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地獄通信1 人間として最後まで生きる19
アシロは楓たちを恵子のオフィスへ案内した。そこには意識を失って倒れている恵子だけがいた。由紀子は、にやりと笑いながら立っていた。「改めて自己紹介させて。私は闇のピエロ、ナカムラ・ユキコよ」「……本当にあなたなの?」アシロは驚きを隠せなかった。由紀子は軽く肩をすくめる。「正直、あなたたちが羨ましいの。彼氏もいないのに」「それって、ただの嫉妬でしょう?」「嫉妬だけじゃないわ。前にも言ったでしょ、私にはお金が必要なの」そう言うと、由紀子は指を鳴らした瞬間、アシロの背後からスタンガンの衝撃が走った。彼は反射する間もなく意識を失う。「無理……どうしてオーラが感じられないの?」アシロは倒れながらも必死に問いかけた。「ふふ、封印の魔法が効いているのよ」由紀子は楽しげに微笑み、アシロを再び軽く突いた。「ネトヤ姉……いったい、何をするつもり?」アシロは恐怖で声を震わせる。「ねえ、睨まないで。仲良くしましょうよ」由紀子の笑みには、笑いの裏に冷たい殺意が潜んでいた。アシロはそのまま床に倒れ、楓は息を詰めて由紀子を見つめた。




