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ブリガンティアの思い出12
それ以来、首長の息子は謙虚で従順な性格となり、以前のように人々に対して衝動的に振る舞うこともなくなった。首長自身も、彼が変わったのだと次第に実感するようになっていた。
しかしその裏で、彼は神々の統治に不満を抱く者たちと密かに接触し、静かに力を蓄えていた。そして三年の時を経て、反乱を起こす機会を待ち続けていたのである。
その日、首長は久しぶりに息子を伴って狩りに出た。道中、布を身にまとった一団と遭遇する。
首長が一瞬立ち止まったその刹那、一本の長槍が胸を貫いた。「……何ッ!?」
首長を殺害した後、彼の息子は直ちに森に火を放ち、部族を瞬く間に制圧した。この出来事は後世、「焚林の乱」と呼ばれるようになった。




