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光のもとに潜む影9
「何? 天使がウイルスを盗みに来た? 冗談じゃないでしょう?」般若姫が問いかける。「冗談じゃない」アシロは眉をひそめ、目の奥に冷たい光を宿した。「すでにウイルス研究所は襲われている。……幸い、死者は出なかったがな」彼は低く息を吐く。「今回はブリクタに本当に助けられた。次は、こちらの番だ。天使には――代償を払ってもらう」軽く拳を握りしめる。「それで、計画は?」般若姫の問いに、アシロはゆっくりと顔を上げた。「簡単だ」淡々と、しかし揺るぎない声で言う。「奴らには、ウイルスを手に入れたと思わせればいい」その言葉には、確かな自信が滲んでいた。




