冥王4
この呪いは極めて陰険だった。幾重にも重なり合った呪いの紋様は、アシロにとってさえ解呪が困難な代物だった。死者が次々と増えていく中、エメラは突然、まだ一つ方法があると言い出した。ただし、それにはアシロの協力が必要だという。なぜ今まで黙っていたのかと疑問に思いながらも、アシロは彼女の後について地下室へ向かった。
そこには魔法陣が描かれていた。エメラは静かに言った。「この魔法陣は生命のエネルギーを吸収して、呪いを侵食するの。問題は……侵食が終わった後、吸い取られた生命は魂ごと灰になること」「それなら、僕がやる」アシロは即座に言った。「僕の魔力の方が多い。きっと長く耐えられる」エメラは微笑んだ。「あなたは本当に優しい人ね。でも、ここへ連れてきたのは別れを告げるためよ。メアたちのこと、お願いするわ」「……それって――」「あなたに出会えたこと、本当に幸運だった」次の瞬間、アシロは見えない力で地面に押さえつけられた。「な、何が起きてる!?どうして動けない!?エメラ姉さん、やめろ!」「魔法陣が発動して、あなたの力は弱まっているわ。だから、こうして外に閉じ込められる」エメラは息を詰めながら続けた。「助けが必要だなんて嘘をついたの。真実を知ったら、あなたはきっと止めるでしょう?」「やめろ……放してくれ!行かないで!」「ああっ――!」魔力を吸い取られ、エメラは苦痛に耐えきれず床に崩れ落ちた。その時、メアが地下室へ駆け込んできた。「お母さん!何をしてるの!?」だが彼女もまた、同じ力に押さえつけられる。「やめて!お母さん!」「……あなたに出会ったあの日から、ずっと願っていたの」エメラはかすれた声で言った。「神様、この子にどうか幸せを――」「動いて……お願い、私の体……!」「アシロ……ずっと、あなたのことが好きだった」エメラは微笑んだ。「ああ――!」――すべての魔力が尽きた後、ようやくアシロたちは立ち上がることができた。
灰の山を前に、アシロは何も言わず背を向けた。メアも彼に続いて地下室を出る。扉を閉め、鉄鎖で固く封じる。誰が先に手を伸ばしたのかは分からない。ただ、二人の固く握られた手は震えながら、長い間、離れることはなかった。




