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銀河連合日本  作者: 柗本保羽
銀河連合日本・ショートストーリー(たま~に更新)
116/119

その6:ヤルバーン航海日誌 抜粋  作:635様

とある掲示板で、拙作の二次創作で色々と遊んでいただいている作品で、ヤルバーンの航海日誌のような作品が掲載されており、大変おもしろく興味深かったので、製作者さんにお声をおかけして、こちらで掲載させていただく形になりました。

航海日誌のような、ヤルバーン側視点のまとめサイト的な形になっており、今後も記述内容が増えていけば面白くなりますよね(笑) ということで、御覧ください。

宛:ファーダイゼイラ星間共和国議長サイヴァル・ダァント・シーズ


発:イゼイラ星間共和国都市型探査艦ヤルバーン



ヤルバーンが発見したハルマが存在すると思われる恒星系の調査報告。


目的

 惑星内の生命体の有無の確認。


報告


○XXXX周期XX割期XX分期

 恒星系外縁二重連亜惑星付近にディルフィルドアウト。

 恒星系、亜惑星の調査と共にディルフィルドゲート建造開始。


○XXXX周期XX割期XX分期

 恒星系内観測調査中、生命居住可能領域内に存在する岩石惑星の第三惑星に液体の水と酸素の存在を確認。

 スペクトル解析により植物の存在の可能性大、大気組成が炭素質生命体の居住可能環境の可能性大。

 またシステムが惑星付近に人工物と思しき反応を検知。第三惑星に出向き直接の調査を決定。


○XXXX周期XX割期XX分期XX微周期XX細割期

 第三惑星付近にディルフィルドアウト。

 同時に惑星の衛星軌道内に人工物を確認、多数の光起電力モジュールを装備した小型宇宙船と判明。ヴァルメを用いた調査の結果内部に知的生命体の存在を確認。

 特記事項として内部知的生命体のデルンと思われる一体にエルバイラの手記内に記載されたヤマルティア人に似た特徴を確認。

 及び宇宙船が非トーラル技術のみで構成されていることを確認、以上より本惑星がハルマの可能性大。しかしながらこちのクオル通信に応答せず、別の通信手段が必要な可能性が高い。


