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ISS-国際宇宙ステーション。米国・ロシア・日本・カナダ・欧州宇宙機関が開発した宇宙ステーション、人類の英知の結晶。
多数の連結モジュールからなるこの宇宙ステーションは、その製造国や資金、安全基準の違いから、大きく分けて「米国側」と「ロシア側」からなるモジュール区画で区別されている。日本のモジュール「きぼう」は無論米国側となる。
JAXA-宇宙航空研究開発機構-宇宙飛行士、田辺 守は、HTV-宇宙ステーション補給機「こうのとり」のドッキング作業を行っていた。
ステーションの相対速度に合わせ、相対停止するHTVをロボットアームが掴む。そしてビールのジョッキを回すかのように結合部に合わせ、ドッキングさせる……えらくまどろっこしい作業にも見える。
実はHTVは自動ドッキングの機能がない。これはISSの共通結合機構が自動ドッキングに耐える設計ではないためであり、このような方法をとらざるを得ないのである。
「よし、宅配便、ドッキング完了だ。 もういいぞ」
田辺はインカムでそう告げると、他のクルーが与圧ハッチを開け、物資の搬入作業に入る。
クルーとはいっても、ISSの乗員数は6名なので、あとは米国人2人・ロシア人2人・カナダ人が一人である。そして田辺も搬入作業を手伝いにHTVの与圧区画へと向かう。
「おいマモル、これが今回の日本の目玉商品か?」
米国人クルーで、キャプテンのダリル・コナーが物資の箱をポンと田辺に投げ渡す。
「前はウドンだったわね、今回は何?」
ロシア人女性クルーのタチアナ・キセリョワがワクワク顔で箱を覗き見る。
「ターシャ的にはスシ、キャプテンはラーメンですか?」
田辺は作業を進めながら、クルーの反応を見る
「俺はトンカツなら文句なしだぜ」
米国人で黒人クルーのジョン・ハガーが握りこぶしを作って楽しげに答える。
HTVの補給品には、日本人クルーの精神衛生管理のために「ボーナス食」というものが用意されている。無論、これはクルー用全員分が用意され、ISS乗組員全員に振舞われる。
特に日本の宇宙食は、その味や品質、アイディアからクルーより絶大な人気があり、ISSでの楽しみのひとつとされている。
「今回はね、大奮発してもらったよ。コウベ・ビーフのスキヤキにオシルコだ」
田辺がドヤ顔で中身を明かす。
「Oh!コウベ・ビーフだと!マジかよ!」
ジョンが奇声をあげて喜ぶ。
「こいつはすごいな、今日はISSがジャパニーズ・リョウテイになるぞ」
ダリルもホクホク顔になる。ダリルは、実は無類の日本料理好きで通っており、以前日本に旅行したときに食べた肉料理に感動して以降、自国である米国産牛肉のことを「靴の底」といってはばからない。
「ところで、そのオシルコって何?」
タチアナが聞きなれない日本食の名前を問いかける
「オシルコっていうのは、日本のスイーツだよ、アズキを甘く煮たソースの中に、甘くて丸いライスケーキが入ってるお菓子さ」
「ハラショ。いいわね、私ライスケーキ大好き。オダンゴって言うんでしょ?食べたことあるわ」
「おーいマモル!そろそろ宇宙教室とかをやる時間じゃないのか? アンドレイが呼んでたぞ」
カナダ人男性クルーのブライアン・ウィブリーが連結器から顔をニョキっと出し、田辺を促す。
「え?もうそんな時間か?わかった、じゃキャプテン、あとを頼みます」
「おう、しっかりやってこい。お前のビーフも食っててやる」
「そんなことしたら、今度の定期便でスパムばっかり送らせますよ」
田辺がダリルに向かい指を指してツンツンと突く。するとジョンが
「キャプテン、そうなったらマモルと俺で反乱軍の結成ですよ」
ガハハと笑いながら冗談を飛ばす。
「私もジョンに乗らせてもらうわ」
とタチアナも追随する。
田辺は、そんな宇宙飛行士同士のバカ話の後、日本モジュールである「きぼう」に向かう。するとロシア人男性クルーのアンドレイ・プーシキンがせっせと宇宙教室用の教材作りにいそしんでいた。
これから1時間後、宇宙中継で日本の子供達のために田辺が先生となり、宇宙教室を行う手筈になっているのだ。アンドレイはその助手である。
「おうマモル、こっちはもうすぐ済むぞ」
「すまんねアンドレイ、じゃ俺はカメラの準備をやるよ……ってあれ?カメラの固定器がないな」
「ん?持ってきたはずだぞ?」
「ないよ」
「おかしいな……あ、あそこに置き忘れたか?」
思い出したようにアンドレイが手を打つ。
「ちょっと待っててくれ、取ってくる」
「急いでくれよ」
アンドレイが魚のように別のモジュールに向かって「きぼう」を出て行った。
その間、田辺は日本の子供達から送られてきた質問メールに目を通す。
