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織り手の誕生128
「いったい何なんだ……」ラノックは眉をひそめ、遠ざかっていく女の背を見つめた。その姿は人混みに紛れているはずなのに、なぜか妙に印象に残る。「さあな……だが、あの女、何かおかしい」師匠も低く呟き、腕を組んだまま視線を逸らさない。その場の空気がわずかに張りつめているのを、二人とも感じ取っていた。「一刻も早く『誓火軍』に知らせないと」
ラノックの言葉に師匠は小さくうなずく。迷っている時間はなかった。二人はすぐさま踵を返し、「誓火軍」の支部へと急いだ。事情を簡潔に説明すると、兵士たちは顔を見合わせ、やがて早急に対処すると応じた。その目には、わずかな警戒の色が浮かんでいた。
推定総盗用率:およそ0–5%




