新暦1241~1243年頃
玉帝「ママーーーーーーーー!!」(禁断症状)
宗像灰「玉帝。ネウロンという辺境の世界に、器がある可能性が……」
玉帝「直ぐに派兵しなさい。表向きの人員は最低限にし、他国やプレーローマの関心を引かないように。そこに<真白の遺産>があると感づかれた場合、争奪戦になります」
玉帝達は「ネウロンに器があるかもしれない」という情報を掴み、「文明の保護」や「文明化」を口実にネウロンに交国軍を派遣しました。
先遣隊の中には表向きはただの研究者のフリをしている明智光もいました。彼女は玉帝の側近として、術式や真白の遺産関連の研究に携わっており、研究や捜索にはピッタリな人材でした。
念願の器が手に入りそうとはいえ、あまり派手に動くと他所の勢力に「交国が必死になるほど重要なものがある」と感づかれるため、可能な限り「いつもの異世界侵略か」と思わせる程度にしておきました。
ただ、ネウロンはプレーローマすら目をつけなくなった辺境の世界だったため、「何でわざわざそんなところに派兵を……?」と怪しむ者もいました。
明智光は玉帝の命に従ってネウロンを訪れ、密かに器を探し始めました。自分達が、交国がやっている事に疑問を感じながらも「人類を救わなければならない」という義務感に背中を押され、ネウロンで器を探していました。
そんなある時、彼女は正体を隠した【占星術師】に襲撃されました。
【占星術師】は護衛達を倒し、明智光を制圧し、彼女の身体を媒体に今代の真白の魔神を召還しました。予言の書に従い、今代の真白の魔神を呼んでしまいました。
今代の真白の魔神は「胡散臭いけど利用価値はありそう」と【占星術師】と手を組む事を決め、表向きは彼の協力者として動きました。
【占星術師】「奴を信じていいんだろうか?」
紙魚『シンジルモノハ スクワレル~』
紙魚『アシモトヲ~』
【占星術師】「ああ、そうだ、予言の書通りに動けば何も問題ない!」
汚染された予言の書に頼り切り、とっくの昔におかしくなっている【占星術師】は一種の利敵行為を繰り返していきました。その影響は直ぐに現れました。
【占星術師】「全て計画通りだ! トラブルがなければ俺の勝ち!!」
タルタリカ「やあ(´・ω・`)」
【占星術師】「んッ……?!」
今代の真白の魔神がネウロンにあった試作型統制機関を面白おかしくイジくった結果、多くのネウロン人がタルタリカと化しました。お陰様でネウロンは大混乱です。
玉帝も【占星術師】も「このまま目論見通り事が進めば~」とワクワクしていたのに、真白の魔神が「ここでウンチさせたら大ウケやろうなぁ……w」とばかりに無茶苦茶やったので両者卒倒しそうな大トラブルが発生しました。
さすがの玉帝も【占星術師】が今代の真白の魔神と通じている事は知らないので、内心キレながらも粛々と対応しつつ、やらかした真白の魔神を追い始めました。
【占星術師】はブチギレながら真白の魔神を問い詰めました。普通なら「こいつ信用ならねえわ!!」と殺しにかかりそうなものですが――。
紙魚『イイジャン ユルシテアゲナ!』
紙魚『予言の書ヲシンジロー!』
【占星術師】「しょうがないにゃあ」
別の多次元世界の真白の魔神に脳までイジられてるので、スルッとお咎め無しにしました。
今代の真白の魔神は別世界の自分に助けられているとはさすがに知らないので、「はて?」と思いながらも好き勝手に動きました。
彼女も彼女で「最終的に交国計画乗っ取ってやろ!」と思っているので、【占星術師】から情報を聞き出しつつ、ゲットーにいたレオナールに恩を売ったり頭をイジったりした後にマーレハイト亡命政府に行ったりしました。
真白の魔神「交国計画を掻っ攫うなら、肝心要のところまで彼に任せておけばいいや」
【占星術師】「俺の計画はカンペキだ!!」
紙魚『『『カンペキダー!』』』
真白の魔神「ウゥン、ちょっと心配になってきたゾ」
【占星術師】は度重なるトラブルの中、ひぃひぃ言いながら計画修正を続けた後、ついに真白の魔神の器たるヴァイオレットと接触しました。
彼女を操作するための術式を仕掛けておきました。その術式が定着した後、太母のバックアップデータを入れられて交国計画の要になった彼女経由で交国計画を掌握しようと目論んでいたのです。
まあそれすら失敗するんですが、【占星術師】というたった1人のプレイヤーが暗躍した結果、アレコレと状況が引っ掻き回される事となりました。紆余曲折あったとはいえ、交国計画が成功しかけたのは彼が太母や交国に協力したからと言えなくもないです。
【占星術師】「あと、心配事と言えばマクロイヒ兄弟とか言う奴らだな。なんだコイツら?」
【占星術師】「なんでこんな奴らが交国計画の障害になるんだ?」
【認識操作開始:考察妨害】
【占星術師】「まさか、何か特別な力を持っているんじゃ――」
【認識操作休眠状態移行】
【占星術師】「そんなわけないか。まあ、片手間に殺す程度でいいか……」
彼は予言の書に「マクロイヒ兄弟が交国計画の大きな障害になる可能性」が記されていた事から、彼らを危険視したものの、その脅威を正確には認識できませんでした。
彼らの父であり、【占星術師】の弟である【詐欺師】が仕掛けていた術式が機能していたのです。【占星術師】だけではなく、玉帝達ですらマクロイヒ兄弟を過小評価しました。
 




