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銀河連合日本  作者: 柗本保羽
銀河連合日本・ショートストーリー(たま~に更新)
117/119

その7:出張TNE 正月銀連特撮まんがまつゲホゲホPART2……特sa……特殊ロボット開発計画の巻

皆様、二〇二一年、令和三年、新年あけましておめでとうございます。

本年も、銀河連合日本と、銀河連合日本TNE、そして書籍版ともども昨年と変わらぬご愛好を賜りますよう、お願い申し上げます。


それでは本年も早速、全然ショートストーリーでない本作をお楽しみください(笑)


 ティエルクマスカ銀河連合加盟より一〇年後の世界。要するに月丘和輝さん世代のTNEな頃。

 そんな時代のとある日。


 あいも変わらず、防衛省防衛庁内でもその存在感が衰えぬ『ヤル研』。衰えぬどころか益々増ちょ……


 正式名称『防衛省防衛装備庁 ヤルバーン・ティエルクマスカ技術・装備応用研究所』というヤツだが、もう連合加盟してからコッチ、日本のこういった研究開発部署などでもティ連技術研究は日進月歩であり、現在ではさほど特別なモノではもう無くなっていた。

 だが、それでもヤル研がまだまだ特別視されるのは、所謂ティ連の連合国家規模で常に優先される研究課題である『発達過程文明』の研究であって、ソッチ方面でヤル研のヲタク精sh……ティ連人にはない奇想天外な発想や、個性あるマッd……個性ある意外な研究成果などは常にティ連人の羨望であり、この研究所が存在できる一つしかないネt……この研究所の存在を際立たせる日本国最先端発想の最先鋒だからであったりする。


 さて、そんなヤル研研究者連中だが、本日も定期大会議と称して、東京都ヤルバーン区のリトルヤルマルティア区画にあるトンカツの名店、智ちゃんところの親父さんの店、『瀬戸かつ』さんにて、定期会合中だった……カツカレー丼食いながら。

 昨今はヤル研にもティ連人系研究者がバンバン入所してきており、そのメンツは星間国際色豊かになってきている。

 日本人系研究者は、あいも変わらずワケのわからんものを……ではなく、常人には理解の適わない高度な研究をしているのだが、ティ連系技術者の方々は、かの欧米に技術的イノベーションをもたらすきっかけとなった『リニアクローラーシステム』のような、現行の地球の科学技術またはその延長でも可能な、発達過程文明の科学体系による新規技術の研究に余念がないのである。

 で、そのティ連人さんの研究した地球技術にプラスアルファの要素を加味した成果諸々は、新規イノベーションとして地球世界の企業にその研究成果を供与したり、先のリニア某のように、海外へ相応の価格で販売されたりしている。


 この技術バランスが意外にも功を奏して、現在の国際連邦加盟国の技術は着実に発展していっており、米国のサマルカ技術のライセンスや、日本のティ連技術のブラックボックス式貸与などを通じて昨今は『日本以外の』全世界規模でティ連技術の理解普及度にもそんなに格差はなくなりつつあった。

 まあただ、それでもあいもかわらずその技術レベルとしては、先の通り日本国は他の地球国家と比較しても群を抜いて圧倒的であり、そこは今や日本もティ連国家の一員であるからして、国家戦略というものを持ち合わせてやっているという次第である。ま、そこはそんなものであろう。


 少々話が脱線したが、軌道をもとに戻して……


 時は『グロウム帝国奪還作戦』の最中、特危自衛隊にティ連軍は以前から、あるヂラール生体兵器の存在を憂慮していた。

 それは、ヂラールを代表する今や有名な生体戦闘攻撃兵器の一つ、かの『リバイタ型』である。

 ちなみにこの『リバイタ』という言葉。元々はダストール語で、蛇のような生き物の事を指す。

 ただこの生物、その通りヘビのような物もいるのだが、種によっては後ろ足が完全に退化し、手のような前足だけが付いているようなものもいて、鎌首あげたら、まさに特危のこのリバイタ型の別のコードネームである『メデューサ型』になるような、そんな生き物なのである。

 で、これの何を警戒しているかといえば、その大きさである。鎌首もちあげて、直立するような状態になれば、なんと『全高』四〇メートルもの大きさになる。

 そして閉所を這いずり回るような背を低くしたような状態だと、今度は『全長』が四〇メートル『以上』となる。とにかくデカい代物なので、厄介な敵なのであった。


「まあ古今東西、デカくてタフな敵ほどやっかいなものはありませんな。フィクションの世界では怪獣然り、リアルな世界では戦艦然り、原子力空母然り、戦略爆撃機然り。戦争の歴史というものは極端に言うと、このデカブツ兵器をいかに自国領へ侵入させないかの戦いだったのだと思います……」


 ヤル研部長の沢渡耕平が、少し酒の入った勢いでそんな話をする。でも普通に兵器の歴史を知っている人であれば当然反論も出てくるわけで、カレー丼食いながら話す技術者の一人は、


「いや部長、それは暴論でしょう。兵器がでかいからといって、一概に厄介とはいえないのでは? 例えば戦車の歴史を見てもそうですが、ドイツのE計画のような戦車は結局実現しなかったですし、大和にしても航空機に一方的にやられて、時代は航空兵力とミサイル時代。戦略爆撃機も今やICBMや無人機の登場で、規模は縮小の一方です」

 

 確かにこの弁はよく普通にいわれているところである。だが沢渡が反論するに、


「一概にそう言えるかな?」

「といいますと?」

「大和にしても、確かに空母と搭載する航空機で一方的にやられはしたが、あのなっかなか沈まない耐弾性能は米軍にとっても驚異だったろ?」

「まあそれは……」

「空母は君が言ったとおりでもう言わずもがなの、巨大兵器の数少ない成功例だが、戦車にしたってソ連の後期IS重戦車や、米国の正式化された『戦う化け物』なM103重戦車のような例もある。あれもマウスほどではないにしろ、相当でかいぞ?」

「ですが、ISやM103のような近代戦車的な大きさは後の標準であって、マウスや、日本のオイ式戦車みたいなのは、もう荒唐無稽としか」

「ふむ、まあいいよ。そこは置いておこう。で、戦略爆撃機だが、あれが無意味だというのなら、なぜに未だにB52や、ブラックジャックが現役なんだい?」


 そう言われると、と皆は思うが、そこでとある技術者が反論しようとすると沢渡は両手で制し、


「まあまあ、みんなが言いたいことはわかってるよ。んじゃこう考えたらどうなるかな? 君、ティ連の技術で、あのドイツのお笑い巨大戦車、『ラーテ』の希望スペック通りのものは作れるかな?」


 とこう質問すると、その技術者は、『あ……』と思い、彼が何を言いたいか理解したようだ。


「うん、つまり結局は時の状況によって『できるかできないか』だけの話なんだよ。例えばヂラールのリバイタ型は実際に『できる』形でそこにある。あの生体兵器は『生体』という手段でそれを成し遂げた。実際、銃のような武器がなければ、地球世界でも大人の『象』に勝てる動物なんてそうそういないだろう? それと同じだよ……実際に『ヂラール』のリバイタ型は、我々の常識を覆して『巨大で強力な攻防併せ持つ存在としてそこにいる』ということだし、コレに対し、個々で効果的に対抗する我が方の手段はというと、現状ではサーミッサ級のような人型艦艇を直接ぶつけるか、機動艦艇からの艦砲射撃か、機動兵器の飽和集中攻撃しか手がないからね。まあどっちにしろあんなのが物量でこられたらたまったものじゃない。倒すのにもいちいち手間がかかる」