『うちゅうから、おほしさまはどんなふうにみえますか?』
『うちゅうでしゃぼんだまをつくったら、どうなりますか?』
「あー、このシャボン玉の質問のためにシートを張っていたのか……」
田辺は「きぼう」にはりめぐらされたビニールシートに目をやる。
『うちゅうから、おつきさまはどんなふうにみえますか?』
ふむふむとばかりに、田辺は時計に目をやる
(確かこの時間なら、あそこから月が見えるな)
適当な窓を見つけ覗き込むと、地球の稜線から出てきたばかりのような月が綺麗に佇んでいた。
一眼レフデジタルカメラを取り出し、窓に映る月にフォーカスを合わせ、ベストショットを狙う。
「………………??」
田辺は月を見てめまいを感じた。月が歪んで見える。……目を2、3回しばたかせて眉間をつまむ。そして視線を部屋の中へ向けなおして周りを見る。
特になんともない……もう一度窓から月を見てみる。
歪みがひどくなっていた。そしてその歪みは、まるで写真を裏からつまみ、ねじり込むように渦巻き状に歪んでいく。
「く、空間が歪んでいる!!」
田辺は自分の目を疑った。窓を凝視しながらインカムに向かって叫んだ。
「キャプテン!大変だ!窓から月を……うわぁぁぁっ!」
そう叫んだ瞬間、特大のフラッシュが炊かれたような閃光が、田辺の目前で輝いた。
その刹那、ドォーーンという衝撃がISS全体を揺さぶるように襲い掛かる。
ステーション内の無重力空間で、実験機材や私物、食器や宇宙食が水中にぶちまけられたように
散乱する。
ステーション中にクルーの悲鳴が響いていた。
この衝撃をなんとか踏ん張ったキャプテン・ダリルが「みんな!大丈夫か!」と叫びながらクルーのいるモジュールを泳ぐように回った。
「ターシャ!」とさけぶと「ダー!」とターシャが返す
「ジョン!」「イェッサー!」
「ブライアン!」「大丈夫だ!」
「アンドレイ!」「問題ない!」
「マモル!」「……だ、大丈夫!」
田辺の返事の様子がおかしいと思ったダリルは、急いで「きぼう」に向かう。
「マモル!どうした!どこかヤったのか!」
「い、いや、大丈夫ですキャプテン」
目をしばたかせながらよろめいている田辺の体を引き起こそうとすると、
「そ、それよりもキャプテン、外を…外を見てください!」
「何?外?」
ダリルは田辺の指差す月の見えていた窓に取り付き、外を見た。
「な……なんだ……あれは……」
ダリルが見た光景は、宇宙空間での常識をすべて学んだと思っていた自分の知識を根底から揺るがすような物だった。
月の景色に覆いかぶさるように見えるその物体は、とてつもなく……そう、人類科学の常識をはるかに超えた大きさの、明らかに人工物と思える超巨大物体だった。
「キャプテン!ステーションに特に異常は……」
ステーションの被害状況を報告に来たブライアンの言葉をさえぎるように、
「ブライアン!ありったけの撮影機材をここに持って来いとみんなに伝えろ!備品のカメラ、スマートフォン、カメラ付きの携帯ゲーム、ありったけだ!早くしろ!」
「わ、私も……」
田辺が立ち上がり任務に戻ろうとする。
「マモル、無理はするな、もう少し休んでおけ。しかし……これは一体どういう状況なんだ?さっきインカムで叫んでいたが、これのことか?」
田辺はコクコクと頷き、デジカメで月を撮影しようとした時に、空間がグニャリと曲がって、閃光を発し、その瞬間に正体不明の物体が現れたことをダリルに話した。
そうしていると、ブライアンがISS内にあるありったけの撮影機材を持ってやってきた。
そしてダリルが覗いていた窓を覗いた途端、ブライアンはその凄まじい光景に石化してしまう。
「ブライアン、おい、ブライアン!」
ハッと我に返りダリルに向き直るブライアン。
「そのカメラ全部使ってとにかくあのデカブツを撮影しろ、全部動画でな。俺は地上に状況を報告に行く」
「り、了解」
「お、俺も手伝うよ……」
田辺がさっき持っていたデジタル一眼を持ち直す。
「おい、マモル」
「もう大丈夫ですキャプテン」
田辺が立ち直ったのを確認すると、ダリルは急いで通信施設があるモジュールに向かう。
「ISS-アルファ、応答せよ、何があった!アルファ!応答せよ!」
アルファとは、ISSのコードネームである。事が起こった瞬間から、ケネディ宇宙センターはずっと通信回復を試みていた。
それも当然である。ISSのコンディションは地上管制センターで常にモニターされている。それがいきなりすべての機能にアラートマークがものの見事に点灯したのだ。しかもその近くで正体不明の異常な物体がレーダーで確認できている。管制センターはかなり焦っていた。
『こちらアルファ、ケネディ宇宙センター、ダリル・コナーだ』
やっと繋がった通信に地上基地スタッフは全員安堵の声を上げた。