○XXXX周期XX割期XX分期XX微周期XX細割期

 惑星全域にヴァルメを展開し調査を決定。

 調査により惑星最大の大陸の外縁部に位置する弧状列島にヤマルティア人と思われる人種が多く居住していることが判明。

 また惑星名チキュウ及び該当国家名ニホンが判明。

 特にニホンを重点的に調査、調査中に調査局局長の操作するヴァルメが機能不全に陥る。

 原因はニホン人と思しきデルンとの接触時にヴァルメに差し込まれた文字の書かれた紙が原因と判明。

調査局長の報告によりニホン人も接触機会を窺っていることが判明。

ニホン国首都トウキョウ付近の大洋上にて待機、接触を模索することを決定。


○XXXX周期XX割期XX分期XX微周期XX細割期

 ヤルバーン周辺にて昼間にニホンの小型大気圏内機動機が空中に絵を描く。

 夜間に入りヤルバーン周辺の沿岸部で様々な色彩の燃焼を行う火薬の打ち上げなどが行われる。

 その後ヤルバーン直下にニホンの中型水上艦船が到着。

 その甲板上にて動く絵を投影、内容により光学・視覚的感覚を持つ種族ならば理解可能な情報伝達手段と確定。

 それによりニホンの国家概要と第三惑星内の主要な通信手段が電磁波であることが判明。


○XXXX周期XX割期XX分期XX微周期XX細割期

 チキュウ内の電磁波情報を九割収集完了。

 電磁波通信を用いてニホンと直接接触の告知を決定。

 接触場所は大気圏内旅客機動機の港と思われるハネダクウコウを指定。


○XXXX周期XX割期XX分期XX微周期XX細割期

 ハネダクウコウにヤルバーン司令ヴェルデオ・バウルーサ・ヴェマ及びフェルフェリア・ヤーマ・ナァカァラ調査局長を始め、ヤルバーン首脳部が降りる。

 同時にデロニカのトラクター・ビームで牽引したニホン国の小型機動機も到着しニホン国と接触。

接触した人物、ニトベ・シンゾウはニホン国の国民の代表であるナイカクソウリダイジンであることが判明、接触は成功と言っていいだろう。

今後の交流とそのための調整を行うこと及び連絡手段の確認のやり取りを行いヤルバーンへ帰還。


    *    *


【至急】【重要】


カレーライスと呼称される料理に関する調査報告



宛 都市型探査艦ヤルバーン司令ヴェルデオ・バウルーサ・ヴェマ


発 都市型探査艦ヤルバーン調査局局長フェルフェリア・ヤーマ・ナァカァラ



 カレーライスはニホン国において国民食と呼ぶべき料理である。低、中等年齢教育施設やニホン国防衛組織ジエイタイで提供されるキュウショクと呼ばれる中期食事のとして定番である。また、金属や合成樹脂を用いた長期保存可能な密閉容器に入った物や簡便に調理可能なルウと呼ばれるカレーライスの素などがほぼ全ての食料品供給施設にて貨幣と交換可能である。


 カレーライスは大きく分けてカレーとライスから構成されている。

 カレーは多数の香辛料とヤサイと呼ばれる食用植物に加え、ブタやウシ、ニワトリと呼ばれるチキュウで一般的な陸上型飼育動物の食用肉を原材料とするスープの一種である。


 対してライスはニホン国外の言語由来の単語でありニホン語ではコメ若しくはゴハンと呼称されるものである。コメはイネと呼称される穀物の実を水に浸しタクと呼称される加熱調理を行ったものである。なおイネはスイデンと呼ばれる人工的な沼地で栽培される。

 このイネと呼ばれる穀物はニホン人の歴史、文化と切り離せないものでありカユ、モチ、センベイなど様々な調理法と加工品が存在し、カミと呼称される創造主の一種に対する宗教儀式でも用いられることが確認されている。

 またこのイネはニホンの遺伝子操作技術の結晶でもある。ニホン人により自然交配での遺伝子操作が長年行われ、原種が熱帯原産にも関わらず寒帯に属するホッカイドウでの耕作すら可能としながらも味と風味を両立させるなど高度な遺伝子操作による品種の改良が行われている。

 ナノマシンも用いずにこれ程の遺伝子操作を行うとは真に発達過程文明は侮りがたい。


 カレーライスはその栄養価も特筆すべきであり穀物、植物、動物性蛋白質等がバランス良く摂取可能だ。また香辛料により身体代謝を促進されることで健康増進にも効果が期待出来る。

 しかしカレーライスを我々ティエルクマスカ連合の諸種族がカレーライスを摂取する場合には十分な注意が必要である。それは我々が経験したことがない程に美味であるために自我が一瞬消えてしまうからだ。


 報告する私自身も幾度となく摂取しているが自我が消えることを止めることは不可能である。これはヤルバーン乗員全員の摂取時のデータからも肯定されている他、ヤルバーン乗員の諸種族全てに摂取が止まらなくなるある種の中毒症状も個人差はあるが確認されている。

 調査の結果この中毒症状は化学物質や有毒成分によるものではなく余りに美味過ぎる故に引き起こされる症状であり身体機能への障害等は確認されていない。しかしカレーライスを長期間摂取しない場合、カレーライスの摂取を非常に強く求めるなど禁断症状が確認されている。

 医師による研究の結果、この症状について現状では一度の摂取時間の制限、摂取する期間を空ける等の対処療法しか存在しない。

 ニホンの文献等の調査を考慮すると一度の摂取時間は量を問わず最大1微周期間まで、摂取する期間は5分期に一度までが望ましいだろう。


以下ニホンで最も普及しているルウを用いたカレーの調理法の一例を示す。


 食用油脂でコーティングした加熱用調理器具を用いて食用肉を加熱調理し十分に加熱した時点で食用植物を加え更に加熱調理をする。続いて調理器具に飲料用の水を追加し20細割期間から30細割期間程度の時間煮込む。十分に煮込んだ時点でルウを調理器具に投入十分にルウを溶かした状態で10細割期間煮込んで完成となる。


 

以上。

本作『その6:ヤルバーン航海日誌 抜粋』における内容の設定等の著作権は柗本保羽に帰属しますが、本件文章自体そのものは、匿名作家『635』様に帰属するものとします。

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― 新着の感想 ―
[一言] 航海日誌。良いです。こうやって偶にちょくちょくネタを投下してくれるてもいいです。 交流時期のヤルバーンや日本以外の各国首脳陣や市民などの視点とか。 そうえいば二次創作などはどの辺までありなの…
[良い点] 良い良い。。 思わず読み返しちゃいましたよ。 [一言] 何もかも、皆懐かしい。
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