 戦艦大和にしても最初は荒唐無稽といわれながらも結局は完成して、強力な耐久力を見せつけた。

 その戦艦大和にティ連技術が組み合わさったら? という仮定と妄想は、後の米軍が復活させた『アイオワ級戦艦』で現実のものとなる予定である。


「特にあんな巨大で不気味な生体兵器が敵となると、同等以上の大きさの火力とパワーを持った兵器でヤリ合うのが一番の対抗策だろう。だがそんな事早々できるはずがないのも確かだ」


 するとティ連系のダストール人技術者が、沢渡の意見を肯定し、


『ヂラールノ場合ハ、アレガ生体兵器ダト言ウ点ガ最モ厄介ダ。我々ト比ベテ兵器ノ生産効率ニ差ガアリスギル』


 つまり卵一個から孵化さえして、あとは栄養さえやっとけば、自動的にあの大きさの兵器が一体出来上がるわけである。そこが厄介だと彼は仰る。

 イゼイラ人技術者も、


『ええ、確かに彼の言うとおりでス。現在、旭龍や旭光Ⅱにヴァズラーといった、無人機も含めた物量で対抗していますが、敵がこちらの兵力と同じ数をあの大きさで揃える事ができるという可能性がある以上、現状の機動兵力の見直しは考えないといけませン』


 と話す。その言葉に沢渡もウンウンと頷いて、


「ね、やっぱティ連人のみなさんはそう言うと思ってましたよ。どうだい君ぃ」


 と沢渡は先の日本人技術者に軽く指差してドヤ顔をする。


「でも部長、もしそうならサーミッサ級のような人型艦の量産で対抗できるのでは?」

「まあそうだけど、あれを敵の数に合わせた数で建艦するの? できる?」

「そう言われるとアレですけどぉ……で、部長は何か考えでもあるんですか?」

「まあ無いこともない」

「もったいぶらずに教えて下さいよ」

「はは、そうだな。んじゃ……」と沢渡はビール飲んでる部下に「アレだして」と、計画書のコピーを全員分配布する。

 勿論そのコピーには防機のハンコがボンと押してあり、持ち帰り厳禁となっている、

 その書類には、どでかく明朝体のお役所臭さ満点の文字で、


【特殊大型機動兵器開発計画概要】


 と書かれている。

 ヤル研で、まあ大体『特殊』という言葉がつくと、『変な』とか、『妙な』とか、場合によっては『イカれた』といった言葉で読み解いたほうが良いのは大体無言の言質一致というやつで、諸氏頭をボリボリ掻いたり、目を輝かせたり、しかめっ面したり、orzになってたりとそんな感じ。


「ぶちょ」

「なんじゃい」

「なんすか、この計画書は……」

「それしかないだろ」

「ですが、これならサーミッサ級の、もう一つ小型版を作っても」

「だぁから、その計画なんだよ。いっしょじゃんやってることは……一応アッチは名目上かどうか知らないけど、一応『軍艦』なんだろ?」

「ええまあ」

「ならサーミッサみたいなのを単純に小型化すればいいって話じゃないだろ。搭載武装の話もあるんだしさぁ。おまけにコッチの計画は大型は大型でも機動兵器級の大型なんだからな」

「機動兵器……機動兵器ねぇ……」

「なんだよ」

「いえいえ」


 さて、この『特殊大型機動兵器開発計画』とやら。

 先の通り、ヂラールの大型種に対抗するために出された計画案である(という名目の、「こりゃいいチャンス!」とか言って出されたどっかの研究員のゴリ押しアイディアではない。特に沢渡のゴリ押しではない。これは付け加えておく)

 この計画は、二つの競作する案があり、そのどちらかの案がコンペディションで競われ、最終的に結果を見て特危やティ連軍の用兵に合ったほうが採用される事になっている。

 ここでよく勘違いされるのは、こういうコンペディション、略してコンペというが、この場で競った結果の点数が多いほうが勝ち、というような話ではない。

 有名なのが、この世界の今から十数年前の米国での「YF-22 vs YF-23」のステルス戦闘機コンペでの戦いである。

 互いに欠点や長所があった機体で、稀に見る拮抗したコンペであったが、結局は空軍の要求に近かったのがYF-22であったためにこの機体が採用された。

 逆に言えば、空軍の要求が少し違っていたら、採用はYF-23であったかもしれない。そういう評価試験の場が、こういったコンペなのである。


 さて、今回のヤル研が評価試験する機体はどんなタイプかというと……

 『甲案』は、全高が四〇メートルから五〇メートルの機体で変形機構を有し、人型と、非人型に変化することにより、その戦術を変化させられる形態のもの。

 『乙案』は、これも全高が四〇メートルから五〇メートルで、機体の分離、合体機能を有し、複数の機動兵器が合体する事によって人型、ないしは非人型形態を成して戦術を変化させられる機動兵器であることが肝要とされている。

 ……と、これら概要が説明されると、みなして「おおお~……」とか言って結局このヲタ科学者共は……いや、優秀な時代の先を見つめる日本の頭脳集団である彼らは、大型ヂラール、まあいってみればぶっちゃけ大型の『怪獣』を相手にドツキ愛できるメカを作ることができるとなって、一気にその眼の奥底にドス黒い邪な……いやいや、惑星グロウムの明るい未来を思い描き、憎むべきヂラールを滅ぼすべく乾坤一擲の機動兵器開発に『おー』と気合い入れて挑むのであった……


    *    *


 そもそもティ連に四〇メートル前後クラスの機動兵器があるのか? といえば、あるにはあるのである。

 その機体とは、もう有名なサマルカ製『フォーラ・ベルクⅢ型』である。

 機体から仮想造成される兵装付き腕部に三本の長い脚部。それらが造成変形し終わると、全長が四〇メートル程の大きさの、現在ティ連で『機動兵器』としては一番大きな物となるのだが、この兵器は本来この形態で活動する想定として、地上戦力や建造物の、高所から一方的に放つ射撃兵器による効率的な破壊と制圧であって、本来機動格闘戦をするような機体ではないのである。リアッサがかつて米国でのゼルシミュレータ演習でA-10攻撃機をフォーラ・ベルクの蹴りで叩き落としたことがあったが、アレはリアッサの技量とA-10の速度が遅いからできた技であって、本来はああも格闘戦の性能を発揮することはない。なので、この大きさの本格的な機動兵器開発は、ティ連でも初の事であったのだ。


 ということで火星宙域のマーズ・アルケ。

 時代は進んで現在。惑星ゼスタール奪還作戦本格始動前ぐらいの時。

 昨今は事の状況下にあって、定期での防衛総省本部へ帰っていない柏木長官閣下。

 ここんところずっと火星詰めである。

 んでもって自室の長官室に籠もって、とある書類を眺めながら「あ~」とか「ん~」とか唸りながら後頭部をボリボリ掻いている。

 そこへピポピポとサインを鳴らして入室してくる女性フリュ。愛妻のフェルさん大臣であった。


「ああフェル」

『お忙しそうですネ、マサトサン。一息ついてお菓子でもどうぞ』

 温かいお茶とお菓子を持ってくるフェル。フェルは今日、休暇をとったのだそうだ。その理由は……

「で、国際合同修学旅行団の様子はどうなの?」

 