そして通信回復と同時にISS内の映像も回復する。しかしその画面に映し出されたダリルの顔は、尋常なものではない事がすぐに理解できる表情だった。
マイクを握る、センター長のリック・パーソンは深呼吸を一つついた。
そして短く一言。
「ダリル、一体何があった?」
『リック……信じられない事が起こっている。まぁ……これを見てくれ』
ダリルは外部モニターカメラにスイッチを切り替えた。そしてその『信じられない事』が、管制センターの大型モニターにデカデカと映し出された。
その瞬間、管制センター全体がどよめきに揺れた。センターの全員が、まるで眼前に聳え立つ巨人を仰ぎ見るように、体をのけぞり大型モニターを見つめた。その表情は、すべての職員が痴呆症の患者にでもなったかのようにポカンとしていた。
そしてダリルの音声のみの通信が入る。
『リック、とにかくこの事を早く大統領に報告してくれ、それと世界各国にもだ。ほっておいても世界に知れ渡るだろうが、とにかく早いほうがいい』
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JAXA-宇宙航空研究開発機構 筑波宇宙センター。
ここでも、この異常事態は既に伝わっており、センター内は蜂の巣を突くような騒ぎになっていた。
田辺飛行士から伝わったこの異常事態の情報により、センター内は混乱の極みに達していた。
この情報は、無論即座に政府に報告された。が、問題なのはこの事態に政府が「危機管理対策本部」を設置するかどうか判断に迷っているところである。
地震や台風、他国からの攻撃といった具体的な事態であれば話は早いのだが、このような正体不明の巨大な人工物体の飛来などという前代未聞という言葉すら通り越した事態ともなると、何をどうしたらいいか対応策がまったくない状態に陥っていた。
しかもその事態情報が情報だけに、確定した事実であるかも把握できていない。それと仮にそれが事実であると確定できたとしても、もしそうなら事は人類全体の問題、つまり国連規模の問題である。
当然国際協調行動も含まれ、もし仮にその人工物体が敵対行動を起こした場合、集団的自衛権の問題も出てくるわけであり、しかもそれが、かつて米国の独立記念日を題材にしたSF映画のようにでもなれば、領土問題でもめている、日本的に「仮想敵国」と考えられている連中との連携も考えなければならなくなる。
パっと考えただけでもこれだけの問題が噴出してくるわけだが、それ以前の話もあって、国はかつて第162回 国会参議院 総務委員会にて、「UFOが仮に飛来した場合、政府はどう対応するのか」という答弁において、「そのような事態は把握していない。従って対応策も用意していない」と堂々と答えてしまっているので、実際問題としてマニュアルがないわけである。
まぁこれは政府に非があるとはいえない。こんな日がくるとは、どこの国においても今日やってくる、いや、これから何百年先においてもやって来るなんて誰しも思っていなかったのである。
これは日本に限らず、どこの国でも似たようなものだった。
「想定外」という言葉はこういう時に使う言葉である。
「おいアンタ、一体どうしたんだ?」
まるでナチスの幹部か、ソ連共産党のイヤらしい幹部のような長方形の銀縁眼鏡に7・3分けをキメた男が、急にドタバタし始めた所内に気がつき、会議室のドアを開けて、慌てふためいて走り去ろうとするスタッフの一人を呼び止めて訪ねた。
その男、白木である。
白木は一週間後にインドより筑波を見学に来日する科学技術省大臣のスケジュール打ち合わせのため、ここ筑波宇宙センターにやって来ていた。
「あ、あーー……す、すみません、急いでるんで他の人に聞いてください!」
白木に呼び止められたスタッフは、そう言うと走り去ってしまった。
「なんだぁ?」
「白木さん、何事ですかね?」
文科省スタッフの一人が白木に聞く。
白木はその語学力を買われ、文科省スタッフの通訳兼、外交交渉スタッフとして外務省から派遣されていた……というのは表向きで、実はインド科学省の動向を諜報活動するために派遣されていた。
インドは核保有国である。無論弾道ミサイルも保有している。そんなミサイル保有国が筑波の管制センターを見学に来るとなれば、当然そっち方面の何がしを疑って当然なわけである。
インドは親日友好国ではあるが、それはそれ、これはこれ。それが政治というものだ。
宇宙技術を平和目的のために見学したいという核弾道弾保有国の能書きをそのまま鵜呑みにするわけにはいかないのが政治というものである。おまけに隣国で仮想宿敵パキスタンも核保有国となればなおさらである。
白木は、アジア大洋州局のヒラ役人を装って、インドの動向を探っていた。
白木は所内の騒々しさに疑問を感じながら、廊下の左右を見渡して観察する。
