですかね。そのかわり、他のエッセイでやってないネタばかりですよ?」
A「誰かがやってもいいような内容もあったがな」
ゆ「意外とやらないもんですね」
A「データ収集してる人も少ないからな」
ゆ「もっと増えてもいいんですけどね。それでは、後半戦も乞うご期待! CM(休憩)入ります!」
―楽屋裏―
A「そういや、今回のグラフちょっと気合い入ってない? なんかいつもと違うんだけど」
ゆ「そこに気づくとは天才か。そんなAさんにはオプーナを買う権利をあげましょう」
A「いらんわ」
ゆ「(´・ω・`)そんなー。じゃあ0.1モナコインをあげましょう」
A「いくらだよ」
ゆ「今だと40円くらい」
A「安い。で、さっきの質問だけど……」
ゆ「はい、ちょっとがんばりました。いつもの解析だと時間制限があって2、3日で仕上げないといけなかったんですけど、今回は1週間もあったんですよ。いつもだと、次の内容やプロットや構成を考えないといけないので、そこまでグラフ作成に時間を使えなかったんですけど、今回は番外編しかないので、時間余りまくりデスよ。今までが手抜きとは言いませんが、デフォルトの設定でやってたんですよ。今回はちょっとこだわってみました。そのせいで投稿が遅れたけど」
A「本末転倒だな」