 ズズズと紅茶をすすりながらフェルに問う柏木。


『お子サン達はみんな眼を輝かせて基地を見学しているデスね。このアルケ基地の案内は、サマルカ人サンが買ってでてくれましたヨ』

 

 なんと、この基地には現在、世界の修学旅行目的の小学生連中が大挙してやってきているのである。

 柏木発案のアイディアで、世界中から希望する小学校を抽選で募り、大型定期旅客輸送艦で世界中の子供達がこういったティ連施設の見学にきているのであった。

 

「此度は姫迦と暁くんも来てるんだろ?」

『ウン。あの子達の学校もこちらに来てるみたいなのデ、あとでシエと一緒に姫チャンと暁くんに会いに行くでスよ』


 嬉しそうなフェル。たまたま姫迦達の学校も、この修学旅行ツアーに来ているそうである。とはいえ、姫迦達の学校はヤルバーン系の学校なので、この抽選制度からは外れていて、学校の当初通りの行事での来訪であった。


『マサトパパさんは姫チャンに会いに行かないでスか?』

「行きたいのはやまやまだけど、今のこの状況だろ? そういうのはなかなかな」

『ですねぇ……まあ仕方ないですから、あとでヒメチャンを連れてきてあげます』

「はは、そうしてくれたら嬉しいな」


 フェルはとりあえずここでの当初の政府の仕事は終わったので、この修学旅行のガキんちょドモと一緒に、一度一時的にだが日本へ帰るそうだ。まあそういうことなので、こんな事も出来るわけだが。


「で、各国のお子様達は、あのテスト、見学していくんだろ?」

『ウフフ、そうみたいですね。各国の先生方、内々に予定をお教えして差し上げたら、みんなマサトサンに感謝していましたよ。ってセンセイ方のほうが楽しんでたりして』

「はは、歳は関係なく、男の子も女の子も、ああいうのは好きだからな。丁度良かったよ」


 さて、一体何の話かというと、そう、あの大型機動兵器、甲乙案のテストが本日、火星に設定された演習場で行われる予定なのであった!

 って、『え? あれってグロウム戦役用に作ってたんじゃないの?』という話だが、残念というか、幸いというか、あの甲乙案で開発しようとしていた大型機動兵器は、結局グロウム戦役に試作品も間に合わなかったのである。

 ゼルシミュレーションデータは完成していたのだが、このデータをもとにハイクァーンで実物を造成してテストしようかという段階で、結局終戦になってしまい、その後のグロウム復興事業に予算が割かれてしまってこの計画は、お蔵入りにはならなかったものの、開発作業が『研究データ蓄積』に格下げされてしまって実物機体のパーツは完成していたのだが、組み立て作業が行われずに、倉庫入りになってしまっていたのであった。

 だが事は現在の、このゼスタール奪還作戦に使用するべき……つまり敵大型ヂラールに対抗するべくこの甲乙案を復活させて、本格的量産に向けてテストを再開したほうが良いという、日本国防衛省の提言を受けて、ハイクァーン造成された実機による試験を火星上で行うという事になっていたのであった。

 そんでもって、たまたまその日に居合わせた修学旅行のお子様たちにその様子を見せて差し上げようという話になっているのである。

 まあ、見せる分には別段『機密』というようなものでもないので、問題はない。どこかの航空ショーか、演習見学ぐらいに考えてもらえばいいといった次第であった。


 ということで……


    *    *


「でさぁ、かーちゃん。俺、本来は戦闘機のパイロットで、人型機動兵器のパイロットじゃないのよ?」

『ダガ、今回ノ機動兵器ハカナリ特殊ダ。ティ連デモコノヨウナこんせぷとノ機体ハ聞イタコトガナイ』

「まあなぁ。で、俺はこの機体がこんな形状だから、多分テストパイロットやってくれって言われてんだろうしなぁ」

『マア、ダーリンハソウダロウナ。デ、ナゼカ私ノ機体ノミ、人型トキテイル』


 ここは惑星火星上に設置された、多目的戦闘用の国際大演習場『マーズプレイヤー』と呼ばれる地区である。現在ゼスタール奪還作戦に参加する各国軍、特に特殊部隊は、ここで訓練を積み、今回の作戦に参加している。

 なんせこの演習場はデカイ。その面積はフランスの国家面積ほどに匹敵し、その要所要所にゼルシミュレータ装置が設置されている。

 重力が軽い火星ではあるが、このゼルシミュレータによって、地球はおろか、いろんな惑星環境が再現でき、現在世界最大の演習場として知られている場所なのである。

 現在ここにいる諸氏は、演習シミュレーターの稼働環境下にいるため、重力約一G下の宇宙服なしでの環境対応に設定されている。たいしたものだ……ちなみに火星のテラフォーミング化ではこのゼルシミュレータの技術も応用されているというわけである……

 この施設の管理は現在ティ連が行っており、国際連邦軍も申請すれば『国際連邦』として使用可能である。つまり逆に言えば、アメリカやロシア、中国といった単位での使用はできないのだ。

 ティ連規模で見ても、割と大型演習施設の類にはなる方らしく、意外と評価が高い。

 そりゃティ連には、最大で言えば惑星一個をまるまる演習場にしている星もあるのだが、そんなんは別格で、大体この規模の演習施設をどのティ連国家も軍が駐留する星には一つぐらい持っている。

 で、そんな演習施設に呼ばれたのは、『乙案テストパイロット』として……シエさん、多川さんの将補コンビに、尾崎、垂井、小川の多川の部下であった2佐トリオだ。


「おー、尾崎、垂井、小川、久しぶりだな」

『ウム、元気ソウデ何ヨリダ』

 

 懐かしい顔に顔もほころぶ二人。


「どもども多川さん、姐さん」と敬礼をピシとする三人。


「で、今回は一体なんなんです? いきなり火星くんだりまで招集かけられて」と尾崎。

「ええ、自分なんか、あの沢渡さんから直々に『手伝ってくれ』とかいわれて、次の日辞令ですよ」と垂井。

「自分も似たようなもんです。いいもの見せてやるからとか言われたんですが、ヤル研ですからねぇ」と小川。


 すると多川も、


「まあ、ヤル研絡みで、俺とかーちゃんが出てくれば、まあ相当な新型機のテストパイロットというのはわかるんだが……一応事前にシミュレータでやったあの機体がらみの話なんだろうがな」