するとスマートフォンの音がなる。その音は、何やらインド舞踊でも踊りだしたくなる音で、思わず首を左右に振ってしまった。インド科学省スタッフのスマートフォンの音だった。
インド人スタッフは電話に出ると、何やらヒンディー語で話し始めた。打ち合わせといっても外交交渉の場である。インド人は国民全員ほぼ英語をしゃべれるといっても良いがヒンディー語も公用語として使用されている。しかしヒンディー語がわかる日本人などそうそういない。それも文科省の役人や、外務省のヒラ役人ならなおさらだ。即ち、向こうもそれをわかっているので堂々とヒンディー語で喋っていた。重要な話をしてもわかりっこないだろうとタカをくくっているのだ。
しかし、ヒラ外務省役人とは仮の姿、国際情報官であり、記憶の神業を持つ白木にとって、ヒンディー語などとっくに体得済である。
ヒンディー語辞書を片手に、インド映画を字幕で5回観た。
しかしこれが白木的にかなりの苦行だった。
あのインド映画の、インドポップスでなんでもかんでも踊りまくり、主人公が決まってヒゲダルマ。SFXを多用したアンドロイドが主人公の映画まで、ヒゲダルマとアンドロイドと研究員があのテンポのインドポップスで全員踊りまくるという何とも理解しがたい演出(白木基準)の映画をぶっ通しで5回も観た後の白木は、廃人と化しかけていた。
白木は記憶力100パーセントを誇る男なので、しばらくの間そのことを思い出すとPTSDに陥る感覚に襲われた。そこまでして体得したヒンディー語であるから、インド人の電話の会話ごとき理解するのは容易いことである……しかしヒゲダルマのフラッシュバックが起こる可能性があるが……
そのインド人は、最初は温和な表情で会話を始めた
「はい……えぇその点は問題ありません。え?いや、言ってる意味がよくわからないんですが……」
インド人スタッフの顔が急に怪訝に満ちた表情になる
「え?まさか…………はい…はい…そんな!……そんなことがありえるんですか!」
急に語気が強くなる
「信じられません……中国もですか?……えぇ、筑波でも相当混乱しているようです。はい、その通りです。様子を見ればわかります、多分その事でしょう…えぇ、わかりましたすぐに戻ります」
白木は、この会話を聞き逃さなかった。そしてインド人は電話を切った。
「ミスター白木」
すぐさまインド人は英語で白木に話しかけてきた。
「申し訳ありません。大臣が急病ですぐに大使館に戻らなければならなくなりました」
「え!?それは大変ですな!(なーにが急病だこのカレー野郎が)」
白木は心の中で嫌味を言いつつ、あからさまに演技で驚いてみせる。
「はい、まことに急な話で申し訳ありません……」
インド人スタッフは汗を拭きつつ恐縮そうに話す。
「ではすぐに車を用意させましょう…おい君、すぐに車を。私が乗ってきた奴を使ってかまわん」
「わかりました」
白木の部下が白木に目線で一礼し、駆け足で外に出て行く。
それに続いてインド人スタッフが一礼して追いかけるように出て行く。
もう一人の白木の部下が続いて出て行こうとしたとき、白木はその部下の襟元をぐいとつかんで引き戻し、耳元で囁く。
「車の中でも、ヒゲカレーをよくモニターしとけよ」
「御意」
部下の背中を叩いて「行け」と促す。
なんか変な調査官である。「御意」である。どうも第一国際情報官室は白木の変人気質が伝染しているようで、情報官全員何か組織を間違っているかのような身のこなしである。それ故に他の外務省内組織と違い、第一国際情報官室のスタッフは生き生きしていた……良いか悪いかは別にして……
白木はインド人スタッフが廊下の向こうに消えるまで、後ろで手を組み鼻の下を伸ばして見送った。
そして会議室に戻り、会議室の窓からインド人が車に乗って出発するのを確認すると、脱兎して筑波管制センターの管制ルームに向かって走り出した。
今までの状況を頭の中で整理して分析するに、そこへ行けば何かわかると直感的に判断したからだ。しかも国際的に相当重要な事案と見た。
宇宙がらみ?ここの状況と照らせばISS関係か?中国?なぜ中国が……まさか中国のヘボ宇宙船と衝突したか?いや、攻撃?まさかそれはないだろう。
そんなことを思案しながら走った。
すると知った女性の顔を見つけ、呼び止めた。
「あ、滝本ちゃん!!」
「え?白木さん!?」
「ハァ、ハァ……知り合いに会えてよかった……」
その顔は、ISS「きぼう」フライトオペレーターの滝本綾子だった。
かつてISS運用関連の仕事で宇宙航空研究開発機構よりロシア語会話の特別講師として呼ばれた時に知り合った女性である。
とにかく白木は語学関係では、どこの省庁・団体からも引っ張りだこで、その関係で顔が広い。
今現在でも優に12ヶ国語はネイティブ並みに会話でき、随時インストール可能な翻訳サイトだ。
