3-今日の一冊を試してみる。
さて皆さんは『今日の一冊』というのをご存じでしょうか?
今日の一冊は小説家になろうのTopページの真ん中あたりにあります。(※画像参照, 2017年11月現在)
今日の一冊は定期的におすすめの作品を紹介しているようです。なのでここを見れば自分の知らない良作な物語が見つかるかもしれないですね。期待感あふれます。
では早速リンクを見てみましょう。
リンクをクリックすると、そこには紹介された物語のあらすじと登場人物の説明が載っています。そして画面の一番下には作品を読むボタンと今回の調査対象者に関する説明が書かれているようです。
どうやらレビューみたいに誰か個人が選んだ作品を紹介するのではなくて、調査期間内に調査対象者がよく読んでいる作品を紹介しているもののようですね。
ちなみに、ここに書いてあるあらすじは作者が書いたものではなく、別の人が書いた文章のようです。さらっと簡潔に書いてあるのでとても読みやすいし、続きが気になるような書きぶりですね。
あらすじに筆者の感想はなく、単純に要約したものです。印象としては、文庫本の裏の内容紹介に近い気がします。タイトルと作者、裏表紙のあらすじと目次の登場人物紹介。まるで本屋で立ち読みしている気分になります。
これは期待が持てますね。さてではどんな作品が載っているのかざっと見てみましょう。一覧へというボタンがあるのでそこから見れるようです。
一覧には、ちょこちょこランキングで見かける作品も載っていますが、中には知らない作品もあります。作品の傾向は……やっぱり異世界モノが多いですね。どうやって選んでるんでしょうか。
気になるので、調査方法を見ていきましょう。説明文には、
『上記コンテンツは、株式会社博報堂DYデジタルが保有する調査パネルデータの分析結果をもとに、対象者によく読まれている作品をピックアップし、紹介しています。』
とありますね。どうも博報堂の分析結果からピックアップしてみたいです。うん、よくわからない。
で、今日の一冊の調査期間は大体2週間で、紹介更新も約2週間ごとにされているようです。2015年12月21日から開始して今の段階で49作品が登録されていました。(※2017年11月18日現在)
調査対象は性別と年齢、好きな作品ジャンルで決定されているみたいですね。性別と年齢はなろうのデータにありそうですけど、好きな作品ジャンルというのはどうやって判断しているのでしょうか。
対象の好きな作品ジャンルは毎回違って、下のような感じです。
『恋愛、ギャップ要素を持つライトノベル、じっくりと楽しむ恋愛ドラマ、クラフト系、運命改変系、現実主義系、思想・哲学系、セカイ探求系、一目おかれる系、日本のものづくり系、ケータイ小説系、相性の良いパートナー系、ダンディズム系、和製ファンタジー系、大規模戦記系、ホームコメディ系、パーティー冒険系、境遇変化系、コンピュータRPG系、当主と使用人系、不条理ツッコミ系、過程が大切な恋愛系、学園 系、社会改善 系、地域発展 系、英雄譚 系、幸せ共有 系、周辺救済 系、参謀活躍 系、ニヤリとする会話 系、強い心で生き抜く 系、大人への通過儀礼 系、歴史上の人物、再解釈 系、ゲーム実況 系、突然の出会いと冒険 系、非デスMMO 系、セカイを変える出会い、属性ラブコメ系、誰かのお世話 系、弱者からの逆転 系、ゲーム世界冒険 系、自他認識ギャップ系、挫折からの転機物語、異法則世界 攻略系、嫌われ者やり直し系、家庭用ゲーム機RPG系、倒錯設定 系、出会いと旅情 系、のんびりマイペース系』
見ればわかると思いますが、なろうの区分しているジャンルではないですね。作品のタグでもないのでどうやって抽出しているかはよくわからないです。調査対象の定義が少しあいまいな気がします。
とはいえ、どんな傾向かは把握したいのでちょっと分析してみました。
なろうのジャンル別
・異世界〔恋愛〕:17作品
・ハイファンタジー〔ファンタジー〕:15作品
・現実世界〔恋愛〕:5作品
・歴史〔文芸〕:3作品
・ローファンタジー〔ファンタジー〕:3作品
・VRゲーム〔SF〕:2作品
・ヒューマンドラマ〔文芸〕:1作品
・ノンジャンル〔ノンジャンル〕:1作品
・コメディー〔文芸〕:1作品
・その他〔その他〕:1作品
書籍化作品
19作品(49作品中)
完結/連載中
・完結済み:9作品
・連載中:40作品
総合ポイント
・平均:30,995 pt
・中央値:26,796 pt
・最大:100,538 pt
・最小:11,039 pt
・標準偏差:19,454 pt
文字数
・平均:538,519 文字
・中央値:282,264 文字
・最大:2,723,289 文字
・最小:84,344 文字
・標準偏差:568,148 文字
ジャンル別はなろうの人気作品の傾向と同じで異世界ものが多いです。若干恋愛よりかな。1/3くらいは書籍化されてて、ポイントはボーダーが1万以上。文字数は20-30万字くらいなものが多いですね。
うーん、まとめると調査対象のジャンルから、年間、四半期、月間、週間ランキングに乗るくらいの作品で、調査期間内に人気があった物語でしょうか。
書籍化は紹介が始まったころの作品が多くて、最近のはあまりないですね。特に書籍化される作品だから選ばれるということでもなさそうです。
ある程度のポイントもあるので、大きな外れはないようですね。調査対象の年齢は30-50代が多いので、ちょっと渋めで文学的な表現の作品が多めな印象。作者の文章力が高い人が多い気がします。(全部は読んでないので今の段階です)
◆ ◆ ◆
というわけで、今日の一冊のまとめです。
・今日の一冊は小説家になろうのTopに表示されている。条件に一致した調査対象のなかで読まれている作品を隔週で紹介する。2017年11月18日時点で49作品が登録されている。
・紹介された作品は、簡潔なあらすじと登場人物、キャッチコピーとテーマが付いて紹介される。
・メリット
ポイントが比較的高く、大体がランキング入りした作品で大きな外れはない。
文書力の高い作者が多い。
わかりやすいあらすじと登場人物から作品の概要がだいたい分かる。
・デメリット
四半期、週間ランキングを読みつくしている人にはあまり意味がない。
集計対象の年齢層が比較的高いので、ぶっとんだ作品はあまりない。
現在49作品で、更新が隔週。
・総評
良作度 :★★★★☆
新規開拓性:★★★☆☆
更新頻度 :★★☆☆☆
※あくまでも私の感想です。よりよい使い方があれば、教えてください。