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織り手の誕生84
ラノックはこれまでサソリの尾にある毒針を直接受けたことはなかったが、かすめただけでも致命傷になり得ることを理解していた。そのため、自らの体で受け止めようとはせず、鱗を広げて身を守った。
毒の尾が再び襲い掛かろうとしたその瞬間、ラノックは死角へ滑り込んだ。サソリの体の隙間に肩を押し込み、関節に両腕を絡め、全身の力を込めて捻じった。蛇妖の速度を活かした、拘束に特化した一撃だった。セゴラは嗄れた悲鳴を上げ、狂ったように体を捻じらせた。尾は鞭のように振り回され、毒針がラノックの頬をかすめたが、鱗に阻まれて傷は負わなかった。
だが、鋭い痛みがラノックの腕を駆け抜ける。まだ子供の身では、怪物の巨体を完全に制御する力はない。巨体は今にも拘束を振り切りそうに暴れていた。
推定総盗用率:およそ0–5%