「なんで白木さんがこんなところに?」
「ハァ、ハァ、ほら、例のインドの……」
「あぁ、科学省大臣さん見学の…」
「そそ……あーーそんなことより、何?この騒々しさ、何かあったの?」
「あ……うーんと……」
さっき呼び止めたスタッフと同じ反応を見せる。が……
「あーもう、口で説明するより見てもらった方が早いわ!こっち来て!」
「え?え?……あ、おいおい」
滝本は白木の手をグイと引っ張り管制センターに引っ張って行く。
そして管制センターに入室するや否や、滝本は白木をモニターの前に立たせた。
「あれを見て」と大型モニターを指差す。
「え?……何?これ……特撮か何かか?」
「そんなわけないじゃない……現実の映像よ……」
白木は大型モニターに近づこうと、前に出る。
他のスタッフは、滝本の知り合いとはいえ、白木が部外者だとかそんなことはもうどうでもいい状況になっていた。
「は……ハァ?」
こんな白木らしくない言葉を吐きながら、滝本の顔を見る白木。
「あんまりこんな表現、使いたくないんだけど……宇宙人の宇宙船よ…………確定事項、NASAも認定済み……ちなみにJAXAはドッキリやる趣味、ないから」
白木の神がかったサヴァン脳の記憶の海にない光景。無論、意識しまくってこの映像を見る。
白木の脳は今、この映像の光景の細部までインストール中になっている。
「……………………」
白木はまったく言葉が出なくなった。
白木がしばしフリーズ状態になっている時、JAXAスタッフの一人が、滝本に小声で尋ねる。
「滝本さん、あの方は?」
「あれが有名な外務省の白木さんよ」
「あ、あの方が……」
腕を組んで「ほー」と頷く。
「なんか見せてまずい書類があるなら、片付けておきなさいよ、あの人、スキャナーみたいに見たもの全部記憶しちゃうから。書類の文章から、どんなフォント使ってたか、書類の上に落ちてたお菓子のカスの数までね」
スタッフは、「げっ」という顔をしながら、いそいそと書類を整理しに戻る。何か見られたらマズいものがあったらしい。
白木はしばしのフリーズ後、のそのそとスーツの胸ポケットをまさぐり、スマートフォンを取り出して、電話をかけだした。
「……あぁ、白木です。室長ですか?……えぇ、今さっきまでインド人とミーティングでしたのでマナーモードにしてまして、申し訳ありません……えぇ、もう大変ですよ、大混乱ですね……」
白木はスマートフォンで話しながら管制ルームの端を通って、部屋を出て行く。
滝本はその後を追ってついていった。白木は気にしない様子である。
「……はい、滝本さんに会えまして、全部見せてもらいました。正直何といったらいいか……チッ、そうなんですか……えぇ、わかりました、頼んでみますよ……はい、入手したらすぐに戻ります。では」
白木はプっと電話を切ると、後ろで聞いていた滝本に「あの滝本さ……」と言おうとした瞬間、
「はい、これがいるんでしょ」
と、ドカっと、ずっしり重いペーパーバックを手渡された。
白木は、ニッと笑いながら軽く会釈をする。
「さっき文科省の人達にも渡そうとしたら、『これはいる、これは総務省、これは経産省、これは防衛省の人が来たら渡してくれ』とか選り好みして持っていくから首相官邸には、まだまとまったデータとか行ってないと思う。
ここに今さっきまでの田辺さんが送ってきた動画や音声データ、レポートが入ってるから」
滝本は他にDVDディスクや、SDカード類が入ったケースも白木に渡した。
「帝国電力みたいに『JAXAがデータを隠蔽した』とかいわれたらたまったものじゃないから、全部持っていって」
「サンキュな」
滝本はニッコリ笑いながらうなずいて返す、しかし目の奥は笑っていない。
この期に及んで省庁の縦割りにこだわる文科省もそうだが、こういった事態に、一体どの組織を頼りにすればいいかわからないため、動きようがないもどかしさが彼女の目を笑わせなかった。これが独立行政法人の悲しさである。お国がバックについてるとはいえ、所詮は「法人」であるから、基本そこらへんの会社や企業と政治的な扱いは大差ないのだ。
おまけにお役所は『前例がない事態』に決定的に弱い。今回の事態に至っては、前例がない以前に『理解不能な事態』であるから、もう言わずもがなである。
そして、日本最高の宇宙機関が、コストと銭勘定をしなければならない「法人」であるからなんとも悲しい話だ。もしJAXAが無くなってしまったら、この日本には本格的に宇宙を研究する組織は……ない。
白木は滝本から託された荷物を持って、小走りに駐車場へ向かう。
そして色々思案していると、白木の脳のニューロンは、柏木と呑んだ時に出てきた話題『板状小惑星』の話と繋がる。そして「あれか?もしかしてあれがそうだったのか?」などと歩きながら考え込む。
