新暦147~300年頃
【占星術師】「俺達はしあわせになるんだ!!」
観測肯定派を裏切り、汚染された予言の書を手に入れた【占星術師】は一発逆転の手立てとして<交国計画>に頼る事にしました。
【占星術師】「この予言の書によると、真白の魔神は交国計画という超すごいものを開発できる。それを俺達が手中に収めれば、何もかも俺達の思い通りになるんだ」
【詐欺師】「う、うーん……? それ、本当に手を出していいものなの?」
【占星術師】「交国計画は多次元世界を制圧した事もある。いいものに決まってるだろ!」
紙魚『ソウダソウダー』
紙魚『ヤッチャイナヨー』
紙魚『ヤラナキャヤラレル。ナラバヤラネバ』
交国計画に多次元世界を制圧できるだけのポテンシャルがあるのは事実でした。
エレイン(偽名)のオリジナルがいた多次元世界とか、真白の魔神の交国計画でメチャクチャになりましたからね。【占星術師】の手に負えるかは別の問題ですが。
【占星術師】は汚染された予言の書を頼りに交国計画を手中に収めようと考えていました。そのためにコソコソと真白の魔神に接触していきました。
【占星術師】「ボクはあなたの味方です! 手を取り合いましょう!」
真白の魔神「まるで信用できない。けど、有益な情報持ってるから利用しようかな」
真白の魔神は【占星術師】が「別の真白の魔神」に操られている事は知りませんし、「見るからに胡散臭い」と思っていましたが有益情報持ってるので利用する事にしました。
お互いに笑顔を向け、後ろ手にナイフを持っているような関係でしたがこの協力関係はそれなりに上手くいっていました。それなりに。
【占星術師】「丘崎獅真は面倒なんで、<蠱毒計画>は絶対にやめてくださいよ」
真白の魔神「了解! 蠱毒計画発動!!」
【占星術師】「」(横転)
紙魚『』(横転)
真白の魔神は真白の魔神で正気を失いがちで、転生するたびに記憶をなくしたりするので【占星術師】の思い通りにならない事も多々ありました。
それでも【占星術師】が奔走し、計画を軌道修正する事で何とか交国計画実現へと向かっていきました。【占星術師】は真白の魔神の使いっ走りにされている立場なので、もうどう足掻いても勝利者になる事はないのですが。
そんな事は露知らず、転生した真白の魔神は蠱毒計画で強化された丘崎獅真と出会い、彼らと共に<エデン>という組織を作りました。
当時の真白の魔神は正気を失ったり、人類に落胆しながらも、何とか人類を救おうと奔走していました。過去の自分が作った人類連盟はすっかり腐敗していたため、新組織を作ってプレーローマや人類連盟・常任理事国に対抗していこうとしたのです。
対抗するためには組織をもっと強くする必要がある。
組織強化の基盤作りのため、真白の魔神は辺境に存在する<ネウロン>に渡りました。プレーローマや人類連盟の支配が及んでいない忘れ去られた世界で文明を育み、エデンの戦士や支援者達を育てようとしたのです。
滅びかけていたネウロンはエデンの支援により復活し、復興していきました。巫術師も生まれ、人類救済の芽も育っていきました。
【占星術師】「違う」
【占星術師】「違うんだよなぁ。こういうのじゃないんだよなぁ!!」
【占星術師】「今代の真白の魔神じゃ無理だ。コイツでも交国計画を作れるかもしれないが、丘崎獅真達が邪魔だ。奴らは俺が交国計画を手に入れる邪魔になる。間違いない」
紙魚『ヤッチャイナヨー』
【占星術師】「殺すしかないな。ああ、リセット……リセットしよう」
【占星術師】はネウロン人を密かに扇動し、反乱を起こさせました。
この反乱の最中、真白の魔神のバックアップの器として作られながらも1人の人間として育てられていたスミレが死亡しました。
何かがおかしいと思っても【詐欺師】の認識阻害によって気づけない真白の魔神達はネウロンから引き上げました。
エデンやエデンがもたらした文明の利器が失われる事でネウロン人が飢え苦しみ、ネウロン人同士の戦争が始まるのを懸念して後始末を真白の魔神の使徒・エーディンに頼み、エデンはネウロンを去っていきました。
エデンはその後も人類救済のために動いていましたが、最終的にプレーローマの武司天・ミカエルによって壊滅に追いやられました。武司天との戦闘により、この代の真白の魔神も死亡しました。
天使「ミカエル殿。真白の魔神は生きたまま捕らえろという命令だったでしょう!?」
武司天「うるせえ」
天使「何故殺したのですか! アレには利用価値があったのに……」
武司天「黙れ。ころすぞ」
天使「こ……コイツ、なんでキレてんだ……?」
天使「く、くそっ……。殺っちまったもんは仕方ない。帰投するぞ!」
天使「ミカエル殿! 大人しく監獄に戻っていただきますよ!!」
武司天「きゃんきゃん騒ぐな。鬱陶しい」
天使「て、抵抗する気か……!?」
天使「我々を……プレーローマを裏切るつもりか!!?」
武司天「戻らねえとは言ってねえだろ。騒ぐな、と言ったんだ。ガキ共」
プレーローマの混乱期はまだ続いていましたが、人類救済の芽がまた1つ摘まれました。
ただ、真白の魔神は転生によって復活します。それは「エデンを創設した真白の魔神」とまったく別物になりますが、交国計画が欲しい【占星術師】にとってはどうでもいい事でした。
丘崎獅真は逃がされた事で何とか生き残り、真白の魔神を追いかけ始めました。ただ、真白の魔神を「守るため」ではなく「殺すため」に追いかける日々となりました。
真白の魔神は転生するたびに記憶を失い、精神も壊れていく。
人類を救おうとしていた真白の魔神は、壊れた自分が人類に仇なすのを恐れており、そうなった時のストッパーとして丘崎獅真に尻拭いを頼んでいたのです。丘崎獅真はそれを望んでいませんでしたが、やらざるを得ない立場でした。