『ソウダナ。今回少シ感ジガ違ウノハ……』


 と、シエが親指を上げて、後ろを指差すは……リアッサだった。


「リアッサ1佐ですか?」と垂井が言うと、「珍しいですね、こんな場に」と小川。


『アア、マァリアッサモ、てすとぱいろっとノ経験ガナイワケデハナイガ、陸上科ダカラナ。ソノ点デナニヲスルノカッテナ……』


 と、ちょっと不思議な取り合わせだと訝しがるシエ。

 そう、どうやらリアッサは、『甲案』のテストパイロットで呼ばれているのであった。

 向こうの方で、何やらヤル研のスタッフと話しているリアッサ。こっちに気づいて、手を振って挨拶。

 乙案の五人も手を振って応える。


「こっちは五人も、まあ言っちゃベテラン揃えて向こうはリアッサ1佐一人ですか……」と尾崎。

「何すんだろ」と小川に「さーなぁ」と垂井。


 とはいえ、


「で、お前らも例の今回乗る機体のシミュレーターは一応やってきたんだろ?」

「ええまぁ。シエ姐一人だけ人型の小型機動兵器で、我々は航空機型の機動兵器でしたね」と尾崎が言う。

「だな。資料も見たが、かーちゃん以外の俺達四人のは、どれも戦闘機、っつーよりは大型機だ」と多川が言うと、

「自分なんか、まるで全翼型の爆撃機ですよ、アレ。でもやたらと機動性がいいんですけどね」と垂井。

『デ、ソンナ強者五人ト、向コウハリアッサ一人カ……ククク、ナニカ面白イ事ニナリソウダガ、フフフ』


 そんなこんなでくっちゃべっていると、上空にイゼイラの二〇〇〇メートル級機動母艦が降下してきた。

 でもってシエに通信が入る。


『シエ将補、お久しぶりです、沢渡です』

『アア、サワタリ。久シイナ。オルカスハ元気カ?』

『ええ、妻もみなさんにまた会いたがっていましたよ』

『ソウカ、マ、積モル話ハマタ後ホドダナ。デ、ソノ艦ニ例ノ機体ヲ積ンデ来テイルノカ?』

『はい、ですのでみなさんを今から艦に転送します。詳しい事はそこで』

『了解シタ』


 沢渡は同様の説明をリアッサにもしたあと、全テストパイロットを一旦機動母艦に上げて、そこから機体を出撃させ、テストを行うという段取りになっているそうな。

 

『シエ、タガワ』

『オウ、リアッサ』「ああリアッサさん、どうも」


 機動母艦転送室に転送された諸氏。リアッサからみなに声をかける。リアッサは多川とシエからみれば一階級下の1佐だが、そこは友人関係である。


『ナンダカ今回モ、マタ、ヤル研連中ノ趣味ニツキアワサレテイルヨウナ仕事ミタイダナ』

『ムハハ、ヤル研ガ絡メバ大体ソンナ仕事ダロウ、ナ、ダーリン』

「まあなあ。かーちゃんと俺はもうずっとあの連中と付き合ってきたからなぁ」


 そう、よく考えれば多川は元はヤル研のテストパイロットであり、シエもそうだったりする。なので意外とこの方々も連中の行動パターンは案外理解していたりするのである。

 などと、毎度のことだと、今やもう自然に受け入れてしまっているこの人タチ。この一〇年で、ティ連人も『趣味の世界で溺れ生きる人達の俗称』の意味を理解したようである。実のところそんな感覚が希薄な彼女らにとって、発達過程文明の重要要素として、研究対象になっていたりする。


 すると、沢渡が程なくテストパイロット諸氏を迎えに来た。さっそく実機を見てもらうので、発進用格納庫に来てもらいたいと仰る。

    *    *

 ……ということでやってきた格納庫。

 此度はコンペ用試作機専用の格納庫ということで、特危の整備士にヤル研の職員がせわしなく行き交う中に、大型機一機に、中型~小型機五機の機動兵器が駐機されている。

 

「もうみんな事前のシミュレータで知っての通り、これら機体で今からこちらの用意した各種テストを行ってもらいます」  


 フムフムと、まあそうだろうなって感じで頷くパイロットの皆さん達。。


「で、今回はシミュレータで行っていた操縦訓練以外の、みなさんのまだ知らない想定外の機動モードにおけるテストもやってもらうので、そのつもりでお願いしますね」


 と沢渡が言うと、諸氏「ん?」となって「チョットマテ」と相成り、


『サワタリ、デハナニカ? 事前ノデータ何モナシニ、全ク新規ノ、何ラカノ操縦ヲヤレト?』


 とシエがしかめっ面でそういうとリアッサも、


『私モナニカオカシイナトハ思ッテイタンダ。ソモソモアノ機動兵器、オカシナでざいんダロウ?』


 リアッサが搭乗する機動兵器を指差し、皆が見ると、かなりの大型だが、何か『施設』か『建物』かが縦になって浮かび飛ぶようなもので、おおよそリアッサが得意なキュンキュンと動き回るようなイメージの兵器ではない。

 火砲のようなものはたくさん付いているようだが、


『支援兵器カ何カカナ?』


 とシミュレータの段階でもそんな風に思っていたそうだ。


「まあそこんところは訓練中に色々わかると思うから……では早速テストやるんで、搭乗おねがいできる?」


 とこんな調子。つまりヤル研連中は、本当に見せたい、というか、やってみたいヤバi……高度な訓練は、当日まで秘密、つまりブッツケ本番でやるのがこやつらの『信条』なので、まあそれを知っている多川やシエは、「ハイハイ、毎度のコトですね」と頷いているが、こんな仕事初めてのリアッサに尾崎、垂井、小川の方はたまったものではない。

「チョットマテ」と垂井が抗議しようとするが、多川が「まぁまぁ」と肩叩き諌めて、


「大丈夫大丈夫、俺達夫婦がきちんとサポするから」

『ソウダ、マ、毎度ノ事ダシナ』


「えええええ!」となるヤル研素人の尾崎、垂井、小川だが、


『フム、マア殺サレハセンダロウカラ付キ合ッテヤル』


 と、平然と受け止めるクールビューティなリアッサ姐に「流石ですなぁ」と多川も感心したりする。

 尾崎以下三人はオイオイと不安顔だが……


 ……つーこって、沢渡以下ヤル研スタッフの指示の下、各々担当機種に乗り込む諸氏。

 甲案の機体、『甲型機』にはリアッサ姐。

 乙案の機体、『乙型機』。これは五機からなる連携作戦機のようなので……

 『乙-1号』という、コマンドトルーパーぐらいの大きさの、純粋な人型機動兵器にはシエ母さん。

 『乙-2号』という、重戦闘機のようなマシンには、多川パパ。

 『乙-3号』という、全翼型爆撃機のような機体には、垂井。

 『乙-4号』という、攻撃機のような機体には、尾崎。

 『乙-5号』という、ティ連型哨戒機のような大型機には小川。

 と、それぞれが担当機決められて搭乗。


『コチラ、リアッサ。システムチェック、シミュレータト同ジダナ。特ニ問題ナイ。イツデモ発進デキルゾ……マアヤッパリドウ見テモ粒子砲ヲ沢山ツケタ、移動要塞ダナコリャ』

『コチラシエダ。私ノハ、コレマタ小サイ機体ダナ。コマンドトルーパーニシテハ細身ダガ、ナントイウカ、大型ノ、コマンドローダーミタイナ感ジダナ。マアコッチモシミュレータ通リダガ、機体ノデザインが微妙ニチガウゾ』

 

