地獄通信1 人間として最後まで生きる12
地獄会議当日――鬼の仮面を被ったアシロは、閻魔愛を伴って指定された席に着き、やがて会議が始まった。その様子は、アシロの手によって教室の大型スクリーンへと中継されていた。この日、教師たちは全員別の会議に出席しており、楓たちは教室で映像を再生していたのだ。「本日は協議のために集まってもらった。数日前、白鷺女子学院にて女子生徒が殺害された。犯人はピエロの扮装をしていた」アシロは淡々と続ける。「我々の調査では、問題はその動機にある。現場には、悪魔召喚に用いられる古代の魔法陣が残されていた。――つまり、彼らの目的は悪魔の召喚だ」「闇のサーカスなど、我々は知らん!」即座に反論の声が上がる。アシロはわずかに首を傾げた。「妙だな。私は“闇のサーカス”などとは一言も言っていないが……なぜその名を知っている?」「そ、それは……」「いい、気にするな」アシロは話を切り替えた。「悪魔は地獄の管轄だ。君たちには主に調査を依頼したい」「では、お前はどうする?」「私は前線に立ち、連中を始末する。――構わないな?」一瞬の沈黙の後、答えが返ってきた。「ええ。あなたの好きにするといい」
「黒幕は、あの地獄の主宰者たちだと思う?」結衣が低い声で尋ねた。「可能性は高い。だが、まだ証拠がない」アシロは一拍置いて続ける。「だから、あえて揺さぶった。証拠がない時こそ、こちらが“持っている”と思わせればいい。――そうすれば、連中は必ず動く」「あのクズども……」楓が歯を食いしばるように吐き捨て、周囲の少女たちも無言で頷いた。「次は現場だ」アシロはそう言って立ち上がった。「現場検証に行こう」