(チッ、そうだとしたら、女子会してた連中の言うこと……大当たりじゃねーか)
などと愚痴を頭の中でこぼしつつ、駐車場に向かう。
そして駐車場に着いた。
ハタと気づく。
(あ、俺の車、インド人に貸してやったんだった……)
小走りに来た道を返してセンターへ向かう自分がちょっと情けない。
神の頭脳を持ち、人間ハードディスク・人間スキャナー・最近はちょっとランクアップし、人間SSDとまで言われる男が、インド人に貸した車のことは忘れてしまうのである。
玄関で白木の出立を見送ろうとしていた滝本が怪訝そうな顔で、回れ右で戻ってくる白木を見ていた。
そして白木が一言。
「滝本ちゃん……車貸してくんない?……」
……………………………………………………………………
ISSは、地上から約270Km~400Kmの高度を秒速約7.7Kmの速度で地球を周回している。その間、比較的多方向からの観察ができたために、その物体の形状や大きさ、表面構造などがわかってきた。
なお、正体不明大型物体は、正六角形状とわかり、ISSとケネディ宇宙センター共通のコードネームとして「ギガヘキサ(巨大な六角形)」と呼ばれることになった。
ギガヘキサの面積は、対角線長・約10キロメートル 高さが約200から300メートルの物体2層構造物から成っていると思われ、それらが独立して回転するのではないかと推測された。
表面構造は、望遠鏡で見る限り、きれいな鏡面構造でありながら、何やら細いスリットのようなものが縦横無尽に配線のように張り巡らされており、そのスリットに沿って、光のようなものがキラキラと閃光のように走る事が確認できた。そして、照明か、窓か?そのような光る物も確認できている。
そして何か塗装かマーキングのようなものもあるようだが、小さすぎて詳細は何か確認できない。
推進機関は何かを探してみたが、それらしき物は確認できなかった。少なくとも人類が使用する噴射式エンジンのようなものは使用していないようだ。
しかし、とにかくデカい。
ギガヘキサは、太平洋上の衛星軌道に地上から見て垂直にぴったりと静止しており、ゆっくりと下層構造物を回転させていた。
ISSが地球を周回し、地球の稜線からギガヘキサの姿を確認するたびに、ISS乗組員は、コレは夢ではないということを実感する。
ギガヘキサは、あれから特に何をするわけでもなく、静止したまま。あの衝撃の事態から、かれこれ数時間経つが、もう何日も経っているかのように思われた。
おそらく地上でもそろそろ各国国民に知らされている頃だろう、リックの話では、マスコミがISSと話をさせろと殺到してるらしいが、安全保障上の制限措置として、すべてシャットアウトしてるらしい。
マスコミの行動もわからんでもない。なんせ今、眼前でそれを確認できているのは、ISSのクルーだけなのだ。
中国が次に予定した有人ロケットの発射予定を急遽繰り上げて、直にこの事態を確認する行動に出ようとしたらしいが、ものの見事に失敗し、宇宙飛行士が空で爆散したらしい。
中国はもちろんその事件へ完全に報道規制をかけたつもりだったようだが、インターネット時代なこの時代にそんな事は不可能で、その事件の様子は動画投稿サイトに投稿されバレバレになってしまったそうだ。
「何がしたかったんだろうな、中国の奴ら」
ブライアンは、コウベ・ビーフのスキヤキを食べながら、話す。
お客さんが当面は何もしてこなさそうなので、とりあえず食事を済ませてしまうことにした。
いろんなゴタゴタから解放され、不気味な静寂ではありながらも、とりあえず一息つけるのはありがたかった。その舌がコウベ・ビーフの味で満たされているのでなおさらである。
まぁ、実際こちらから何かできるわけでもないので、今は監視とデータ取りしかやることがないのが現実なのだ。
「アレじゃないか?奴ら節操ないから、あのボロ宇宙船でお客さんの至近距離まで接近して、ニーハオって手でも振るつもりだったんじゃないのか?」
ジョンの考えなしのジョークに乾いた笑いが起こる。笑えただけでもマシだ。中国なら本当にやりかねない。それが笑いの根拠だからだ。
「まぁジョンのアホな冗談はともかく、この状況が長く続くとは思えない。最悪脱出も考えなければならないな」
ダリルがスキヤキを食べ終え、オシルコに舌鼓を打つ。
「私はできればココ(ISS)にもっといたいわね……こんな体験めったにできないもの」
「あぁ、こんな状況で言うのもなんだが、宇宙飛行士冥利につきる」
タチアナとアンドレイが言う。二人は食後のコーヒーである。
「もし、ここが攻撃されてもか?」
と聞くダリル。そこに田辺が割って入る。
「もし攻撃するならとっくにしてるでしょう、連中から見れば、こんなISSなんか竹細工のオモチャみたいなもんでしょうから」
