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光のもとに潜む影22
「来たのね……」「よくもここに顔を出せたわね、お父さん!」「由紀子、そんなこと言わないで。だってお父さんなんだから……」「お母さん、どうして言っちゃいけないの?この人、私たちをこんなに苦しめたんだよ!」「でも、お父さんはわざとじゃなくて、破産して打撃を受けすぎて、制御を失っただけなんだ……」「制御を失った?なんて便利な言い訳なの。母を救ったのは、私が入ってきたときに立っていたギャンブラーのアシロだけだった。そして、入ってきたら目の前に座っているこのギャンブル中毒の父親……どうしてあなたは座っていられて、アシロは立っているの?」「ごめん……でも、あんなに怒られたのは初めてで、ちょっとびっくりしたんだ。君とお母さんには本当に申し訳ない」「戻る……」「ちょっと待って。許してくれないのは分かってるけど、一言だけ聞いてほしい。君にも幸せになってほしい」「文化祭にも来てたんだ……」由紀子は唖然とした。「うん、遠くからだけどね」「そう?ダークピエロになる前にこの言葉を聞けていたら……」「本当にごめんなさい」父は頭を下げたままだった。「アシロ、あとは頼む。ちょっと落ち着かないんだ」そう言って、由紀子は応接室を出て行った。




