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とあるスコッパーの備忘録 ~良作発掘のためには手段は選びません~  作者: とあるスコッパー
2章-小説家になろう、小説を読もうで少し変わった探し方

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番外編2-総合ランキングに入るために必要なポイント数について調べてみた。

今回は会話調です。

ゆう(以下ゆ)「こんにちは。いつもニコニコあなたのマイページに這いよる本好きの、ゆうです! 今回のスコッパー番外編は会話調で進めていきます。お相手は友人Aさんでーす」


友人A(以下A)「えーっと、どうも~。友人Aです」


ゆ「もーAさんもなんかネタはさんでくださいよ。私が恥ずかしいじゃないですか」


A「えっ、恥ずかしいと思うことあるんだ。いつも思うんだけどさ、ゆうってネタ好きだよね。たまに訳わからないものもあるし」


ゆ「え? そんなことないですよ。普通ですよ」


A「ほんとか? まぁ、いいや。それで何やんの?」


ゆ「今回はですね、過去ランキングをなろうデベロッパーから取得したので、それをグラフ化して解析した結果について発表しようと考えてまして。Aさんにはそれのアシスタントをやってもらいたいと思います。こういったデータを発表するときは生徒役がいると説明がすごく楽なんですよ」


A「解析って……。ああ、最近やってるあれか。できたんだ。プログラミングの本とか買ってきて、勉強してたよね。なんだっけPPAPだっけか」


ゆ「Aさん、ネタが古いですよ。APIです。API。アプリケーションプログラミングインターフェイスの略です。ざっくり言うと、APIは外部からソフトウェアの機能を使うためのものなんです。なろうデベロッパーが公開しているAPIを使うと、なんと小説家になろうに投稿してある小説情報を取得したり、過去のランキングを取得したりできるんです!」


A「へー。なんか難しそうだけど、便利そうだな。あたしはプログラムとかできんけど」


ゆ「まぁ、使うにはプログラミングの知識が少しいるので、やってる人はあまりいないようですね。というわけで今回使ったのは以下になります」


挿絵(By みてみん)


ゆ「なろう小説ランキングAPIでは、小説を読もう!で公開している総合ランキングを取得できるのです。ただ、制限があって取得できるのは、2013年5月1日以降の日間、週間、月間、四半期総合ランキングのみです。ジャンル別には取得できません。あと週間は火曜日のみ、月間、四半期は毎月1日のランキングのみ取得できます」


A「日間、週間、月間、四半期ねぇ。あれ? 確かなろうには年間と累計ランキングもあったんじゃなかったけ?」


ゆ「そうなんですよね。なぜかAPIには年間と累計がないんですよ。忘れていたんでしょうか。ちょっとわかんないです」


A「ふーん。ま、いっか。それで今回はどれを取得したんだ? 日間? 週間?」


ゆ「全部」


A「は?」


ゆ「四半期、2013/5~2017/12で56か月分。月間も2013/5~2017/12で56か月分。週間、2013/5/7~2017/12/19で242週分。日間、2013/5/1~2017/12/22で1697日分。とりあえず今とれるだけ取得しました」


A「……」


ゆ「やっぱり全部見たいじゃないですか。思いません? そこにデータがあるなら全部取りたいとは思わないです?」


A「ああ、そういやお前は収集癖とかあったな。何かにつけてデータ集めて、にまにましてたな」


ゆ「にまにまは、してない……と思います。とりあえず先に進めましょうか。あまり与太話が過ぎると怒られそうですし」


A「流したな。それで、何からやるんだ」


ゆ「まずはこれです! ドーン!」


挿絵(By みてみん)


A「その効果音はいるのか……? でなんだこのグラフは、4つあるけど」


ゆ「これは各日付での四半期、月間、週間、日間のランキングの1位、5位、10位、50位、100位、200位、300位のポイントをプロットしたものです。縦軸は対数で表示してます。これで、それぞれのランキングに入るためのポイント目安が分かります!」


A「へー。体感的には理解してたけど、やっぱ1位と300位はポイントの桁が違うんだな」


ゆ「そうなんです。ランキングの上位に行くのは大変なんですよ! いくらテンプレって言ってもこれだけポイント集めるのは大変なんです! 私なんてせいぜい3桁なんですから!」


A「そんな興奮すんなよ。ん、なんか年々ポイントが上がってるように見えるけど。なんで?」


ゆ「興奮してませんよ! ……そうですね、ランキング入りするために必要なポイントは年々上がってるみたいです。2013/5/1の日間の300位のポイントは28ptで、2017/12/22の日間の300位のポイントは70ptでだいたい2.5倍くらいになってます。四半期、月間、週間でも同じ傾向ですね。というか日間が上がれば必然的に他も上がりますからね。あと増えた原因は単に登録ユーザー数の増加だと思います。確か、2013年は55万人で今は110万人と倍に増えてますからね。評価者もそれだけ増えたんじゃないですかねえ」


