207/302
ラノックの思い出28
その夜、伝統派のサキュバスたちが去った後も、屋外にはまだざわめきが残っていた。彼女たちは昼間の出来事について、興奮気味に語り合っていた。「アシロって本当にすごいわね。何でもできるみたい」「私たちも……彼から学べるのかしら」そう言って、不安そうに視線を交わす者もいる。中には、自分の力に自信をなくしてしまう者もいた。長い年月を生きてきたはずなのに、たった六歳の少年に圧倒されてしまったからだ。「心配しないで。平均で千年以上生きている私たちが、たった六歳のアシロに負けるわけないわ」その言葉に、何人かは小さくうなずき、少しだけ表情を和らげた。