「まぁ確かにな、俺も実はマモルの意見に賛成だ。連中が敵対的なヤツらなら、こんなカトンボみたいに地球をぐるぐる周回してるうっとおしい宇宙ステーションなんざ、ビームか何かでまずお掃除だろう」
そんな会話をしながら食事会は終了。クルーは持ち場に戻り作業を始める……とはいっても、当面やることといえば、撮影データとレポートデータを地上に送信し続けることだけである。
地上管制センターは、本音を言えば、すぐにでも乗員の脱出命令を出したいところであった。それをリックは再三ホワイトハウスに打診したが、今、ギガヘキサを眼前で監視できるのは彼らだけである。事が起こるギリギリまで待機させるように命令が来たのだ。ロシアやカナダも同様だった。実は日本からも同じように要請が来た。日本の場合は、「命令」ではなく「要請」である。つまり「お願いできませんか」であって、「やれ」ではない。しかし日本独特の言い回しで、要はお断りできない「お願い」なのだ。
その「命令」という言葉は、時に「方針」であり「勧告」という言葉であったりする。
「命令」には「責任」が伴うわけで、責任を取りたくない人達が、責任のない言い回しでこういう言い方をする。仮に「おまえが言ったせいだ!責任とれ」となれば、「ぼくは『方針』を言っただけで命令なんてしてないよーん」「『要請』しただけですから、決めたのはあの人の勝手ですから、えぇ」と言い逃れをする言葉なのである。従って日本のその手の輩が「命令」という言葉を使うときは、絶対的な責任がない状況で一方的に指示を出せる場合か、もしくは全責任を負う状況が完璧にできている場合に限られる……確かにそう言われると、今の日本では、この状況に対して責任をとれるところはない。
その「要請」が来たとき、ダリルは、「マモル、お前は帰れ。帰れるなら帰ったほうがいい。それで今起きてることを伝えてくれ」と言われた。しかし田辺は日本の政治家や官僚独特のその言い回しを解説すると、みんなに大笑いされ、ジョンには「俺は多分日本語を習得するのに100年かかる」とからかわれてしまった。しかしどっちにしろ田辺は帰るつもりなどさらさらなかった。彼はここにいるクルーが大好きなのだ。
タチアナが、船外モニターでギガヘキサの監視を行っていた。タチアナはカメラを最大望遠で拡大し、ギガヘキサを観察する。そしてその手元では、紙にペンでギガヘキサのスケッチをしていた。
確かに、よくよく見るときれいな宇宙船である。キラキラと閃光が船体のあちこちで走るその様に、タチアナは当初の驚きから、美しさすら感じるようになっていた。
よくSF映画にあるような、わけのわからないギトギトした構造物がない。プラモデルの部品丸出しのような、「遠い昔、遥か彼方の銀河系」に登場する三角形の宇宙戦艦のようなわざとらしさがない。
どちらかといえばその船体は、「宇宙、そこは最後のフロンティア」な24世紀のストレートな美しさがあった。
そんなことを考えつつ、モニターをさらに拡大させたとき、タチアナは、ハっとした。
「キャプテン!キャプテン!」
悲鳴にも似たタチアナの金切り声がステーションに響く。
「どうした!」
ダリル以外のクルーも何事かとタチアナの持ち場にスっとんできた。
「これを見て!」
タチアナは、拡大したモニターの一部を指差す。
そこには、ギガヘキサから、何かが大量に射出されている光景が映されていた。
よく見ると、まるでギガヘキサの子供のような六角形状の物体が、ギガヘキサの上面からはがれるように射出されている。
「オイオイオイオイ、まてまてまてまて、こいつはやばいんじゃないのかぁ!?」
ジョンが黒人らしい言い回しで叫ぶ。
「ターシャ!お前は、この映像を地上へ即時転送だ!俺とマモルは地上へ報告!他は、あの妙な物体を監視して、その行動を逐一ステーション内に流せ、わかったな!そら急げ!MOVE!MOVE!MOVE!MOVE!」
しかし、その小型物体の動きは異常に早かった。
みるみるうちに地球軌道上に拡散し、地球を包囲するかのように配置され、大気圏に突入していく。
中には、突入せずに、地球の衛星軌道上で周回する人工衛星に相対停止し、何やらレーザにも似た光を浴びせていた。
「攻撃か?」とも思ったが、特に爆発もせず、何事もなかった。
しかし、その中の一つが今度はISSに急接近するのが確認できた。まるでその動きは宇宙空間のものではない。そう、かつてSFで表現された「UFO」そのものである。
重力や慣性などまるで無視したその動きは、眼で追うのも必死であった。
そしてみるみるうちにISSにその一つが再接近した。
それを監視していたアンドレイが悲鳴をあげる
「うわぁぁぁぁ!」
「アンドレイ!」
ブライアンが駆けつけた。が、その光景を見てギョっとした。
その物体から、扇状のレーザーのような物がアンドレイに浴びせかけられていた。