 と、そんな評価でシエが語っていると、垂井が多川にプライベート通信を入れてきた。


『多川さん、多川さん』

『なんだ垂井?』

『シエ姐の機体って、確かシミュレータではゴーグルフェイス型でしたよね、あの人型マシン』

『ああ、俺も変だなって思ってたんだ。なんで実機じゃ目と鼻と口が付いてるんだ? あれじゃオマエ、なんかアニメの……』

『それですよそれ。俺何か嫌な予感してきましたよ。そもそも前から思ってたんですが、自分達戦闘機乗りに、なんで爆撃機丸出しの機体を当てるんですか? それに小川だって哨戒機ですよ。しかも対空武装が充実した哨戒機って、聞いたことないですよ』


 すると多川が少し考えて、


『いやな垂井、俺もなんか妙な予感してたんだが……あの「想定外の機動モード」っつーのがなぁ……』

『自分も何か予想できてきました……』


 くっちゃべってると、そろそろ出撃ということで召集がかかり、皆さん各個機体に搭乗する。

 まず最初にリアッサが機動母艦より離陸。


『甲型機、発艦スル』


 二〇〇〇メートル級の巨大母艦であるからして、どっかのSF作品のような、というか、カグヤ級のような全通露天甲板から発進するわけではなく、艦内格納庫から、直接屋外へ打ち出される形ですっ飛んでいく。

 

 リアッサの乗る機体は、なんだが漆黒の物体がSの字に折り畳まれたような形状をしている。

 全高で言えば二〇メートル超えの大きさで、ざっくり見た感じの形状は、立方体的なものにスタビライザーや、ウイング形状のハードポイント、粒子ビーム砲などの兵装が多数くっついている。

 高速でビュンビュンと飛び回るというよりも、全周囲に睨みを効かせながらゆっくりと敵地を侵攻するといったイメージの機体である。


  次にシエ達の乗る機動兵器が発艦する。


『よし、では俺からいくぞ、二号機発艦』


 ピシと挙手敬礼する多川。同時にトラクターフィールドカタパルトが作動し、ビュンと打ち出されて多川の大型戦闘機形状の機動兵器が発艦する。

 次に垂井の大型爆撃機のような三号機。重量感マシマシでゴウンと音を立てて発艦していく。

 更に尾崎の四号機。攻撃機形状の兵器が颯爽と離陸。

 そして小川のAWACS形状のレドーム付けた機体が機体上部に付けた円盤回して離陸していく。

 最後に、シエの乗ったコマンドトルーパー型のマスタースレイブ方式で操縦する一号機が発艦。


『シエ、一号機、イキマ〜ス』


 なんて、この前、暁くんが見てたチートロボットアニメの主人公の真似なんぞしてみたり。

 お母さんという種の人間は、子供の見る子供番組に感化されやすくて、当のガキんちょよりハマってしまうという話をよく聞くが、どうやらシエもそんなところ若干アリという感じ。


『よし、みんな発艦しましたな。では全機指定された演習地点に向かってください』


 各機了解と加速をかけて飛ぶ。シエチームの五機は基本一号機以外はとりあえず航空機型なので、軽快に飛行する。シエの機体も腕を後ろに少し広げて、うつ伏せ状のポーズで飛行している形である。


『シエ姐と多川さんと尾崎の機体はそれとなくわかるけど、なんで自分がAWACSで、垂井が爆撃機なんでしょうね』と、首傾げて疑問を呈する小川に垂井が、

『要は航空機扱えれば良いってことなのかいな?』


 と案外単純な解答じゃないのと、あまり深く考えていない様子。だが、


『リアッサノ、アノ機体ハコチラノ分カリ易イ機体二比ベテ不気味ダヨナァ』


 とそんな感想をシエが漏らすと、


『要撃型ダトハ思ウガ、イマイチ要領ヲ得ナイデザインノ機体ダ』


 とリアッサもそんな感想を漏らす。

 ……とそんなこんなでしばらく火星上空を飛ぶと、小川のAWACS型機体にビーと警報が入る。


『前方二〇〇〇、敵反応あり。ヂラールのようです!』


 と小川が全機に報告すると、


『おいおいいきなりかよ、もうおっ始めるのか? 沢渡さん』

『宜しくお願いします多川さん。皆さんなら前置きなんかいらないでしょう、そっちの方が良いデータ取れそうですし』


 まあシミュレータである程度機体の性能も把握してるし、早速頼むわと、そういうことだ。

 で、一応このテスト隊の親分は多川なので、


『おし小川、敵の規模は?』

『敵小型、中型の陸上型が二個中隊規模。大型の機甲兵器型も同じく二個中隊。航空機支援型が三五体。そして……あちゃ、メデューサ型を四体設定してますね』

『了解、ではリアッサさんと垂井は陸戦部隊の侵攻阻止、シエと俺は敵航空部隊の迎撃を行なう。尾崎はリアッサさんと垂井を狙う敵の排除だ』


 全機了解の応答で、任務開始。

 

『しかし援護するっつっても俺一機でこの数は対応できないよ』


 と攻撃機型を操る尾崎がブー垂れると、


『心配スルナ。コッチノ、コレヲ、オマエノ支援へ回ス』


 とリアッサは何やら操作すると、機体側面のウエポンラックが開き、小型の航空機状ドローンが数機打ち出される。


『ドウヤラ自律支援型ノ攻撃ドローンノヨウダ。オマエノ動キニ合ワセテ支援スル。イケルナ? 尾崎』

『感謝です、リアッサ姐』


 ウジャウジャとまるで何処かのパワードスーツを擁する映画のごとく、ヂラールの小型中型の軍団が、設定された国際連邦軍の陣地めがけて進軍するゼルシミュレーター映像。

 味方設定の連邦軍がヂラールの飛び道具食らって焼けてたり、貫かれたりしているグロ映像も忠実に再現している。

 要するに、日本とティ連抜きの国際連邦軍が、今ヂラールの軍団とまともにカチ合えば、こういう具合になるという事でもある。

 そこに颯爽と……というわけでもないが、飛来するテスト機。

 リアッサの放った無人攻撃機と、尾崎の攻撃機が地上部隊を援護する。

 尾崎は搭載するアベンジャーガトリング砲をブルァ! と唸らせて掃射すると、地上のヂラールが片っ端から粉微塵に吹き飛んでいく。

 だが、尾崎の攻撃機を迎撃機型ヂラールが支援攻撃を行い追っかけ回すが、それを援護するリアッサ機の無人攻撃機。

 

『うわ、このゼル映像異常にキモいぞ、リアルすぎだ』と尾崎。

『まあここまでやらんと、訓練にならんからなぁ』と垂井。

『マサカ、コノ、ゼルシミュレータヲ、アノしゅうがくりょこうノ子供達ニ見セルノカ?』とリアッサが訝しがる表情をすると、「さすがにそれはないっしょ」と尾崎と垂井が疑問を呈したり。


 このテスト演習は、まあいってみればリアルタイムシュミレーションゲームみたいなルールで、進軍する国際連邦軍をテスト機で援護しつつ、ヂラールに占拠された拠点に連邦軍を到達させるという設定でやっている。