A「作品数も増えたし、なかなかランキングに載るのも大変なんだな」


ゆ「そうなんです。でも、見てもらえる頻度も増えるので悪いことばかりではないんですよね。では次行っちゃいましょう! ドーン!」


挿絵(By みてみん)


A「だから掛け声……。で、これは? なんかグラフがぐちゃぐちゃしてて汚いけど」


ゆ「これはですね、各日付の日間ランキング1位~300位のポイントを合計したものをプロットしてます。単にどのくらいのポイントが1日でつけられてるんだろって思って作ってみました」


A「へぇ、1日に付けられるポイントってこんなにあるんだ。でもさ、300位以降のポイント分はどんなもんなの? 1日に付けられるポイント調べるんだったらその分も数えないといけないだろ」


ゆ「ギクッ。さすがAさん。いいところに気が付きますね。過去ランキングでは300位までしか取れないので、これを1日に付けられるポイントってちょっと無理がありましたね。私も作ってから気が付きました。ちなみに今日12月23日の日間ポイント300位~2000位までのポイントを合計すると3.5万ポイントありました。大体ランキングのポイントの半分くらいなのでこの合計ポイントを1.5倍くらいにすると大体1日のポイント総量になると思います。そうすると1日に10万~15万ポイントがユーザーから生み出されていることになります。で、ユーザー1人が付けるポイントが大体30ポイントとすると概ね3万から5万人が評価していることになります。実際はどうかわかりませんが」


A「それを55万作品で奪い合うってわけか。なかなかシビアな世界だな」


ゆ「シビアなんです。では文字数の都合もあるので、次に行きますね。バーン!」


挿絵(By みてみん)


A「(なんか雑になってきたな……)次のグラフはやたらカラフルだな。季節性?」


ゆ「なろうで活動しているユーザーさんは人間なのです。そのためその活動には周期性があるのです。どうも季節によって、活動人数も変わるようです」


A「へー。具体的にはどう変わるんだ?」


ゆ「このグラフは日間300位のポイント推移(※7日間移動平均処理)を表したものです。全体的に見ると右肩上がりですが、途中上げ下げがありますよね。その上げ下げのタイミングは年ごとに、おおむね一致しています。1月~2月は正月休みや冬休みで増えて、2月~3月は試験、年度末でちょっと減って、4月~9月は新年度やゴールデンウィーク、夏休みでちょっと増えて、9月~12月にかけて忙しくなるのか、減っていきます。そのサイクルで変動しているようです。あと年末~正月あたりが一気に増えてますね」


A「まぁ、正月は暇な人が多いからな。なろうで小説読む人も多いんだろうな」


ゆ「でも、読書の秋らへんから減るのも不思議ですね。何をやってるんでしょうね」


A「イベントがあるんじゃねーの? 文化祭とか体育祭とか。過ごしやすい季節だし、旅行とかすんじゃないか」


ゆ「ま、私は年がら年中本読んでますけどね(`・ω・´)」


A「たまには外出ろ。この引きこもり」


ゆ「い、いいんですよ。休日の使い方なんて人それぞれですから! じゃ、次行きますよ。ほーれ」


挿絵(By みてみん)


A「都合が悪くなると、すぐ流すな……。今度はなんだ? 曜日?」


ゆ「これもさっきのと同じ感じで、曜日によるポイント推移を表したものになります。薄オレンジが日曜日、月曜日。薄水色が火曜日~土曜日のポイントです」


A「ん、土日と平日じゃないのか?」


ゆ「ポイントは1日遅れになるので、土曜に付けたポイントは日曜日の集計に、日曜に付けたポイントは月曜にランキングにカウントされるんです」


A「ああ、だからか。てことは、やっぱ土日にポイントつける人が多いんだな」


ゆ「そうです。平日に比べて土日は20%~30%ほどポイントが高くなってるんです。ついでに他の順位も見てみましょうか。とーう」


挿絵(By みてみん)


A「薄いオレンジの部分が日曜と月曜?」


ゆ「はい。日間1位、10位、100位、300位で見てみましたが、どれも日、月にピークが来ているようです」


A「へー。それだったら平日に投稿する方がポイント的にランキングには載りやすいんかね」


ゆ「どうでしょう。結局、評価者も少なくなりますし、相対的に変わんないような気がしますが。でもファンが多い人には有利かもしれませんね」


A「そっか。でもこう見ると、評価者って学生とかサラリーマンが多いんだな。要はそういう周期で活動してるって事だろ? 実はなろうってそういう層の評価は少ないと思ってたんだが」


ゆ「ヽ( ´ー`)ノフッ 次行きましょう。ていっ!」


挿絵(By みてみん)


