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織り手の誕生137
翌日、村人たちは祭壇へと呼び集められた。新任の長老となった男は、厳かに告げた。「神々がラノックを『疫病への生贄』とお告げになった。ゆえに、捕らえ置いた」その言葉に、村はどよめいた。「でたらめだ!今すぐ解放しろ!」ヴォルガベレッタが長老を睨みつけた。「神々が人を生贄にするはずがない!」「不死の怪物が人間か?」「彼は何度も俺たちを救ってくれただろう!彼がいなければ、一年前に村は滅んでいた!今さら何を言う!」「貴様……」「長老、彼女の言葉には理があります。我々は悪魔に比べれば弱いかもしれません。しかし、まったく戦えぬわけではない。それを教えてくれたのはラノックです。彼を生贄にするなど、私の良心が許さない。今すぐ解放し、謝罪すべきです」長老は答えに窮し、低く唸った。「それに――ラノックは我らが悪に抗う最後の希望だ。彼を犠牲にするなど、愚行ではないか。直ちに解放すべきだ」
推定総盗用率:およそ0%




