TIPS:秩序の神
【TIPS:秩序の神】
■概要
<観測肯定派>のプレイヤー達が主導権を握るために始めた計画及び計画の産物の名称。長年に渡って<源の魔神・アイオーン>がその役割を務め、一時期は<真白の魔神・メフィストフェレス>も秩序の神に仕立て上げられていた。
プレイヤー達は<予言の書>によって過去の多次元世界の――正確には並行多次元世界の――歴史を知っている。
ただ、予言の書に記されている内容はプレイヤー個々人で異なる。数多の多次元世界の情報が記されているため、情勢次第ではまったく参考にならない情報になりかねない。
それでも上手く扱えば多次元世界の覇権を握る可能性を持っているが、プレイヤー達が自分で覇権を握るのは困難な事情があった。
2代目の<夢葬の魔神>のような遊者狩りはプレイヤーを積極的に狩りにくるため、下手に目立った行動を取ると――世界の覇権を握ろうとすると――夢葬の魔神やその使徒がやってくる危険性があった。
また、プレイヤー同士の争いも盛んに行われているため、自分達自身で覇権を握ろうとするのは余程の力がない限りは自殺行為になる。
そこで一部のプレイヤー達は「自分達の代わりに世界の覇権を握る神」を作り上げ、その神が作る秩序の中で予言の書を活用して立ち回ろうとした。
世界を統べるほどの圧倒的な力を持ち、なおかつ夢葬の魔神のような遊者狩りが動かないような「支配の代行者」として一部のプレイヤー達は――<観測肯定派>は<秩序の神>を祭り上げる事にした。
この計画はある程度上手くいった。
最初の秩序の神である<源の魔神・アイオーン>は一時封印される事もあったが、長年に渡って多次元世界を支配してきた。
ただ、プレイヤー達の想定以上に強すぎたため、葬られる事になった。
■源の魔神・アイオーン
選定の剣を抜き、旧人類に反逆した魔神。最初の秩序の神として、観測肯定派の手のひらで踊る事になった。
源の魔神の力は観測肯定派の計画通り、多次元世界を創造し、長年に渡って統べてみせた。その成果に観測肯定派は満足していたが、彼らが想定していた以上に源の魔神は強力な秩序の神と化してしまった。
源の魔神は自分が秩序の神として祭り上げている事実を知らない。
プレイヤー達は源の魔神に対し、自分達の存在を伏せていた。自分達の手のひらで踊らせている事がバレたら皆殺しにされかねない状態だった。
想定以上に強くなりすぎた源の魔神は観測肯定派でも勝てない存在になっていたため、観測肯定派は計画の一時中断覚悟で源の魔神を始末しようとした。だが、その暗殺計画の大半は失敗した。
自分達の手のひらに載った爆弾に恐怖した観測肯定派は、敵である<観測否定派>と一時手を組んででも源の魔神を始末しにかかった。
彼らは源の魔神の力を可能な限り削ぎ、神器使い達を利用して源の魔神・アイオーンを始末した。強大な秩序の神の死は、プレイヤー以外にも大きな影響を及ぼした。多次元世界の情勢を大きく変わる事となった。
■真白の魔神・メフィストフェレス
源の魔神を殺害する過程で生まれた魔神。最初は転生能力と神器使いとしての能力しかなかったが、観測肯定派に目をつけられて秩序の神に改造された。
観測肯定派は源の魔神の反省から、「最悪いつでも処分できる秩序の神」を欲した。「本体は脆弱な秩序の神」を作ることを決めた。
新たな秩序の神は一種の「予言者」を目指す事になった。
<原典聖剣>に繋げる事で、本来は予言の書を介さなければ手に入らない並行多次元世界の情報を手に入れ、知識や発明によって多次元世界の覇権を握らせようとした。
理屈上では可能だったが、膨大な情報が蓄積された原典聖剣と繋がる事は自我崩壊の危険があった。実際、そうなった者達もいた。
観測肯定派はそれらの失敗作から学び、膨大な情報への耐性を持つ真白の魔神に目をつけた。そして密かに真白の魔神を改造し、新たな秩序の神に仕立て上げた。
しかし、計画が軌道に乗る前に観測否定派の【絵師】が動き、【占星術師】達を扇動して真白の魔神を死に追いやった。
真白の魔神は死んだところで復活するが、どこに行ってしまったかわからなくなってしまった。真白の魔神を新たな秩序の神に推していた観測肯定派は混乱。その隙に現れた夢葬の魔神の使徒らによって大打撃を受け、真白の魔神を秩序の神とする計画は頓挫する事となった。
ただ、夢葬の魔神の使徒にやられたのは観測肯定派でも末端の者達ばかりで、観測肯定派自体は存続している。
生き残った観測肯定派の中には「内部の裏切り者が観測肯定派内での主導権争いを制するため、夢葬の魔神に仲間を売ったのではないか」と主張する者もいる。




