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旅立ち7
今日、ラノックのもとに地獄の主の使者から急ぎの呼び出しが届いた。かつて彼が住んでいた村から、ラノックを名指しする呼び出しだった。その名は――ブリクタ。「なに!?ブリクタ姉…!」その名前を聞いた瞬間、懐かしさが胸に込み上げた。「アシロ、君に来てほしいと言っていた。だが、ラノックって名前を聞いた時は、最初は誰のことか分からなかったよ……だって、君はもう5年もその名前を使っていないからな」「わかった、行くよ。でも、地獄では死者は生者に会えないっていう掟があるだろ?だから、僕は戻れなかったんだ……」「地獄の主が、君の功績を認めて特別に許可したんだ。家族にも連絡して、君が戻れることを伝えてある。それと――この面を付けておけ。顔を見られたら騒ぎになるからな」そう言って使者はラノックに鬼の面を渡した。「これは?」「地獄の者が外に出る時に使う面だ。必要なら外せばいい」「わかった」




