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織り手の誕生17
ラノックは毎朝、村の家々を回って往診をし、夕方になると家へ戻った。時には姉たちと一緒に布を売りに行くこともあり、毎日は忙しくも充実していた。彼はときどき森へ足を運び、雌狼などの動物たちと遊ぶこともあった。もっとも、うっかり尻尾を掴んでしまえば、当然のように怒られるのだが。
その日、仕事を終えて帰宅すると、動物たちが一斉に彼のもとへ駆け寄ってきた。だが、いつものように甘えた様子はなく、皆、怯えたように落ち着きがない。「どうしたんだ?」「水源が汚された」「どこだ?」「来い」動物たちはラノックを小川へと案内した。水面を覗き込んだ瞬間、鼻をつく異臭がした。「エグリス姉、分かりますか?」「……蛇の毒よ。それもかなり強い」「この辺りに蛇なんていたか?」「見たことはないわ」
ラノックは小川の流れを見つめた。「ここは上流だ。村に知らせないと。今すぐ行こう」そうしてラノックは、仕事から戻ったばかりのブリクタとヴェルディスを伴い、長老を探しに向かった。
推定総盗用率:およそ0%




