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ラノックの思い出15
ブリセラはラノックを家に住まわせたが、二人は一緒には寝なかった。ラノックは床に小さな毛布を敷き、天井を見上げながら静かに眠った。部屋には柔らかな光が揺れていて、外からは夜風に揺れる木の葉の音が聞こえてくる。
夜になると、ブリセラはラノックにその日の日当を渡すため、軽やかに台所から布袋を持ってやってきた。「体で払おうか?」彼女はいたずらっぽく笑いながら言った。ラノックは少し眉をひそめ、「早く払って……」と呟く。ブリセラは舌打ちをし、「ちっ、可愛くないガキだな」と呟きつつ、重みのある金の入った布袋をそっとラノックに手渡した。布袋が床に置かれると、ラノックはそれをぎこちなく抱え、今日の仕事の疲れを思い返した。




