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ラノックの思い出12
ラノックは作った料理を皆の前に並べた。湯気の立つ料理の香りが部屋いっぱいに広がる。「美味しい!」「ラノックって、こんな料理作れたんだ!」サキュバスたちは目を輝かせながら次々と料理に手を伸ばした。普段は料理などほとんどしない彼女たちにとって、それはまるでごちそうのようだった。ラノックはただ微笑むだけで、何も言わずにその場を離れた。
「どうして一緒に食べないの?」「君たちの部屋を掃除しに行くんだ」「部屋だって?!」その言葉を聞いた瞬間、多くのサキュバスたちの表情が一瞬で青ざめた。「まずい……もしあそこを見られたら……」誰かが小さくつぶやく。次の瞬間、彼女たちはもう食事どころではなくなり、椅子を押しのけるように立ち上がると、自分の部屋へと慌てて駆け出していった。




