織り手の誕生76
ラノックは敵の隊長と向き合った。隊長は深く頭を下げる。「決闘を引き受けていただき、ありがとうございます」「いや、そんなかしこまらなくていい」ラノックも頭を下げ返した。「悪魔の魂に取り憑かれた子供の話は、以前から聞いていた。今日会ってみると、なるほどその通りだ」「そんなに有名なのか、僕?」「ええ。取り憑かれても怪物にはならなかったと聞いている。君を兵士のモデルにしたいという者もいるほどだ」「全然嬉しくない。あの怪物兵たちは大嫌いだ」「私も同じ考えだ。人間にも人間の尊厳がある。だから君には嫌悪感がある。君が吸収し、磨き上げた技は、本当に君自身のものか?」「君は首領を倒すべきじゃないのか?」「まだだ。まずは君と戦い終えてから、次は首長を狙う」「つまり、自分が私に勝てる自信があるということか?」「その通り!だから一人で来たのだ」「では、かかってくれ」その瞬間、敵の隊長の気配が変わった。ラノックも表情を引き締め、拳を握りしめた。
突然、敵の隊長がものすごい速さで突撃してきた。「何だ!?」瞬間、ラノックの視界がぐらりと傾いた。血を吐き出す。「これは一体どんな力だ?」「『還風』という技だ」隊長は冷静に答えた。「村に訪ねてきた者から学んだ。君も知らなかっただろう?」 「知らなかった……そんな術があったのか」「君はまだ幼くて、遠くまで行ったこともないからな。南に、すごい人たちが住む村がある。彼らの術は驚異的で、私はそこで学んだ。君はまだ未熟だ」「本当か……そんな術があるとは知らなかった。教えてくれてありがとう」ラノックの目がキラリと輝く。「力を得ても傲慢になるような人間じゃないな。少しやりすぎたかもしれん。大人に勝てたのも無理はない。よし、決闘はここで終わりにしよう」「いや、続けよう」「何だって?」「この技をどうしても覚えたい」「このガキめ!」「お願い、習わせてほしい!」ラノックは頭を下げた。「敵に屈するのか……本当に子供だな。モンスターのことは大人に任せろ」「いつ終わるんだ?」「これは――」「また村を壊されるのは見たくない。今日か、明日か、いつ終わるんだ?」「残念ながら――」「無理なら、仕方がないのか?」「やっとわかった」「何だって?」「私の覚悟は君ほど強くない。なぜ忘れていた……。隊長になったばかりの頃、誓ったはずだ――絶対に村を守る、と。それが今では村を首長の手先のように扱っている。何をしているんだ……。よし、『還風』の使い方を教えよう!」「どうもありがとう!」ラノックは隊長の服をぎゅっと掴み、子供のように跳ね回りながら笑った。隊長は、ラノックがようやく年相応の振る舞いを見せてくれたと感じ、心から嬉しく思った。「よかった……」と、彼は小さく呟いた。
推定総盗用率:およそ<5%