『垂井! 敵との距離が空いた、爆撃開始!』と尾崎が叫ぶと、

『3号機了解。爆弾投下、投下』


 全翼型爆撃機のような形状の垂井機が、ベイを開けてヒュルルと爆弾を投下すると、敵の機甲型ヂラールや兵隊型ヂラールともども吹き飛び、防衛戦に徹していた連邦軍部隊のユニットが一斉に前進を開始する。


『ゼル映像のリアルサハトモカク、面白イナ、コノルールハ』

『はは、本当ですねリアッサ姐』『売れますよこれ』と軽口を言う尾崎と垂井。


 すると、中ボスクラスの、蜘蛛の体に人型の化け物がくっついたような形状のヂラールが一〇体ほど侵攻してきた。

 これに阻まれ、また前進を停止する連邦軍。


『ナンダコレハ? ハジメテ見ルヤツダナ』とリアッサ。

『ええ、こんなの見たことがない』と尾崎が言うと、哨戒機の小川が、『今調べたら、惑星ゼスタールで初めて確認されたタイプだと、ゼスタールのデータベースにあったぞ』と情報を入れる。

『ゲ、こんなのが増えてるのかよ……』と垂井。


 するとリアッサが、


『ココハ私ノ出番ノヨウダナ。全機支援ヨロシク』


 とリアッサが前に出て敵の目の前に陣取り、その武器の塊のような空飛ぶ要塞型の武装へ一斉に火を入れて、


『敵性体、全方位ロックオン完了……掃射開始』


 グリップのトリガーを押すや刹那、その立方体状の機体各所に装備された数多くのブラスター砲が一斉に火を吹き、各々狙った新型ヂラールのゼル造成体を貫く。


『おおっ! すごいなありゃ』

『アンナ攻撃ヲスル機体ダッタノカ!』


 と空戦中の多川とシエが、高空よりそのクラッカーボールのように閃光を走らせる機動兵器の姿に目をみはる。

 といっている多川夫妻も独自の戦法を編み出したようで、


『ダーリン、背中ニ乗ルゾ!』

『あいよ。軸線合わせた、乗った瞬間、少し下げるからな!』


 と、大型戦闘機型の多川の機体上部に、サーファーの如く上へ乗っかるシエの機体。

 シエの着地、というか、着機と同時に、機体が沈み込むと、その瞬間エンジンの出力を上げて上昇する多川。

『ヨシ、次ハ、アノ翼竜型ダ、ダーリン』

『任せろシエ……この機体、大型の割には器用に動くな、なかなか気に入ったが……』

『ドウシタ? ダーリン』

『あのヤル研連中が、この手の戦闘機や、攻撃機云々程度のものを作って満足するかって話なんだよなぁ。かーちゃんの機体にもいつの間にか顔が付いてるし』


 とくっちゃべりながらシエ機は多川機から飛び上がり、翼竜型を挟み撃ちにしてブラスター砲掃射で撃墜すると、再びシエ機は多川機の背中へ着機する。


『ソウソウ、ダーリン。コンナ機動兵器ニ顔ノヨウナモノ付ケテ意味アルノカ? 古代遺跡ノ巨人像ジャアルマイシ』

『あら、シエの星にもそんな文明あったのか』


 とかそんな話をしていると、最後の大ボスの登場と相成る。

 当然ゼル造成の国際連邦軍は、その巨大な敵に前進不可能となり、後退を余儀なくされ、攻撃する連中はことごとく瞬殺の憂きを見る。


『多川さん! やっぱメデューサ相手じゃこの機体の武装じゃ無理ですわ!』と垂井。

『でもこの機体ってこいつら相手にするために開発されたんじゃなかったのかよ』と尾崎。

『こっちだって哨戒機なのに、攻撃機並の武装持ってるんだぜ、で、アレに対峙できなきゃ意味ないじゃん』と小川。


 するとリアッサが、


『オイ沢渡、ソロソロ種明カシシテモイイダロウ? 今ノ状態デハ、アレニ勝ツニハ到底オヨバンゾ? フフフ』


 とリアッサも大体もうわかったという感じで不敵な笑みを浮かべると、


『こちら沢渡です。はは、わかりました。では先に申し上げた、秘密の機動テストを始めます。まずはリアッサさんの甲型機からいきましょうか』


 と沢渡が言うと、リアッサの機体のVMCモニターに、『ヴァリアブル・セカンドスタイル・エンゲージ』というメッセージが英文で出る。一応英文は読めるリアッサ。


『リアッサさん、その文字を復唱してタッチお願いします』

『了解……「ヴァリアブル・セカンドスタイル・エンゲージ」』


 ポチとそのVMCボードの文章をタッチすると、刹那警報音が鳴り、ゴンゴンと音が唸ると明らかに重量級の物体が稼働する動きをリアッサの機体は見せる。

 同時に無線でその様子を見ている多川ら五人衆は、『おお~!』やら、『スゲ~』やらそんな外野の声が入ってくるわけで、


『オ、オイオイ、何ガオコッテイルノダ? ソッチノ映像ヲミセテクレ』


 とリアッサが懇願すると、シエがリアッサの機体に、シエ機の外部カメラ映像を転送する。

 その様子を見てびっくらこくリアッサ……


 その建造物の如く立方体状の物体は、何か巨大な人型物体が正座して、さらにお辞儀したような格好をベースに、ゴチャゴチャと変形機能を色々諸々機能させながら、S字状に折りたたまれたような巨大な人型物体が、変形展開されていく姿であった!

 この機体、元の色が漆黒であり、ウィンウィンと全高四〇メートル以上五〇メートル未満の巨大な人型状に変形展開されたその機体の姿は……なんともまぁ、巨大な『旭光Ⅱ』を、悪役ヅラにしたような、サイコなんちゃらか、巨大な鉄人か、そんな機動ロボットであった! じゃ~んみたいなBGM……まあとりあえずティ連技術仕様なので、操縦時にオツムが痛くなることはないようだ。


『ナナナ、ナンダコレハ!』と、その漆黒の巨人に驚くリアッサに、

『うわ、でっけー旭光Ⅱかよ! わはは!』と顔を引きつらせながら笑う垂井。

 

 で、このタイミングで沢渡が、


『と、そういうことですみなさん。まだ固有名称はありませんが、一応登録名称は、「試製24式可変大型機動兵器甲型」となっています』


 となんとも冷静に沢渡が説明すると、


『ぶはは、まあこんなこったろうと思ってたが……んじゃ呼称はとりあえず「24甲」でいいな』


 と暫定的にそういう呼称で呼ぶこととなる。


『オイオイ、ソレハソウト、アレヲミロ』


 とシエがモニターで指差すと……なんと! 修学旅行のお子様達が、チャーターの輸送艦に乗って、今の『ヴァリアブル・セカンドスタイル』をご覧になってらっしゃったのであった!

