光のもとに潜む影1
中間試験はアシロが1位、楓が2位だった。
「古代人にすら勝てないなんて……今夜は眠れないな」「まさか……」「『古代人』って呼ぶなよ。知らない人には差別してると思われる」「事実を言っているだけだ」「アシロ、お前は化け物だ!試験で魔法も使ってないのに、あんなに高い点数を取るなんて」「しかも、復習も普通の人と同じ条件でしてるんだろ」「90点も取れるなら、70点くらいで文句は言えないよな」
「さすが、私の弟……よくやったわ」ブリクタは物陰から、静かにアシロを見つめていた。先ほど光の魔法で彼の傷を癒したが、言葉を交わすこともなく、そのまま立ち去った。「よくやった。あいつなら、もしかしたら――」「いや、彼を巻き込むわけにはいかない。絶対に」「なぜ?」「こんな醜い私を、あいつに見せるわけにはいかないからだ」「そう?つまり、彼が私たちの敵になるかもしれないってこと? アシス」「敵になるのは、あなたにとってだ。私にとってじゃない」「天界の命令に逆らうつもり?それは許されないわ。あなたと弟、そして両親の魂を自由にしたくないの?」「……あなたが、私と同じ天使だなんて。その事実が反吐が出る」「今は、そう言っていられるだけよ、アシス。あの小娘、メアを必ず引きずり下ろす。そうなれば、地獄は私たちの手の中よ」「……あなたも天使を名乗るつもり?」「もちろん。もうすぐ大天使になるんだから。ははは」アズリエルはそう言い残し、去っていった。
「……くそっ」ブリクタは拳を強く握りしめた。「最初から分かっていたなら……天使なんて、絶対にならなかった」




