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ブリガンティアの思い出11
しかし、首長の息子にはまだ十分な力が備わっていなかった。彼は首長の言葉を受け入れたふりをし、静かに森へと赴いて精霊たちに謝罪した。森の奥には風が枝葉を揺らし、薄い光が木々の間から差し込んでいた。だが、精霊たちは彼の纏う気配から誠意が欠けていると判断し、その謝罪を受け入れなかった。精霊たちは言葉を交わさなかったが、冷たい沈黙だけが彼を包んでいた。ただし、他人の家の事情に口を挟むわけにもいかず、精霊たちは静かに彼を見守るだけで、謝罪については何も語らず沈黙するしかなかった。




