光のもとに潜む影25
翌日、白鷺女子学園には新たな校則が追加される。それは、生徒を人間に限定しないというものだった。現在、多くの人間は人外の存在を知らない。そのため、この校則は魔法を理解できる者にのみ認識される形で告知された。校名の下には、魔法の素養を持つ者だけが読むことのできる一文が浮かび上がる。――「地獄での就労、可」
アシロの恋人ではない人外の生徒も、審査を経て地獄で働くことが認められる。人間界での就労も可能であり、日本政府は臨時の身分証を発行する。ただし、高校課程の修了、もしくは同等の能力があると専門家に認められることが条件だった。地獄では本来、教育は重視されてこなかった。だがアシロは主宰就任と同時に識字政策を開始し、住民に学習を義務づけた。時には人間界へと同行させ、実地で学ばせることもあった。人間として死に、地獄へ堕ちた者の中には、かつての知人が現世に残っている場合もある。混乱を避けるため、アシロは彼らに魔法による外見変更を義務づけていた。
アシロは、人間が人間以外の存在を恐れたり、私利のために利用したりしないようにするには、もっと交流するしかないと考えていた。また、人間が人間以外の力の限界を知ることが、かえって交流を深める助けになると考えていた。