 輸送艦内では、キャーキャー騒ぐ子供たち。「かっけー」とか「cool!」とか男の子女の子問わずピーピー騒いでいる。当然その中には、暁くんと姫ちゃんもいるわけで、まだ暁くんは自分の父ちゃんと母ちゃんが、その中の二機に乗っているとは知らない。当然リアッサと樫本のお子様もいるわけで、後で聞いたら鼻高々だろう。


『わはは、んじゃ俺達もかっこ悪いとこ見せられないな』


 と多川。リアッサの機体の仕様を見て、もう大体自分達の乗る変態戦闘機に機動兵器がどういうものになるか、もう察したようであった。でもって尾崎が、


『んじゃ、自分達の機体は、どっかの機体のパーツになって五人で同乗するんですかね?』というと、

『足とかだったら最悪ですよ、蹴られるの最先端で見学するんですよ』とビビる小川。

『それ以上にそんなGに耐えられるかっちゅー話だが……あのアニメのメガネのガキはすげーな』とか言う垂井。


『まあどっちにしろ、見学に来たガキンチョどもにはカッコワルイところみせられんぞ。おっしゃ、沢渡さん、こっちはどうするんだ?』

『はは、もうご理解いただけましたか? では……』と同じくVMCモニターに、『ヴァリアブルコンバイン・エンゲージ』と表示される。


『これ復唱したらいいんだな?』

『そうです』

『おっしゃ、んじゃみんな、ご唱和といくか?』

『やですよ、こっ恥ずかしい』と垂井。

『私ハカマワンゾ』とノリノリのシエ。


 多数決で、やっぱ普通に復唱することに決めた。


『よし、んじゃいこうか……かーちゃん、一号機だから音頭とってくれ』

『了解……ヴァリアブルコンバイン・エンゲージ!』

『うわ、叫んだ! って、コピー。2号機ヴァリアブルコンバイン・エンゲージ』

『コピー。3号機ヴァリアブルコンバイン・エンゲージ』

『コピー。4号機ヴァリアブルコンバイン・エンゲージ』

『ははは、5号機ヴァリアブルコンバイン・エンゲージ!』


 と入力するや刹那、全機自動自律操縦モードに代わり、

 1号機の腕と足が折りたたまれて、収納され、胴体と頭部のみの形状に変形。

 2号機戦闘機型は、機首をコアに翼が胸部装甲版に変形し、上部から1号機が差し込まれるようにガイドレーザー放って合体。

 3号機はコクピットがパージし、巨大な翼のように見える背部動力パーツとして合体。エンジンが逆転して、ロボット部スラスターとなる……パージしたコクピットはコクピット周囲にゼル造成された機体ができあがり、日章旗つけたステルス型の支援戦闘機となる。

 

『うぉぉぉおおっと! なるほど、こういう機能になってるのか、こりゃいいや!』


 と空間戦闘機と化したコクピットに感心する垂井。そして更に続けて……


 4号機はコクピットパージして、真っ二つに別れ、それぞれが変形して両腕となって多川の胴体機体にくっつく。

 5号機もコクピットパージして、腰部と脚部ができあがり、レドームとなっていた円形パーツは、なんとエネルギーシールド発生機として、左腕部にくっついた。

 そして、5号機格納ベイから離脱した頭部パーツが1号機頭部と合体して、なんと、ってか、もうわかろうもんだが、巨大機動ロボに合体したのであった!

ここはバッチリとキメポーズで輝かせたいトコロ。


『おいおいおい、で、シエがメインパイロットか?』

『ノヨウダナ、ダーリンハコパイダ』

『なんか毎度のパターンだなぁ』

『指揮官席トイウ事ダロ、ダーリン』

『あ、そういうことね。で、垂井達は?』


 と360度全天コクピットで周囲を見ると、


『わはは、多川さん、ちゃんとした戦闘機ですよ、こっちゃ』と垂井。

『まったくですな。私はこっちのほうが良いです』と尾崎。

『足パーツ、自分だったんですね。そりゃこっちのほうが良いですわ』と小川。


 んでもって、またコレをみた輸送艦のガキンチョは、やいのやいのと大騒ぎ。

 そりゃリアルで巨大変形ロボと、巨大合体ロボがみれるんだから、たまらんだろう。


『完成お疲れさまです。そちらの機体は、仮称で「試製24式集合分離式大型機動兵器乙型」となっています』

『んじゃ、こっちは「24乙」だな』

『デ、子分ノ戦闘機ハ、「乙1号機」以下同種デ』

『あ、子分ってなんなんですかシエ姐』


 と小川のクレームが出るがシエに却下される。

 

 という事で完成した「24甲」と「24乙」

 この機体の正式名称は、なんと、あの見学していたお子様や、公募で付けられる予定だという。

 

『ッテ、チョットマテ。コレッテこんぺでしょんダロ? ドッチカガぼつニナルンジャナイノカ? 沢渡』

『いえ、もし両方とも良い成績出れば、どちらも採用される予定です。というのも、そもそもティ連各国が採用の基準ですからね。何処かの国が、こちらがいい、あちらがいいとなれば、どちらかが不採用というのはありえませんから、シエさん』

『ホウ、エライ自信ダナ。マアイイ、デハドッチニシロ良イ成績ヲ出サン事ニハ始マランワケカ』


 とシエが言うと、


『ソウイウコトダ、デ、多川。アノリバイタ型ヲドウ料理スル?』

『リアッサさんの機体は、どうみても重砲撃型ですから、後方からの支援、狙撃砲撃をたのんます』

『コピーダ』

『で、こっちゃどうも飛び道具もあるが、剣持って突撃みたいな機体みたいだ。そんでもって垂井達は制空権確保、だからそんな戦闘機型に分離してるんだろうな。なかなか良く出来てるよ!』

『垂井機コピー。ではおっぱじめますか!』

『よし、全機攻撃開始、攻撃開始!』


 大型機動兵器特有の機械音を唸らせて、まず最初に一撃をかますは、リアッサ姐の『24甲型』。

 両腕部の掌部指先は全て粒子砲口になっており、肩部、胸部、腹部、膝部とありとあらゆる場所に着いたブラスター砲の砲口をリバイタ型四体に照準を合わせ、一斉射。

 やはり同じ四〇メートル級の大きさがあれば、対等の攻撃範囲以上の威力は確保できる。

 今の一撃は牽制以上に効果があるようで、前進する二体に相当なダメージを与えることができた。


 だが、リバイタ型は、蛇型の個体であって、全高が四〇メートルでも、体長を考慮するとそれ以上のなのである。一〇〇メートルまでは行かないまでも、相当の大きさがある。そのあたりのタフさもシミュレータはうまく再現しているようで、


『飛び道具だけでは必殺にはならんか。かーちゃん、出番だ。やっぱり必殺の一撃は、接近した方がいいかもしれん』

『了解ダ、ダーリン。デハ適当ナ武器ヲ選定シテクレ』

『コピー。……えっと? お、これこれ、いくぞシエ、武装造成開始』


 今度は、妙に機体が派手な24乙型。右手に造成されるは、メルフェリアがいつもぶん回しているようなロングソードの如き機械剣。剣尾に噴進口が多数開いている。


『っと、それとこれな! ほれ』


 左腕のガントレット状装甲がガコンと上へ大きくスライドすると、大口径の速射斥力砲がニョキっと姿を見せる。


『ナルホド、コノ武装デ、コッチノ剣ヲ使ウトナレバ、メルガヨク使ウアノ手デイケルナ!』


 シエは腰をかがめて一気に突入するモーションを行うと、背部のプラズマロケットスラスターが一瞬の加速性能を増大させ、敵リバイタ型との間合いを一気につめ、シエは斥力砲を掃射しながら接近する。

 敵の顔面に砲弾を集中させて視界を奪うと、刹那、機械剣を両手持ちにして剣尾加速スラスターからプラズマロケットの噴煙を放出させながら、ものすごい勢いでリバイタ型の胸部を真一文字に切り裂いた。

 この一撃がキマったようで、リバイタ型一体は断末の叫びを轟かせて火星の大地に沈んでいく。


『クックック……コレハイイゾ、暁ニ自慢シテヤロウ』

『はいはいかーちゃん、まだ三体いるんだから、ホレ、次いくぞ次』


 上空の垂井、尾崎、小川は侵攻する連邦軍部隊を取り巻きの小、中型ヂラールから対地援護しつつ戦況の撮影を同時に行なっていた。

 リバイタはリアッサの機体の方が接近戦で組みし易いと思ったか、二体が牽制のブラスターを射撃しながら、鎌状の椀部を振りかざして24甲型を襲う!

