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ラノックの思い出8
ラノックはブリセラの後を追って村に入った。村の道はひっそりとしていた。ブリセラは着替えるために家に戻った。「えっ、ブリセラ様の魅了の技が効かなかったの?」ブリセラは低く笑い、目元だけでラノックを見つめた。「シーッ、そんなに大きな声を出さないで。その子に聞かれちゃうよ」「面白い子だ……研究する価値がありそうだわ」そのサキュバスが唇を舐めると、ラノックは突然鳥肌が立った。心臓が早鐘を打つように高鳴り、手のひらに汗が滲む。彼の体は自然と後ずさりし、言葉を失ったまま。




