美人聖女
ふわあぁ~。久し振りによく寝た~!今日もさっさ準備して収録行かないと…ぉ!?えええええええええええええええ!私、ちっちゃくなってる!ってかベッドもおっきいしふっかふか!ど、どういうこと~!?
「だ、誰か教えてよ。どうして誰もいないの…?」
しゃべってみて気づいた。お笑い芸人で大阪弁をしゃべるのが癖になっていたのに、標準語になってる。鏡を見ると、長い亜麻色の髪にぱっちりと大きな紫色の瞳が印象的な美少女が写っていた。この子って私なんだよね?今までのざんばらな髪とは大違い。今までは、働きずくめだったから髪の毛をどうこうする時間がなかったけど、今はこんなにまっすぐでつやつや。うん?ってことは…転生した…ってこと?よくよく考えればこの世界は仕事の合間に愛読していた恋愛小説「ラルク王国王女は、姉に立ち向かう!」に似ている。そして、タイトルにある姉とは私である。小説によると私ーミハナ・ロイヤルは4人の妹と6人の弟の一番上の姉ということだからだ。ちなみに、このラルク王国では、王家の長女が生まれた直後から聖女として崇められ、次女が聖女の制御を担う。制御といっても聖女が暴走するという稀な事態が起きた場合のみだ。だが、この世界「ラルク王国王女は、姉に立ち向かう!」では聖女であるミハナが暴走してしまい、次女でありミハナの妹のラアナ・ロイヤルが姉に立ち向かうのである。もちろん私は妹と争うなんて御免なので、暴走なんてしないように気を付けないといけない…!
ミハナは誰もいない寝室の寝台の上で、前世の記憶を呼び起こして、小さくガッツポーズをした。
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