しかもその光線は、ステーションの壁を透過して浴びせられている。
そんな奇怪な光景に、ブライアンは生唾を飲み込んだ。
「来るなブライアン!」
アンドレイが丸まってじっとしながらその光を浴びていた。しかしその照射はすぐに終わり、次の標的にブライアンを選ぶ。
「うわ、うわぁっ!」
その照射を後ずさりして避けるブライアン。しかし彼もその照射を結局浴びてしまった……が、やはりそれは一瞬で、すぐに次のクルーに標的を定めて同じように照射しつづけていた。
そして最後に田辺のいる「きぼう」に物体は標的を定める。
そして田辺に光線を照射した。
「くっ!……クソっ!」
田辺を支援しに他の全員が、きぼうに飛び込んできた。
田辺はその照射を浴び続けている。
「キャプテン!」
田辺が叫ぶ。
「マモル!落ち着け!下手に動くな!」
どういうわけか、田辺に対してのみ、その光線は、まるで目標を見つけたかのように念入りに照射し続けていた。
そして永遠とも思える15分が過ぎた頃、物体は照射を停止し、ミツバチが次の花へ飛び移っていくように何処かへ飛び去っていった。
「マモル!大丈夫か!」
ダリル達クルーが顔面蒼白で田辺に飛びついてきた。
「どこか痛いところはない?気分は悪くない?火傷なんてしてない?」
タチアナが半泣きで田辺の体をまさぐり倒す。
……どうもタチアナは田辺に気があるようだ。その必死さは尋常ではない。
田辺は、前々から薄々感づいてはいたが、この行動で確信してしまった。
「タ…ターシャ、大丈夫だよ、大丈夫、なんともない、なんともない」
とタチアナの肩をポンポンと叩く。
田辺が無事なのがわかると、「アァァァァ!」と泣き出して田辺に抱きついてしまった。で、バレた。 他のクルー達は、半笑いしながら、両手を横に上げ、とりあえず安堵する。
無論、みんな「何故マモルだけあんなに執拗に光線を照射されていたんだ?」という疑問を当然のように抱くが、今はそれどころではない。とりあえず無事で充分である。
アンドレイは、そんな「不幸中の幸い」な光景を安堵の表情で確認したあと、チラと横目できぼうの船外モニターを見た。そして目線を戻そうとし…「えっ?」とばかりにすぐさま向き直り、モニターにかぶりついた。
「キ、キャプテン、ギガヘキサが!!」
そこには、ギガヘキサが今まで地球に対して垂直だった船体を、グイと起こし、地球にその底をさらして、水平になるような体勢をとろうとしていた。
その巨体に似合わず、その挙動は意外に早い。
見る見るうちにその正六角形状の全景をまざまざと地球に見せ付けた。
そして、地球にへばりつこうかとするかのごとく、その進行方向を地球に向け加速していた。
「ま、まさか地球に降下する気か!?」
そのスピードは速く、見る見るうちに大気圏へ接触しようとしていた……が、不思議なことに大気圏突入時の空力加熱現象が発生していない。
あれだけの物体が大気圏に突入したら、普通に考えると尋常ではない空力圧縮が起こり、想像だにしないほどの加熱現象が起きるはずだ。
よく見ると、ギガヘキサは、六角形状の船体の各頂点を結ぶように光の輪のようなものを形成させ、上下構造物をゆっくりと二重反転させながら降下していく
……まるで地球に吸い込まれる何かの原石のように……
その様に、今さっき体験した恐怖を忘れ、クルー達は見とれてしまっていた。
タチアナの泣き腫れた顔も先程まで。今はそのギガヘキサの姿に見とれていた。
そう、彼らはただその船を見続けることしかできなかった……
主要登場人物:
田辺 守
JAXA-宇宙航空研究開発機構 宇宙飛行士。ISSクルー
ダリル・コナー
NASA-アメリカ航空宇宙局宇宙飛行士。ISSキャプテン(コマンダー)白人
ジョン・ハガー
NASA-アメリカ航空宇宙局宇宙飛行士。ISSクルー 黒人
タチアナ・キセリョワ
ロシア連邦宇宙局 宇宙飛行士 ISSクルー 愛称はターシャ
(ちなみに、ロシア女性によく使うターシャとか、サーシャというのは花ちゃん・あっちゃんと言うのと同じで、愛称で名前ではありませんこれのおかげで、名作「戦争と平和」の言語版を読むと、登場人物が3倍にふくれあがるように見えますw)
アンドレイ・プーシキン
ロシア連邦宇宙局 宇宙飛行士 ISSクルー
ブライアン・ウィブリー
カナダ宇宙庁 宇宙飛行士 ISSクルー
リック・パーソン
NASA-アメリカ航空宇宙局 ケネディ宇宙センター・センター長
滝本 綾子
JAXA-宇宙航空研究開発機構 ISS「きぼう」フライトオペレータ ー 白木とは白木がロシア語会話研修の講師としてJAXAに出張してい た際に知り合う。
白木 崇雄
日本国外務省 国際情報統括官組織 第一国際情報官室所属の情報官
いわゆる外務省所属の諜報員