A「次のグラフは、今までとなんか違うな。何だこりゃ」


ゆ「今度は分布波形を調べてみました。ヒストグラムというやつです。2016年1月1日~2017年12月22日の日間300位のポイントの分布をプロットしてみました。概ね正規分布しているとみていいと思います。火~土はきれいでいいですが、日、月は形が少し崩れているのは、日と月の平均値が異なるからだと思います。多分月曜日の方が右にシフトしていて、2つの正規分布が重なっているからではないでしょうかね。まあ、中心極限定理で概ね正規分布と考えても差し支えないと思います!」


A「正規分布だとか、中心なんちゃらとか専門用語出されても、あんま伝わらんと思うぞ。言いたいこととか」


ゆ「Σ( ̄ロ ̄lll) ガビーン」


A「ガビーンて古くないか」


ゆ「ふ、古くないよ……多分。それで、正規分布かどうかは最後の総合ランキングに入るために必要なポイント数の統計的推定に必要なので調べただけなので、あんまり詳しく説明する気はないです。多分なろうで統計やってる人も少なそうだしね。わざわざ難しいことは言わないけど、統計家としては分布形状は調べるのが性質なものでして。ちなみにポイント分布に正規分布を当てはめると以下のようになります」


挿絵(By みてみん)


A「結構あってそうだな」


ゆ「ということで、このランキングのポイント分布が正規分布に従うことが示されたので、今回のテーマの総合ランキングに入るために必要なポイント数が推定できます! てなわけで、うりゃ」


挿絵(By みてみん)


A「これが、必要なポイントってわけか。平均と標準偏差は分かるとして、推定必要ポイントってなんだ?」


ゆ「統計的推定でポイントの分布波形が正規分布に従うとき、そのポイントの95%は2標準偏差以内に入ると言えます。そこから上側の2.5%に入っていれば97.5%の確率でその順位に入ると推定できます。図で示すと以下のようになります」


挿絵(By みてみん)


A「要するに、そのポイント取ればほぼその順位より上に入れるってわけか」


ゆ「はいその通りです。ちなみに平均値や標準偏差を算出するのに使ったのは2016年1月~2017年12月22日までのデータです。それ以前のを使うと傾きを持ってしまうので、正確な値が出せないのです」


A「まぁ、そんな正確でなくてもいいんじゃないか。てか、なろうで真面目に統計使うやつとかお前意外いないんじゃないの?」


ゆ「どうなんでしょうね。あまりいないのかもしれませんね。ニコニコ動画にいた時はいっぱいそういう人いたんですけど」


A「あっちはエンジニアが多いからな」


ゆ「文系と理系の違いなんですかねえ。あっ、そうだ最後に日間は火~土、日、月も分けて集計してみました。良かったらどうぞ」


挿絵(By みてみん)



 ◆ ◆ ◆


ゆ「ふー、なんとか終わりましたね。ありがとうございます。お疲れさまでした」


A「お疲れ。そういやなんでこんなこと調べてたん? 確か本文にはまだ先って言ってたような気がするけど」


ゆ「えっ。それは……こ、この作品を見てくれる皆への一足早いクリスマスプレゼントだよ。皆いつも見てくれてありがとうって感謝の気持ちを込めて作りました。うん、そうだよ」


A「ふーん。で、本音は?」


ゆ「ポイントが欲しくてやった。反省はしていないが、今は公開している」


A「おい、字が違うぞ」


ゆ「い、いや違うんです。あっ、字はあってますけど。じゃなくて、違うんです、別に、API使ってグラフとか載せてる作品のポイントが高くてうらやましかった、とかじゃないんです。違うんです、API使ってる作品が短くても1000pt行くんだーって嫉妬したわけじゃないんです。違うんです、API使って分析した作品がgooニュースに取り上げられて驚いたわけじゃないんです。ちがうんですよー」


A「おい、全部白状してるぞ。つまりAPI使えるって自慢したかったってわけか」


ゆ「そうだよ。さすが、Aさん。名探偵だね。犯人の犯沢さんもびっくりだよ」


A「あたしは蘭ねーちゃんにびっくりだよ」


ゆ「というわけで、番外編2はこれで終わりです。次回からは外部サイトを使った検索方法について解説しますのでよろしくお願いします」


A「それではまた~」

ゆ「( ゜д゜) ・・・」

A「?」

ゆ「(つд⊂)ゴシゴシ 」

A「なにやってんの?」

ゆ「(;゜Д゜) …!? 」

A「おい」

ゆ「あっ! Aさんレビューです。なんとこの作品にレビューが書かれました! うひょー!(^^)!」

A「まじかよ……」

ゆ「これで私も人気作家の仲間入りですよ。レビューが書かれているのは約3%の作品だけなのですよ!聞いてます? Aさん。これはサインの練習が必要ですね。ちょっと私筆ペン買ってきますε≡≡ヘ( ´Д`)ノ」

A「(うるせぇし、うぜぇ……)」

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