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ラノックの思い出30
台所の外では、子供のように小柄なサキュバスたちがこっそり様子をうかがっていた――とはいえ、実際はみんな二十代だ。
「うわ……難しそう」「でも、ちょっとやってみたいかも……」ラノックは彼女たちをちらりと見た。「君たちもやってみたらどうだ」「え、いいの?」「もちろん」「……じゃあ、私もやってみる!」
数分後、サキュバスの一人が卵をそっと手に取った。「できた!」「……」ラノックは再び黙り込んだ。目の前には、さっきよりはまだマシな「黒く焦げた卵」があった。「……少なくとも、さっきのよりはマシだ」「本当!?」「焦げてるけど、少なくともさっきのよりは、まだ卵だって分かる」そう言って、ラノックは捨てられた「卵」をもう一度ちらりと見た。「うるさい!」台所には、焦げた匂いと笑い声が満ちていた。




