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織り手の誕生101
「最初はラノックがここに来ると思っていたが、まさか君と別行動を取るとはな」「彼は俺の背後を守る必要があった。あちら側に罠がある可能性が高いからな……」「なるほど。では、彼がどう動くのかを見ることは――」その言葉は、途中で途切れた。刃が喉を貫いていた。「な……!?」背後から首長が姿を現す。「いやぁ、残念だね」「お前……この……裏切り者……!」「神を呼び出して息子を蘇らせようというのか?そんなことをするより、この姿の方がよほど強いと思わないか?」首長はそう言うと、もう一度自らの喉に刃を突き立てた。地面に崩れ落ちる。
「な……っ!」酋長は呆然とした。その瞬間、卵が二人の血を吸い込み始める。そして――殻が割れた。巨大な影が、卵の中から立ち上がる。巨人の口から黒い気体が吐き出された。黒い霧に触れた村人の顔に黒斑が広がり、立っていられなくなる。
「まずい。撤退だ」毒だと一目で分かった。酋長たちは中毒の村人を支え、ラノックたちのいる方向へと走り出した。
推定総盗用率:およそ<5%




