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旅立ち5
しかし、地獄の主たちはラノックに満足していなかった。地獄に笑いと温もりがあること自体、彼らの望みに反していた。こうしてラノックは、さらに過酷な場所――煉獄へと追放された。
そこは果てしなく続く荒涼とした地だった。風は刃のように唸り、空からは焼けつく陽光が降り注ぎ、大地を焦がしていた。ここでは「希望」という言葉さえ、もはや意味を失っているかのようだった。
しかしラノックは諦めなかった。地面にひざまずき、両手で土をかき分け、ひび割れた大地を掘り返した。やがて地面の裂け目から水が滲み出る。彼はさらに魔法の力で深い水脈を探り当て、ついに小さな泉を掘り当てた。
それ以来、彼はそのわずかな水を頼りに土地を耕し、作物を植え、痩せた土地を改良していった。
やがて年月が流れ、大地は少しずつ緑に染まっていった。煉獄で初めての植物が荒野に芽吹き、かつて灰と赤に染まっていた大地を覆っていく。罪人たちは目を見張り、言葉を失った。やがて人々は、ラノックを煉獄の真の主と呼ぶようになった。
地獄の主たちでさえ、不満を抱きながらも認めざるを得なかった。かつて不毛だったこの地は、今やラノックによって生命に満ちた大地へと変わっていたのだ。




