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7年前、僕らは名誉オークだった  作者: ▲■▲
番外編:観測肯定派やらか史
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メッチャ昔



 昔々、メチャクチャ昔。


 滅びかけの地球に化け物がやってきて、【先生】という人物が化け物と交流して夫婦になり、化け物の身体の一部から<原典聖剣>というものを作りました。


 原典聖剣には世界中を観測する力と、観測結果を過去に送る力を持っていました。【先生】はその力によっていくつもの多次元世界を観測してきました。


 これによって単に観測結果が集まるだけではなく、数多の多次元世界(並行多次元世界)が生まれていきました。


 細かい話は「異世界職業図鑑」あるいは「よくわかんねえ異世界職業図鑑世界史(前編・後編)」に書いてあるので割愛します。


 ともかく【先生】の目論見通りに数多の観測結果が集まりました。【先生】は「未来の新技術」「未来の歴史」などが記されたそれを<予言の書>に記し、<プレイヤー>という人々に分け与えました。


プレイヤー「やさしい~~~~!」


プレイヤー「人生攻略本ですやん」


 なお、予言の書に記されている内容はそれぞれ違いました。


プレイヤー「「「「じゃあ殺し合いだよ」」」」


 プレイヤー達は予言の書を奪い合い、この争いは多次元世界の歴史を変えていきました。結果、予言の書の内容も充実していきました。


【先生】「生徒達が優秀で良かったよ」


【絵師】「くたばれカス!!!!!!」


 プレイヤー達は超有益情報を独占するため、予言の書の奪い合いを行っていました。


 血を血で洗う戦いの中、プレイヤー達の間でも派閥が出来上がっていきました。


 最大派閥の<観測肯定派>は「予言の書を活用しまくって幸福になる」「観測もバンバン続けさせろ!」という考えを持っていました。


 彼らは自分達の都合の良い状況を欲していました。「都合の良い状況」=「観測肯定派の主要メンバーが持っている予言の書が最大の効果を発揮する状況」です。


観測肯定派「どうやったらそんな都合の良い状況作れるのかな?」


観測肯定派「超つよい神を用意して、そいつを密かに操る。他のプレイヤーが邪魔してきても、超つよい神が負けなけりゃ我々に都合の良い歴史が続くぞ」


観測肯定派「天才か?」


 かくして彼らは「超つよい神」こと<秩序の神>を擁立する事にしました。


 最初の秩序の神として選ばれたのは<源の魔神・アイオーン>でした。強大な力とズルい能力を持った彼はあっという間に世界を支配し、観測肯定派を満足させました。


 ただ、源の魔神は人類を憎んでおり、その多くが旧人類だった観測肯定派も源の魔神に睨まれたら抹殺されかねない状況でした。


観測肯定派「見つからなければセーフ!!」


観測肯定派「秩序の神のスネをかじるライフ最高!!」


 源の魔神は自分が利用されている事を知らず、多次元世界を支配し続けていました。途中、裏切られたり裏切られたりまた裏切られたり寝取られたり無理やり子供作って泣かれたら子供処分したり封印されたりトラブルもありました。


 でも、概ね観測肯定派の思い通りにいっていました。


 ただ、最終的に思い通りにならなくなりました。


観測肯定派「こいつ……ちょっと強くなりすぎてね?」


観測肯定派「天災か?」


 源の魔神は人類への復讐を続けつつ、進化し続けてきました。


 観測肯定派は「自分達の手に負えない」と考え、慌てて源の魔神を処分しようとしました。しかし、その企みの多くは失敗しました。


 強くなりすぎた源の魔神は、いつか観測肯定派(じぶんたち)に気づく。


 人類を憎んでいる源の魔神が、一部の人類の都合良く使われていた事を知ったら激怒するのは間違いない。自分達はむごたらしく殺されるだろう。いや、死んだ方がマシな目に遭うだろう。


 観測肯定派は自分達の手のひらで大きくなり続ける源の魔神(バクダン)に恐怖していましたが、そんな折りに1人のプレイヤーが動きました。


【絵師】「ウチの出番かぁ~……」


??「お前じゃねえ、座ってろ」


【絵師】「だれぇ!?」


 立ち上がったのは<観測否定派>の主要人物たる【絵師】ではありませんでした。


 彼女とは別のプレイヤーが秩序の神に抗ったのです。


 正確には結構前から抗ってました。


 1人のプレイヤーは観測肯定派や秩序の神の存在を面白く思っていませんでした。強くなり続ける源の魔神や、その配下の<プレーローマ>や<終末兵器(ハーベスター)>への対抗手段を探し続けていました。


 最終的にそのプレイヤーは【先生】の伴侶となった化け物とは別の化け物に着目しました。


??「秩序の神(カミ)には蕃神カミで対抗する」


【絵師】「」(絶句)


 かつて<夜より暗きモノ>と呼ばれたそれは、知的生命体の夢の中で眠りについていました。


 別名、<夢葬の魔神>と呼ばれるそれを利用し、<幻夢教>という宗教を作りつつ、信徒達にその力を与える事で天使達にも対抗できる戦力にしていきました。


【絵師】「いやいやいや……そいつはさすがにマズいって!! こことは別の多次元世界を滅ぼした記録もある。まだ目覚めていないとはいえ、そいつはそいつで私達の手には負えない!」


??「いけるいける大丈夫大丈夫眠ってる状態なら手綱を握れる!!」


【絵師】「愚者は経験に学ぶ」


【絵師】「その手にある予言の書は、便所紙なのかな?」




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