 だが、24甲も近接戦装備はきちんとある。先の無人攻撃機を護衛につけ、掌のブラスター砲口から、粒子トーチを伸ばして対抗するが、シエの機体が持つ大剣ほど威力はないので……


『リアッサ、援護ニ向カウ、下ガレ』

『イヤ、構ワン。コノ機体ノポテンシャルヲフルニ出シタイ、ソチラハ後ロノ一体ノ処理ヲ頼ム』

「シエ、リアッサさんなら大丈夫だ。あの最後尾の一体を片付けよう。それでこのゲームは俺達の勝ちだ」

『フム、ワカッタ……ンジャリアッサ、シクジルナヨ』

『マカセロ』


 リアッサは24甲の先程の全方位一斉射撃を再度ぶちかますと、たまらず後退するリバイタ型に、必殺の射撃線を設定する。


『ヨシ、デハ……コレデイケルカ?』


 リアッサは武装選択から『重力レンズ射撃』なる項目を見つけたので、それを使ってみる。なんか略図みたいなので、どんな武器か大体察したからだ。

 

『重力レンズ設定』


 VMCボードのレベルスライドを動かすと、機体前方の空間が歪んで見えて来た。刹那、その空間は完全な円形状に作られて、周囲のヂラールを巻き込んでいるようだ。


『重粒子ブラスター全砲一斉射!』


 と復唱し、発射トリガーを引くと、24甲型のブラスター砲全射線が、前方の重力レンズに収束されて、刹那、青白い閃光となって一閃、リバイタ型2体の空間を引き裂くように、射線を走らせたと思うと、リバイタ型の胸部が横に飛び出るようなキノコ雲を発し、大爆発を起こして、あの体長一〇〇メートルはあろうかという巨体を吹き飛ばし、なんと、即死させてしまったのである!


 その様子を見る垂井に尾崎に小川は、ポカーンと口をあけて石化。

 シエと多川も、


『ありゃ、こっちの剣に負けず劣らずですげーなぁ』

『ウム、差シ詰メ、コノ機体ガ近接戦用デ、アチラガ遠距離攻撃用トイッタトコロカ』


    *    *


 ということで最後の一体は、シンシエコンビが先と同じく今度は頭部から唐竹割りにして始末した。

 その様子を見る輸送艦のガキンチョ軍団は、これまたピーピーうるさく、甲型乙型両方の必殺技……というわけではないが、そんな攻撃の真似をしたりして艦の中を暴れ回って、先生方も大変だったり。

 だが、今回のコンペではっきりしたのは、やはり同等の敵を叩くには、同等の機動兵器が最も効果的ということである。

 よくよく考えたら、第二次世界大戦でドイツ軍の重戦車になぜ米軍が対抗できなかったか。それでもなぜ勝てたか。それでどれぐらいの死傷者が出たか、その後の米軍はどんな戦車を開発したかを考えればわかろうものなのだが、大型の兵器を開発するにはやはりリスクとコストが大きく伴う。

 だが時代はティ連の科学がつかえる現在である。見事にリスクとコストは回避でき、それが消えれば、大型兵器が有効であるという回答が、今回のテストで一応の良好な結果を見た。

 そして今回のコンペにおいて、最終的に甲乙両方の機種が各々良好な戦力として稼働したため、ティ連防衛総省本部では、柏木の報告も踏まえて両機種の採用を検討することになったのだ。

 まず、24甲型は、事実上の人型機動艦艇の代替え運用ができるという点が注目された。

 あのブラスター砲の塊のような機体に、要塞型から人型に変形する機能は、要塞型の場合は、拠点防衛用に一機あれば十分拠点を守る盾になれるし、人型に変形した場合は、人型機動艦艇の代替え的運用が一人で可能という点が重宝するという意見で採用が行われることになった。

 人型機動艦艇は、まだまだ貴重な艦種であり、そうそうに局地戦へ投入できる代物ではない。

 サーミッサ級のような駆逐艦クラスでも、部隊状況では司令部機能を有する艦になることもある。なので、当初沢渡が言っていた『小型のサーミッサ級』の役割を立派に果たせる機動兵器として、生産されることになる。

 そしてシンシエコンビの乙型である。

 この機体は見かけ切り込み隊長的なイメージを持つが、どうもティ連本部はそういった見方をしなかったようだ。

 本部は、この合体各部になる小型機動兵器を量産して、高速かつ円滑に陸上部隊直協支援を行った上で、敵大型生体兵器や、モンスターフラワーなどの攻撃に戦場の適切な位置にいる機種が近接する同種の機動兵器とランダムで合体する事で、円滑かつ高速に大型機動兵器を運用できる『高機動戦兵器群』とみなしたようだ。

 これは流石のティ連人視点である。地球人の場合、この兵器はなにかのヒーローロボットアニメにでもでてくるような、ワンオフ戦闘兵器とみなしがちだが、ティ連上層部は全く逆の、高度な部隊運用兵器とみなしたのである。

 従って今後はいろんな変形合体可能な小型機動兵器を開発し、乙型のような運用を考える方策も検討されることになった。

 これに関しては流石のヤル研も、『やられた!』となったそうだ。ティ連人の発達過程文明応用能力恐るべし! みたいな……


 さて、そんなこんなの経緯で開発された24式の甲乙型。

 数はまだ揃えられないかもしれないが、完成した分のみ、対大型ヂラール用に、投入されることが決定した。従って現在、先遣ゲート基地建設艦隊に搭載され、惑星ゼスタールへ向かっている。

 運用パイロットは、此度の通り、シンシエコンビと2佐トリオ。そしてリアッサ姐。

 更に『試製』の名称が取れたこれら機体の正式名称はなにか?



 ゼスタールでの本格作戦運用がどのようなものになるか、期待されるところである……



 おしまい。






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― 新着の感想 ―
[一言] コレが後の詞愛魔神である……
[良い点] う〜ん五機合体の乙型のティ連の運用は某玩具メーカーのタ○ラの沼にハマると言われるダ○アク○ンに似ていますなぁ〜(笑)私はてつきり沢渡がシンシエコンビにジプシー○ンジャーに乗せるのかな?と考…
[良い点] 令和三年、新年明けましておめでとうございます。2021年、更新や新刊の発売を楽しみにしております。 [一言] 怪獣を相手にドツキ愛。愛です、愛ですよ(ロマン脳な黎明卿風)
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